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慰める時は共感力が大切

慰める時の基本は「共感」②

コラム①では、慰めることの効果や具体的な方法をご紹介しました。今回は、相手を上手に慰める時の基本姿勢「共感」について解説します。

慰める時は共感が必要

慰める時にはいろいろな言葉をかけると思いますが、慰める言葉の中でも

「わかるわかる!」
「そういうこともあるよね」
「私もそういった経験があるよ」

など、共感する気持ちを伝える事が多いのではないでしょうか。この共感の言葉は、慰める時にはとても大切です。

共感と慰めること

共感については、ロジャース(Carl Ransom Rogers)が、次のように定義しています。

相手の内部的照合枠を、そこに伴って生じる情動的要素なども含めて正確に知覚すること

つまり共感とは、感覚、記憶、意味、など相手の内側で起こっていることを正確に感じる取ることといえます。そしてロジャースは、相手の私的な世界を、”あたかも”自分自身のものであるかのように感じ取ることだとも主張しています。

つまり「相手の内側の部分である」と認識しながらも、”あたかも”自分のことのように考え、相手を理解するよう努める事が共感には大切です。

このような共感を通して、相手のことを自分事のように感じる中で、お互いに距離を取らずに触れ合うようになり、慰める事ができるのです。

慰めるスキルで共感力UP

慰める場面では、共感を示すには、相手の話にしっかり耳を傾け、相手の気持ちをより理解することが大切です。

共感を示す3つのオウム返し

共感を示すときに有効なスキルに「オウム返し」があります。オウムのように相手が行ったことをそのまま繰り返す中で共感を示します。

1.事実のオウム返し
相手が言った事実だけをそのまま返すスキルです。
たとえば、
「昨日、電車切符を忘れて大変だった…」
と友人が言った場合「切符を忘れてしまったんだね」など、相手の発話から事実の部分だけを切り取って返します。

2.感情のオウム返し
相手が言った言葉の中から感情の部分だけを切り取って返します。
たとえば、
「楽しみだったイベントが中止ですごく残念…」と友人が言った場合「中止かぁ。残念だよね」と、相手の感情表現だけを切り取って返します。

3.言いかえのオウム返し
相手が言った言葉の中からおおむね同じ意味になる言葉を使って返します。
たとえば、
「受験勉強を必死にがんばったのに、第一希望に合格できず悲しい…」と友人が言った場合「受験に向けてとても努力したんだね悔しいよね。」相手が言った言葉の意味とおおむね似ていればOKです。

・頑張った→努力
・悲しい→悔しい

相手の言葉を使ってオウム返しをしているだけですが、とても自然な印象になります。

3つのオウム返しで慰めるまずはご紹介した「3つのオウム返し」をする中で、相手の気持ちを汲み取っていきましょう。

そして、共感をする時の注意点は、自分の「主観」で考えないことです。想像だけで相手の気持ちを捉えてしまうと「決めつけ」「思い込み」に支配されて共感ができないことがあります。

そこで、出来る限り相手に質問をして、相手の気持ちを汲み取っていくようにしましょう。ここでは2つの質問方法をご紹介します。質問する中で、相手との距離感を近づけていけます。

1.5W1Hの質問
5W1Hとは、以下6つの質問の頭文字をとって名付けられています。

・いつ(When)
・誰と(Who)
・どこで(Where)
・なぜ(Why)
・なにを(What)
・どうやって(How)

これらの質問を使うことで話しを深堀り、相手の気持ちが明確に分かり共感しやすくなります。

たとえば、
「沖縄に行ったんだけど雨で全く遊べなかった…」
という友人の言葉に
「雨で残念だったね~。誰と(Who)行ったの?」
という質問をすると、相手の状況が理解しやすくなりますね。

5W1Hで共感しよう

2.不安を聞く質問
慰める場面で、相手の不安や悲しみを聞き出すときには、マイナスの感情を入れながらの質問します。

・つらい、悲しい、しんどい、
・疲れている、暗い、元気がない
・やる気がでない、めんどくさい
・後ろ向きになっている、つまらない
・興味がない、混乱している、イライラする

このようなマイナス感情を入れた質問をするようにしましょう。

たとえば
つらいのはいつ頃から?
・すごくしんどいのかな?
・いつも落ち込んじゃう感じ?
やる気が出ないのが続いてるの?
・今は混乱している状況かな?

マイナスの感情を会話に取り入れて、相手の不安に耳を傾ける姿勢を示していきましょう。

共感力で上手に慰める

慰める時には、相手の言葉を全力で肯定しなければいけないと思うかもしれません。しかし、力が入り過ぎては相手の気持ちをしっかり汲み取ることができません。

まずは、ご紹介した3つのオウム返しと相手の気持ちを汲み取る質問を組み合わせる中で、相手との距離を近づけて上手に慰めていきましょう。

★慰める時の基本は「共感力」相手との距離感を近づけよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・よくわかる臨床心理学 山口 創著 川島書店 共感性尺度の再構成