共感力を高める方法「いったん相手になる」
共感力コラム④では、共感力のトレーニングとして「感情の明確化」について解説をしました。今回は、共感力を高める「いったん相手になる法」について解説をしていきます。
自他はあまり変わらない
もしあなたが、共感力が低いと感じているなら、次の方法を試してみてください。それは
「(いったん)相手になってみる」
ということです。具体的には「自分も同じ状況になれば、同じ失敗をするかもしれない」など、いったん相手の悩みや状況をゼロから想像してみるのです。そのとき、自分の価値観はいったん忘れてください。
コラム①でお伝えした通り、共感とは相手と全く同じ気持ちにならなくても良いのです。
「いったん」
というのがポイントで、全部理解しよう!ではなく、あくまでも「私は私だけど、いったん相手になってみよう」これでOKです。
抽象的で少しイメージしにくいかもしれませんね。ここで、共感するのが苦手という悩みを改善したAさんについてご紹介させていただきます。
仕事に厳しい太郎さん
カウンセリングにいらっしゃった太郎さんには、ある悩みがありました。太郎さんは管理職でした。仕事は素早く丁寧で、有能です。しかし、周囲とぶつかる癖がありました。
「こんな簡単なこともできないの?」
「俺(私)ならこんなミスしないよ」
と、相手を見下したような発言をすることも多かったため、結果的に部下の信頼を失い、管理職としての評価がガタ落ちになってしまいました。
この太郎さん・・・非常に頑固で、自分が正しい!という結論からなかなか抜け出すことができませんでした。
太郎さんは苦しみながらも、カウンセリングで自分自身と向き合いました。その過程で、いったん自分の立場を脇に置いて、相手の立場になって考え方たのです。その結果、
・自分も同じ状況になれば、わからないことがあるかもしれない
・自分も同じ状況になれば、失敗することがあるかもしれない
と太郎さんは考えました。相手の状況を理解できた太郎さんは、実際の現場で頭ごなしに怒ることがなくなり、
「○○がわからなかったんだね。誰かが丁寧に教えたわけではないから、理解できないよね。私も一緒に対策を考えるから頑張ろう!」
と相手の気持ちに配慮できるようになったのです。太郎さんは頭ごなしに怒るという姿勢が改善され、部下との関係が定着・安定した段階で、カウンセリングを卒業されました。
共感力を高める練習
それでは、ここで共感力を高める練習問題を行っていきましょう。以下の例文を読んで、いったん相手になってみる法を行ってみてください。
①練習問題
状況
・親友が恋人から別れを切り出された
・恋人は束縛が激しく親友も悩んでいた
・親友はショックを受け落ち込んでいた
・相談された時「まぁ自由になってよかったじゃん」と言った
・親友から「何も分かってない!」と怒鳴られた
いったん相手になって考えてみましょう
⇒「 」
解答例
いったん相手になって考えてみましょう
⇒「束縛も辛かっただろうけど、大好きな異性にフラれたショックは大きいよな。
もう少し相手の身になって相談するべきだったかも」
②練習問題
状況
・あなたは最近父になった
・休日だったので子供のお世話した
・しかし、妻はイライラしている
・「休みの日ぐらい洗い物やってよ」と言われる
いったん相手になって考えてみましょう
⇒「 」
解答例
いったん相手になって考えてみましょう
⇒「考えて見れば、○○(妻)は平日はいつも家事と子育ての両方やっているんだよな。
自分が家にいるときぐらい手伝ってほしいよな。」
共感力はゆっくり高めよう
練習問題はいかがでしたか。「すぐに修正して改善」とはなかなかいきません。相手に共感する言葉がけは、一朝一夕でできることではないのです。
人の気持ちを察して共感を示すには、地道な努力が必要です。焦らずゆっくり、チャレンジしてくださいね(^^)まずはいったん相手になってみる!という事を基礎として意識してみてください。
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