ムカつく時の対処法「相手への期待を下げよう」③
コラム①では、ムカつくについて概観していきました。今回は、「相手への期待値を下げよう」について詳しく述べていきます。
ムカつく=期待が強い
ムカつく気持ちの原理
ムカつく気持ちは「期待が裏切られた」ことの裏返しでもあります。
例えば、以下のような状況ではどうでしょうか。
・友人と12時に東京駅で待ち合わせ
・「12時に来てもいたい!」
・しかし友人は13時に到着!
・さらには謝罪もしない
このような状況ではムカつく気持ちが込み上げてくる人がほとんどでしょう。しかし、中にはムカつく気持ちを上手くコントロールする人もいます。
そこで、ムカつく人とムカつない人の考え方の違いを比較してみましょう。
ムカつく人
・遅刻はだらしない人間がすることだ
・遅刻したら謝罪をするのが当たり前だ
このようにムカつく人は、期待値が高い傾向にあります。このように、相手が自分の期待通りに行動してくれる思い込むと、それが外れた時に大きなショックとなります。
ムカつかない人
・誰だって遅刻することもある
・プライベートは気楽に付き合いたい
このようにムカつかない人は期待値が低く、相手の行動が社会的なものでなかったとしても受け入れることができます。つまり、期待値が低い人はその分、ムカつく気持ちが湧きにくいと考えられるのです。
期待値と怒りの関係
上記の例を踏まえて、期待値とムカつく感情の関係を分かりやすく解説したいと思います。
下記は期待値と怒りの関係を図で表したものです。
期待値である「50」を下回れば下回るほど、ムカつく気持ちが抑えられなくなります。
つまり、相手への期待が低いほど怒りも沸き起こりにくくなるというわけです。
ムカつくを鎮める方法
では、実際に具体的な期待を下げて、ムカつく気持ち下げる方法を解説していきます。
手順としては以下の通りです。
①期待とのギャップを把握
まずは期待とのギャップ把握していきましょう。自分がどんな期待を抱いていたのか、そして相手の行動がどういったものだったのかを確認していきます。
⇒
・自分の期待 時間通りに来る
・相手の行動 10分遅れ
②ギャップ思考を修正
次にギャップ思考を修正していきましょう。ひとは誰でも失敗するものです。より期待値の下げた思考を考えてみてください。
⇒
・私も遅刻したことがある
・人間だから遅れることもある
③ムカつく気持ちを眺める
最後に、ムカつく気持ちの流れを観察していきます。徐々に怒りが消えていくところを眺めてみてください。
⇒
・ムカつく気持ちが減っていくな…
・怒りたい気持ちが薄れていくな‥
このように、ムカつく気持ちを観察することで、感情の変化を客観的に知ることができます。イライラをコントロールするためには、自分を外側から見る視点が重要なのです。
実践!ギャップを修正
それではここで、練習問題にトライしてみましょう。以下の状況に対してギャップ思考を修正するムカつく気持ちを抑えてみてください。
【状況】
・出張先でコンビニに弁当を買いに行く
・店員さんのやる気がない
・「弁当温めますか?」という質問もされない
・自分から「温めでお願いします」と言う
・店員さんは舌打ちをし弁当をレンジに投げ入れる
・温めが終わると雑にカウンターに置かれる
・弁当を食べようとしたら割りばしが入っていない
・出張先なので食べることができない
①期待とのギャップを把握
⇒
②ギャップ思考を修正
⇒
③ムカつく気持ちを眺める
⇒
解答例
①期待とのギャップを把握する
⇒自分の期待
・割りばしを入れる
・温めますかを聞く
・丁寧に商品を扱う
・笑顔であいさつする
⇒相手の行動
・割りばしを入れない
・温めますかを聞かない
・雑に商品を扱う
・終始だるそう
②ギャップ思考を修正する
⇒
仕事なのだから切り替えるべきだが、機嫌が悪い時は誰にだってある。もしかしたら、新人さんだったのかも。戻って割りばしをもらいに行こう。
③ムカつく気持ちを眺める
⇒
・店員さんへの怒りが静まっていくな‥
・さっきよりもだいぶ落ち着いてきたな…
・ムカつく気持ちが薄れているな…
ムカつくは期待の裏返し
まとめ
練習問題はいかがでしたか。つい怒ってしまう方は、「ムカつく気持ち」を客観視することが大切です。ムカつく気持ちのままに飲まれてしまうと、周りが見えなくなって不必要な状況にエネルギーを注いでしまいます。
まずは「今自分は怒ってるんだな」と認識することから意識してみてくださいね。
関連動画
2019年、最新の解説で、怒りの正体について解説をしました。
動画環境がある方は是非ご覧ください。
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