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人間関係の始まりは相手に興味を持つこと

人間関係は相手に興味を持つことから始まる⑤

コラム⑤では、心理学の研究を交えながら信頼関係についてご紹介しましたね。信頼しあうことから、信頼関係のある人間関係を築いていきましょう。

今回は「相手に興味を持つ」について解説していきますよ。

相手に興味を持つ意味とは?

良好な人間関係を築くためには、相手に興味を持つことがとても大切です。人間関係のスタートは「相手に興味を持つこと」といっても過言ではないかもしれません。

そもそも興味を持つとは、物事に対してもっと知りたい!面白い!という感情を抱くことと説明されています。

つまり相手に興味を持つことができれば「相手との会話が楽しかった」「相手をもっと知りたい!」「一緒にいた時間が早く感じられた」など、ポジティブな感覚が得られるということです。

では相手に興味を持つには、どのような意識を持つといいのでしょうか。

興味を持つには「好奇心」が重要なことが、さまざまな研究で報告されています。まずは好奇心について、理解をふかめていきましょう。

2つの好奇心を知ろう

好奇心は、拡散的好奇心・知的好奇心の2つに分けられます。

1:拡散的好奇心
拡散的好奇心とは、常に新しい情報を幅広く求める好奇心です。

例えば、スマホでSNSを見ていると、さまざま情報が気になって止まらなくなることがあります。これは拡散的好奇心が刺激されている状態です。興味を持ったことなら、どんどん調べたくなりますよね。

拡散的好奇心は、常に新しい情報に目を向け、興味・関心を幅広く持つことで刺激されます。

2:知的好奇心
知的好奇心とは、知識と理解を深めていく好奇心です。

例えば、趣味や特技など1つの物事に対して、深く知識を広げていくことを指します。大好きな趣味やスキルUPを目指す趣味などへの高い意識は、知的好奇心が刺激されている状態ですね。

知的好奇心は、基礎となる知識を元に自ら考えることで刺激されていきます。

このように2つの好奇心には、それぞれ特徴があるのがわかりました。では相手に興味を持つには、どちらの好奇心が必要でしょうか?

人間関係を良好にする2つの好奇心を解説

相手に興味を持つには、2つの好奇心は組み合わせて使うのが効果的です。

まずは、拡散的好奇心で自分の知らない相手のことに色々と興味を持つようにしましょう。そして気になる点に見つけたらスポットをあて、知的好奇心で深く理解していくのがよいでしょう。

知らない=興味を持つチャンス

話をしてみたら「自分の知らない話題・・・話についていけない」話すのをやめよう…。自分が知らない話題(=興味が持てない)と判断して、会話をあきらめてしまった経験はありませんか?

このような状況になったときには、相手の話をしっかり聴きそれから話題に興味が持てるかを判断することが大切です。

次の興味が持てない状況を、比較してみてください。

①詳しく聞いたが⇒興味が持てない
②話しを聞かずに⇒興味が持てない

①の場合
自分にとって本当に関心がない話題と判断できますね。残念ではありますが、仕方がないことです。
②の場合
知らないだけで「相手に興味が持てない」と判断していますね。このケースに陥っている人は多いんですよ。

このように知らないことは、興味がないこととは異なります。まずは聞いてみるという姿勢が、人間関係を深めるカギといえます。

理解度と興味の関係

そして人間関係を深めていくと、興味や関心が高くなることが研究で分かっています。

下記の図は、人間の興味や好奇心の動きを整理したものです。

理解度0%のときは、興味0%・不安感100%になっています。しかし理解度が上がっていくと関心も高くなり、心理学的には理解度60%位で興味が最大値になります。

新しい人間関係を作るときは、相手について知らなくて当然ですし不安が伴うものです。しかし相手を知らない時の方がより興味を高めていけるうえ、多少知らないくらいの方が関心を持ち続けることができるということですね。

好奇心を刺激する2つの方法

ここからは、相手に興味を持つための具体的な方法として、好奇心を刺激する2つの方法をご紹介します。

1:好奇心ツリー

拡散的好奇心を高める方法の1つに、好奇心ツリーがあります。気になったテーマを幹にして、関連するキーワードを見つけながら興味を広げていく方法です。

▼こちらは「会話力をつけたい」をテーマ(幹)に作った好奇心ツリーですよ。

一般的に好奇心ツリーは紙などに書き出して作りますが、今回は頭の中やメモ書き程度で取り組めるように簡易版をご紹介しますね。

<手順>
①相手の気になる点をいくつか思い浮かべる
②①の中で一番関心が持てそうな内容を選ぶ
③選んだ内容から連想した言葉をいくつか出す
④③のキーワードをもとに会話を進める

例えば

テーマ「タナカ君(に興味を持つ)」
①音楽・自動車・仕事・恋愛・食べ物
②選んだ話題:自動車
③車種・乗り方・メーカー

車種…乗っている車、あこがれ、どんな色
乗り方…いつ乗っている・どこに行く
メーカー…国産それとも海外・こだわりあり?

関心がある話題や連想した言葉が少なくても心配する必要はありません。会話の中で、気になるキーワードがでてきたらそこから枝や葉を広げていけばOK!会話をする中で、さらに相手を多面的に見つめることができるようになりますよ。

2:批判的思考

批判的思考は知的好奇心を刺激するため、相手に興味を持つのに効果的です。

批判的思考とは、客観的に物事を捉え検討し,適切な基準に基づき判断しようとする態度を言います(平山、2004)。 つまり、裏付けに基づいて論理的な考え方から、偏見がないよう柔軟に物事を捉えていくことです。

難しくなってしまいましたが、人は自分で仮説を立てると「実際はどうなんだろう?」と答えを知りたくなりませんか。相手に興味を持つには、柔軟な捉え方で常に疑問を持ち、推測するクセをつけることが大切です。

例えば

・今やってみたいことはなんですか?
・面白いポイントはなんですか?
・始めたきかっけは?
・実際やってみてどうでしたか?
・モチベーションの源は?
・辛い時はどうしていますか?
・今後の予定は?

コツは、YES・NOで完結しない質問にする事です。会話が広がり興味の幅を広げることにもつながりますよ。相手への興味を深めていく質問として使ってみてくださいね。

2つの好奇心で人間関係を深めていこう

興味を持つには「好奇心」育てよう

相手になかなか興味が持てない…という方も、相手の話を聞いたり気になったことを素直に伝えるだけで、関心が芽生えることがあります。

ご紹介した2つの好奇心を上手に組み合わせて刺激してみてくださいね。相手の事をもっと知りたくなると思いますよ!

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「人間関係入門 社会心理学編」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!まずは、スキルをトレーニングしてみてください。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション教室への参加をおススメしています。

コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めていますよ。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

*出典・参考文献
西川・雨宮 2015 知的好奇心尺度の作成――拡散的好奇心と特殊的好奇心