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共感力を高める考え方とは?心理学のプロが解説

共感力を高める方法を心理学の専門家が解説④

考え方を広げて共感力をup

コラム③では、共感的理解の4つのポイントを紹介しました。できることから取り入れてみてくださいね。今回は、共感力を高める方法の3つ目「考え方を発見⇒共感法」について解説していきます。

共感力を高める考え方

「考え方の理解」⇒「感情の一致」

コラム1でも解説をしましたが、復習をしましょう。心理学の研究では、人間の感情は考え方に影響されることがわかっています。例えば、「TOKYOマラソンのチケットが当たった!一緒に出ようよ!」と友人から誘われたとします。みなさんは、どのように感じるでしょうか。

大きく分けると、

「うれしい」
「嫌だ!」

のどちらかに分かれると思います。

「うれしい」と感じた方は、
・身体を動かすことは気持ちがいい
・貴重な体験ができる
などの考え方があると思います。

「嫌い」と感じた方は、
・10キロも走ったら心臓止まる!
・運動は疲れる
などの考え方があるのかもしれません。

このように、人間の感情は考え方の影響を強く受けるということをまずは押さえておきましょう。

共感力の鍵は「考え方の発見」

相手に共感して、相手の気持ちに寄り添おうとすることは、とても大切です。そうは言っても、なかなか共感できない!という方は、もしかしたら「考え方」が狭くなっているのかもしれません。

実は、「感情だけを共感する」ということは非常に難しく、考え方も含めてはじめて強い共感が生まれるのです。

共感力がない人の考え方

共感する時のポイントは、相手の話を「考え方」「感情」に分けて、まずは考え方から理解することです。ちょっとわかりづらいと思いますので、練習問題で確認してみましょう!

練習問題

次の台詞を読んで、「考え方」と「感情」に分けてみましょう。

「実はいま、職場でいじめられていて、すごくつらいの。だってね、仕事って、みんなで仲良く協力して楽しくやるものでしょ。」

「考え方」⇒

 

「感情」⇒

 

解答例

「考え方」⇒仕事って、みんなで仲良く協力して楽しくやるものでしょ。

「感情」⇒すごくつらい

まずは「考え方」に着目します。仕事ってみんなで楽しくやるものでしょ…この点はいかがでしょうか。そんな考えもあると思いますが、なかなかそう言い切れるものではありません。

「仕事はなれ合いじゃなく、目標を達成するためのものだ!」

こんなふうに考える方もいると思います。しかし、このように思ってしまうと共感はできないでしょう。仕事は目標達成のためにあるのも事実ですが、「楽しくやる部分がある」のも事実なのではないでしょうか。

特に会社では、チームプレーが大事です。職場の仲間で仲良くなって、楽しく充実して仕事をすることは決して間違いではないはずです。

考えを1部分認める習慣

多くの場合、考え方が100%間違っているということはありません。そう考える一定の理由が必ずあるのです。その部分をしっかりと理解できればOKと考えましょう。

部分部分でも認められば、感情は自然とついてきます。具体的には、私であれば

「確かに仕事は楽しいに越したことはない(考え方)ですよね。楽しさがない職場にずっといると参ってしまいますね(感情)。」

こんな形で返していきます。越したことはないと確認をすると→自然と参ってしまうよね・・・と感情が出てきます。共感力を高める考え方

100%ではないですが「考え方に共感できる部分があるよ」と伝えると自然と共感できるイメージですね。つまり、共感が苦手な方・共感力がないと感じている方は

①考え方で共感できる部分を探す
    ↓
②1部分でOkなので考えた方を理解する
    ↓
③出てきた感情をセットで伝える

と覚えておくと良いでしょう。

考え方を広げて共感力を高める

共感力を上げる「非言語の明確化」

感情の明確化とは、相手が言語化できない気持ちを、代わりに言葉にして個々の整理を手伝うテクニックです。例を挙げると、友達がこんな風に話したとします。

「先日、やっと夏に繁忙期が終わって、
仕事にひと段落したんだけど、
気が付いたら休日やることがなくてね・・・

上級者になると、この・・・の部分に何が隠れているかを察知して、繰り返すことできるようになります。

「少し寂しい気持ちになるよね・・・」

「時間が空くとどうしていいか困っちゃうよね・・・」

このように非言語部分を察知して、それを言葉にして返していきます。少し難しいテクニックですが、カウンセラーはよく使います。

明確化ーメリット
・漠然としていた気持ちの存在に気が付く
・どんな気持ちか明確になる
・相談者と深い信頼官益を築くこともできる

明確化ー上手くなるコツ
・表情や声の抑揚に気を付ける
ため息 空元気 冷笑 声が暗いなど
・言葉にならない時、代わりに言葉にする

練習問題

それでは練習問題にチャレンジしてみましょう。以下の相手のセリフに隠れている感情を明確にしてみてください。

問題1
相手「最近、上司といるとどうも疲れるんだよね。
   はあ・・・明日も仕事か・・・」

あなた

問題2
相手「昨日合コンで知り合った異性にメールをしたんだけど
もう2日立たったのに返信が無いんだ・・・」

あなた

問題3
あなた「ねえねえ!来春なんだけどさ、飲みにいかない?」
相手「え・・・来週かあ。ちょっとお金がなあ・・・」

あなた

 

