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人間関係リセット癖の対処法

「見捨てられ不安」と上手く付き合う方法

コラム①では、人間関係リセット癖の心理とデメリット、リセットする原因として「半見知り問題」を挙げました。ここからのコラムでは、半見知り問題を解決する4つの方法を解説していきます。

今回は「見捨てられ不安と上手に付合う」についてです。具体的なコツをチェックして、人間関係リセット癖に対処していきましょう。

見捨てられ不安とは?

半見知り問題の要因のひとつ「見捨てられ不安」は、臨床心理学の専門的な用語の一つです。次のような考えがある場合、見捨てられ不安があるといえます。

・いつかは自分から離れてしまう
・仲良い人から見捨てられるのではないか
・一人になってしまうかもしれない

特に人間関係で「自分はこの場所にいてもいい!」「自分は愛されている」という実感が持てると見捨てられ不安が強く出くなるため、半見知り問題を引き起こしてしまいます。

見捨てられ不安が強くなると、周囲に愛情確認や試し行為をしてしまい、人間関係でトラブルを招きやすくなります。そしてトラブルをきかっけに、人間関係をリセットしたり、相手からリセットされることが多くなるため、安定した人間関係を築くことができません。

見捨てられ不安はなぜ起きる?

人間関係のリセット癖にもつながる見捨てられ不安は、1歳半から3歳ころ母親から離れていく時期の不安の高まり(分離不安)が影響しており、幼少期での過ごし方や環境、愛着などが影響すると考えられています。愛着とは、成長の過程で作られる情緒的な感情で「安心感」「大好き」といった落ち着きをつくる感情をさします。

この愛着は、赤ちゃんがお世話をしてくれる母親に対して甘え、自分を守ってくれる存在として信頼するなかで健やかに形成されます。そしてその健康的な愛着がある環境を「安全基地」にして、赤ちゃんはさまざまな冒険をして「自分は大丈夫だ」という自信を獲得しパワフルに育っていきます。

幼少期の愛着形成幼少期に愛情を注いでくれる母親や家族がいて、前向きな信頼が抱けていると成長しても他人を信頼することができるのです。健やかな愛着形成ができないと、見捨てられ不安を招き人間関係をリセットするなどトラブルを招いてしまうのです。

・愛着と見捨てられ不安の関係

ここで愛着と見捨てられ不安の関連について調査した研究を見ていきましょう。

斎藤ら(2009)の研究では、大学生173名を対象に以下の4つの「愛着行動」について尺度で用いて「見捨てられ不安」の関連について実験を調べました。

▼4つの愛着行動はこちらです。

1:すねた伝達
相手が自分に期待にそぐわない反応をするので、すねた素振りを見せることで相手の反応を引き出す愛着行動。
2:他者への懸念
本当は言いたいことがあるのだが、嫌われるのが怖く、気持ちの伝達を抑制しながら行う愛着行動。
3:近接性維持
相手との距離が近い関係を維持しようとする愛着行動。
4:素直な伝達
自分の気持ちや感情を素直に伝える愛着行動。

▼見捨てられ不安との関連は以下のようになりました。

見捨てられ不安と愛着の関連性結果から、見捨てられ不安に最も影響があったのは「他者への懸念」で、その次が「すねた伝達」とわかります。つまり「自分の気持ちをストレートに伝えず察してほしい!」という愛着行動は、見捨てられ不安を高めやすいのです。

自分の気持ちを素直に伝えるには、適切な自己評価が必要です。見捨てられ不安が強い場合、周囲の評価に敏感なため「自分は認められている」「自分は愛されている」という感覚を他人に求めてしまい適切な自己評価を自分でできません。不安の解消を相手に求めてしまうため、人間関係にもつれが生じリセット癖をもってしまうことがあるのです。

「安全基地」でリセット癖を対処

ここでは、半見知り問題の要因のひとつ「見捨てられ不安」は安全基地を作ることで対処していきましょう。

私たち人間は「安全基地」があると、リラックスして過ごすことができます。安全基地がないと不安を感じやすく、見捨てられ不安が高まります。大人にとっては恋人や親しい友人、家族が安全基地といえるかもしれません。

心から安心できる安全基地は無条件の愛情で充実しています。ポイントは無条件です。「何があってもあなたと私は愛されている」という感覚には、理由などなくてもいいのです。無条件に「自分は少なくとも周りと同じくらいは愛される存在だ」という気持ちを育むことが安全基地を捜し、見捨てない不安を和らげるために重要です。

完璧を目指す必要はありません。多少でも無条件の肯定に近い関係を構築することを目指していきましょう。子供の頃のような愛着は得られないかもしれませんが、これでも立派な安全基地になります。

見捨てられ不安を安全基地で対処まずは自分から愛情を示すことで人無条件の愛情が充実する安全基地を作っていきましょう。人間関係に理由や条件を求めず、ありのままの個性を大切にする心が大切です。

・ありがとう口癖にする
・目があったら微笑みながら会釈をする
・地位や権力で人を判断しない
・相手の意見にしっかり耳を傾ける

このような行動の積み重ねが、お互いを認め合うことにつながり、安全基地を構築します。

人間関係リセット癖対処法①まとめ

今回は、人間関係リセット癖の原因、半見知り問題を解決する4つのポイントから「見捨てられ不安」について解説しました。ご紹介した方法を実践して、半見知り問題・人間関係リセット癖に対処していきましょう。

★安全基地を作って 人間関係リセット癖に対処しよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
斎藤ら(2009)青年期における見捨てられ不安と愛着の関連性 千里金蘭大学紀要 6, 35-41