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ネット依存「身体・心理的な症状と影響」

ネット依存の影響「身体・心理症状」③

コラム②では、ネット依存の現状について症例や統計をもとに解説しました。今回は、ネット依存の影響として「ネット依存による症状」をご紹介します。

ネット依存による悪影響や合併症

インターネット依存に陥っている人は、ほとんどの場合なんらかの精神疾患や情緒の不安定さを抱えていると言われています(小寺,2013. 他)

依存症専門外来・久里浜医療センターの中山(2015)先生のトルコの中高生を対象にした調査による報告によると次のことが示されています。

・ネット依存の影響① 身体面

BMI(体格指数)25以上(正常値22)の人は、
・インターネットにかなり依存している人:28.4%
・インターネットにかなり依存が無い人:3%
ネット依存している人BMIがかなり高い割合だったそうです。

BMI指数25以上でのネット依存の割合

また河合ら(2011)の研究では、インターネットやSNSの利用では以下のような問題があることが分かっています。「視力の低下」や「睡眠不足」など身体的な問題を悪化させるリスクがあることが分かりますね。

ネット依存による身体的問題

朝から夕方にかけての時間帯は学校や会社にいる人が大半のため、インターネットやSNSの利用は主に「夜間」であると考えられます。ネット上でのコミュニケーションや情報収集にはまってしまうと、深夜まで続いてしまい、結果として多くの睡眠時間が削られてしまいます。

睡眠は「身体的な健康」や「メンタルヘルス」に強く影響しますので、このようなライフスタイルを続けると心身ともに不健康な状態になってしまいます。最悪の場合、体のストレス反応から様々な不調が起きたり、うつ病に発展するなど深刻化する可能性があるため注意が必要です

・ネット依存の影響② 社会生活面

日本の学生に対して、授業出席率を調査したところ次のことが分かりました。授業の出席率が75%未満の大学生の割合を調査したところ、

ネット依存群:16.1%
ネット依存なし群:9.9%

ネット依存群はかなり出席率が低いことがわかりました。

ネット依存と授業出席数に関するデータ

またネット依存は、「将来のために使う時間」や「趣味の時間」などの大切な時間を失うことも見逃せないデメリットです。以下のグラフはSNSよって「どんな時間を犠牲にしたか?」を調査したものです。

SNS依存と利用実態についての調査

 ネット上でのコミュ二ケーションや情報収集は「楽しい」なのですが、その一方で「勉強」「趣味」「仕事」などの本来やるべきことに手をつける時間が少なくなってしまいます。その結果、人生に充実感がない、これからの将来が不安勉強や仕事がうまくいかないといった副作用が現れてしまうのです。

・ネット依存の影響③ 心理面

佐藤ら(2015)によるインターネット依存と合併症についての調査報告があります。佐藤らは、中学生から大学生を対象に、依存度のテストと精神疾患についてのテストを行いました。その結果、全ての世代で、うつ症状とインターネット依存に関連のあることがわかりました。ネット依存とうつ病との関連上記の結果から、インターネット依存うつ病と合併しやすいということになります。

このようにネット依存傾向が高くなることは、身体や心理面に悪影響を与えるとともに、社会生活においても副作用を出してしまいます。インターネットは、適度な利用を心がける事が大切といえそうです。

ネット依存の影響を理解しよう

ネット依存の症状には波があることが多く、家族など周囲がネット依存と捉えることができず、症状を放置されてしまうケースがあります。また、スマートフォンなどで行う場合、周囲の目が行き届きにくくなり、発覚が遅れることがあります。気になる症状があれば早めに対処をして、症状を緩和していきましょう。

★ネット依存の症状を知ろう!早めの対処が大切

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目次

①ネット依存の原因と診断基準
②統計・症例
③身体・心理面への症状
④簡易診断で依存度チェック
⑤ネットの適切な利用法

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・中山秀紀(2015),「特集:現代の若者のメンタルヘルス 若者のインターネット依存」,日本心身医学会,55:1343-1352.
・河井ら(2011)SNS依存とSNS利用実態 日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 26(0), 265-270, 2011
・大里貴子・松本さゆり・五味愼太郎,他「大学生におけるインターネット依存と学年ならびに日常生活状況の関連性に関する調査」,Campus Health,51,195-197,2014.
・佐藤 寛・松原正平・石川信一・高橋 史・佐藤正二(2014),「発達的観点に基づくインターネット依存の疫学調査」,研究助成論文集(50),68-76,明治安田こころの健康財団.

・中山秀紀(2015),「特集:現代の若者のメンタルヘルス 若者のインターネット依存」,日本心身医学会,55:1343-1352.
・大里貴子・松本さゆり・五味愼太郎,他「大学生におけるインターネット依存と学年ならびに日常生活状況の関連性に関する調査」,Campus Health,51,195-197,2014.