>
>
>
囚人のジレンマとは?信頼関係を作ることの重要性

囚人のジレンマとは?

はじめまして!精神保健福祉士の川島達史です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「囚人のジレンマ」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

信頼関係 孤独感

囚人のジレンマとは?

皆さんは「囚人のジレンマ」という言葉は聞いたことがありますでしょうか。囚人のジレンマとは、

お互い協力する方がいい結果になることが分かっていても、信頼しない方が利益が得られる状況ではお互いに協力しなくなる

というジレンマのことを意味します。

1950年に数学者のアルバート・タッカーが考案した理論です。

ランド研究所のメリル・フラッドメルビン・ドレシャーの行った実験をもとに、タッカーがゲームの状況を囚人の黙秘や自白にたとえたことから、囚人のジレンマという名前がつけられています。

実際にやってみよう

それでは、実際に囚人のジレンマにチャレンジしてみましょう。

①あなたはある犯罪を犯し、容疑者として警察に捕まったとしましょう。

*あくまで理解するためなのでお付き合いください(^^;)

②あなたの友人「  」さんも、同時に捕まりました。あなたと友人は別々の取調室にいます。

③その後、弁護士から以下の表を渡され、選択を促されました

*************************
信頼関係で有名な囚人のジレンマ

・あなたと友人、2人共が黙秘(協調)したら2人とも懲役2年。

・あなただけが罪を告白(裏切)、しかし、友人が黙秘(協調)をしたらあなたは無罪放免。ただし、友人は懲役10年となる

・2人とも罪を告白(裏切)したら懲役5年

***************************

④ さてみなさん・・・皆さんならどのような行動をとるでしょうか。想像してみましょう。
 
Menusch(2013)は学生、囚人相手に実際に協調行動を取るのか?裏切るのか?実験を行いました。実際の囚人に囚人のジレンマの課題するってすごいですね!


さて・・・結果はどうだったか・・・

なんと・・・

37~63%程度の方が黙秘(協調行動)を取った!

のです。学生、囚人それぞれに統計的な差はほとんどありませんでした。信頼関係を持って、協調行動を選択し、2人の利益を最大化できたのです。囚人の方も相手を信頼して協調行動を取ったところがすごいところです。

これはあくまで実験なのですが「お互い信頼する」と利益が大きいのです。例えばお互い信頼しあえば、契約などの煩雑な手続きは不要となりますし、猜疑心に苛まれることなく、メンタルヘルスも良好になりやすくなるのです。

TFT戦略とは

しかし、こちらから協調行動を取ったとしても、相手に裏切られる可能性も無きにしも非ず。では、どうすれば自分の利益を担保することができるのでしょうか。

実は別の研究では、「裏切られたら信頼しない」という戦略を取ることがベストだと結論付けられています。

お互いの利益を増やすTFT

AXELROD (1984)は世界中であなたと相手という2人しかいない状況で、どうすればお互いの利益を最大化できるか?を調べました。

その結果、TFT(Tit for tat)=応報戦略(しっぺがえしせんりゃく)という方針を取ることがベストだという結論に至りました。

応報戦略とは、

裏切られるまでは信頼し続け、裏切られたら応報して自分も信頼しない

という戦略です。

AXELRODによると、始めはとにかく信頼・協力しておく戦略が最も利益が生まれやすいと主張しています。

信頼関係を築く方法

もちろん初対面の相手だと、こちらから信頼することに不安を感じるかもしれません。

しかし、「裏切られるまでは信頼する」と心に決めておけば、協調するハードルも下がります。

これはあくまでも、単純なゲームから導きだされた結果のため、複雑な人間関係の場合変わってくる面もあります。しかし、誰かと上手く信頼を築くためにはとても参考になると思います。

OFTで利益のある関係

ここでもう1つ、囚人のジレンマの戦略からOFT(Out-For-Tat)についても触れておきましょう。OFTは、先ほどのTFTと異なり相手を選択できる状況での戦略となります。

新たなパートナーを探すOFT

誰に裏切られるかわからない状況について説明したHayashiら(1998)の研究で、OFTが最も有益な方法になることが分かっています。

OFT戦略とは、

裏切られるまで同じ相手を信用し一度でも裏切られた場合、新たにパートナーを探す

という考え方です。

信頼し続ける相手は何人いても良いのです。もし裏切られたら、関係を見直して自分と相性のいい人を探すという方法ですね。

このように、初対面では、まずはこちらから信頼を示す。そして、その後の相手の反応によって付き合うべき人を決めるというやり方が、もっとも合理的な世渡り術だと言えます。

相手を信じよう

2人の利益を最大化しよう

このように、個人の利益だけを追求すると、自分も相手も不利益を講じることかあります。

そのため、もし囚人のジレンマのような状況の陥った場合は、お互いに信頼できる関係かどうかが問われるでしょう。

普段から信頼関係が構築できていれば、上手く2人の利益を最大化することができますよ。

★囚人のジレンマに信頼関係の充実さを学ぼう!

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

出典・参考文献
Osborne, M.; Rubinstein, A. (1994). A course in game theory. MIT Press. ISBN 0-262-65040-1. MR1301776. Zbl 1194.91003.