解答例

問題1
相手「最近、上司といるとどうも疲れるんだよね。
   はあ・・・明日も仕事か・・・」

あなた
⇒上司との関係がギクシャクしている時は、
毎日つらいよね・・・

問題2
相手「昨日合コンで知り合った異性にメールをしたんだけど
もう2日立たったのに返信が無いんだ・・・」

あなた
⇒せっかくメール交換できたのに、返信がないと
すごく不安になるよね・・・

問題3
あなた「ねえねえ!来週なんだけどさ、飲みにいかない?」
相手「え・・・来週かあ。ちょっとお金がなあ・・・」

あなた
⇒そうだよね。給料日もまだ少し先だし、
なかなか厳しいよね~

3種類のオウム返し

相手に共感を示すためのテクニックとして「オウム返し」があります。これはオウムのように相手が言ったことをそのまま繰り返す技術なのですが、大きく以下の3つパターン分けられます。

1.事実のオウム返し

事実のオウム返しとは、相手が言った事実だけをそのまま返す傾聴スキルです。例えば、「昨日、京都に行ってきたんだ。清水寺に初めて行ってきたよ!」と友人が言ったとします。事実のオウム返しをすると、こんな感じです。「京都に行ってきたんだねー」「清水寺かあ~」「初めての清水寺だったんだ」このように、事実のオウム返しでは、相手の発話から事実の部分だけを切り取って返します。相手の言葉をそのまま返すだけでOK!自分の気持ちを入れる必要はありません。

2.感情のオウム返し
感情のオウム返しとは、相手が言った言葉の中から感情の部分だけを切り取って返す傾聴スキルです。例えば、「昨日、幼なじみと偶然あうことができてうれしかった。また会う約束もできたんだ!」と同僚が言ったとします。感情のオウム返しをすると、こんな感じです。「偶然の再会かぁ。うれしいよね~このように相手の感情表現だけを切り取って返すだけですが、前回ご紹介した事実のオウム返しよりも自然な印象になるのが特徴です。

3.言いかえのオウム返し
言い換えのオウム返しとは、相手が言った言葉の中からおおむね同じ意味になる言葉を使って返す傾聴スキルです。例えば、友人が次のように言ったとします。「楽しみにしていたコンサートだったのに、台風のせいで中止になってしまったんだよね…。すごく残念だった。この発話に、感情のオウム返しをしてみるとこんな感じです。「台風で開かれなかったんだ~、悔しいよね。言葉が言い換えられているのがわかりますか。

・中止→開かれなかった
・残念→悔しい

言い換える言葉は、相手が言った言葉の意味とおおむね似ていればOKです。言い換えのオウム返しは、相手の言葉を使ってオウム返しをしているだけですが、とても自然な印象になります。

練習問題

以下の相手のセリフに対して、3つそれぞれのオウム返しを考えてみましょう。

「最近金欠気味で・・・カツカツだよ。。」

感情のオウム返し

言いかえのオウム返し

事実のオウム返し

 

「最近ちょっとふとちゃってね。ダイエットしないと・・・」

感情のオウム返し

言いかえのオウム返し

事実のオウム返し

 

「先日の合コンで知り合った異性から・・・返信がなくて・・・寂しいです」

感情のオウム返し

言いかえのオウム返し

事実のオウム返し

 

解答例

「最近金欠気味で・・・カツカツだよ。。」

事実のオウム返し
⇒金欠でカツカツなんだ

感情のオウム返し
⇒あぁ~金欠かあーなんだか虚しくなるね。

言いかえのオウム返し
⇒今お金ないんだ、厳しい状態だね~

 

「最近ちょっとふとちゃってね。ダイエットしないと・・・」

事実のオウム返し
⇒え、少し太ったんだ!ダイエットするんだね

感情のオウム返し
⇒えー、大変だね。

言いかえのオウム返し
⇒痩せようしているんだ!

 

「先日の合コンで知り合った異性から・・・返信がなくて・・・寂しいです」

事実のオウム返し
⇒返信がなくて寂しんだね

感情のオウム返し
⇒うわぁそれは、寂しいね。

言いかえのオウム返し
⇒返事がこないんだ、そういう時って心折れるよね。

考え方が広い人ほど共感力がある

「考え方」の全てを共感するのではなく、一部分でOKです。まずはその、理解できる部分を探すことが大切です。相手の気持ちに寄り添い、「そうなんだね」と受け入れる程度の言葉が伝えられれば、自然と共感する言葉が生まれてきます。焦らずに、できることから少しずつ実践してみてください。

次回は、共感力を高める方法の5つ目「程よい距離感で共感する」についてご紹介します。

★共感力を高めるカギ!考え方と感情を分けてから共感を伝えよう

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