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誠実な人を「出来事」「認知」で見分ける方法を臨床心理士が解説

誠実な人


誠実な人か不誠実な人かを2つのポイントで見分ける-臨床心理士が解説③

認知行動療法で“誠実”を見分ける

コラム①では、誠実な人を見分けられない3つの原因をあげました。具体的には「①不誠実な人がわからない」「②言動を鵜呑みにする」「③自信がない」でしたね。今回は原因の1つである「言動を鵜呑みにする」を解決するためのコラムです。「言動を鵜呑みにする」ことを解決するには、客観的に出来事をとらえ、適応的な考え方をする必要があります。認知行動療法・コラム法のポイント・練習問題を交えながら紹介していきます。認知行動療法で誠実な人を見分ける

認知行動療法とは?

認知療法とは、
「人間の情緒が認知のあり方の影響を強く受けることに注目して、認知や行動に働きかけて心を軽くしたり、問題解決を手助けしたりする構造化された心理療法」
です。

これだけだといまいちよくわからないですよね。もう少し簡単に表現すると、私たちの感情は「考え方」の影響を強く受けているので、考え方を見直してみましょう。という心理療法を意味します。

不誠実な人に過剰適応してしまう方は、この「考え方」が「私が我慢すればいい」「こんなダメな人には私がいないとダメ」など不健康な考え方をしていることが多いのです。ぜひ、認知療法の考え方を使って、事実か解釈かを整理し、誠実な人と付き合えるようにしてきましょう。助けしたりする構造化された精神療法(心理療法)です。(大野, 2014)つまり、認知行動療法の考え方を使って、事実か解釈かを整理し、誠実な人を見極めることができます。

整理するときのポイント

ここで、状況を整理する際のポイントをいくつか紹介します。

①「出来事」を整理する際のポイント
「出来事」は客観的に記述することがポイントです。主観的判断(思い込み)や感情が入っていると、状況の整理がしづらくなってしまいます。主観を入れずに、誰が見ても「そうだ」と言えることのみを書きます。また、「いつ」、「どこで」、「誰と」、「どんなこと」、「どうした」という視点で考えると整理しやすいと思います。

②「認知」を考える際のポイント
「認知」とは、その時考えたこと、思ったこと、判断したことなどを言います。感情と一緒になることがありますが、分けて考えることがここでは大切です。話し言葉になること多いです。(例:絶対自分は悪くないはずだ、いつも自分は失敗する)「いつも」「絶対」「普通は」「~べきだ」などの言葉が当てはまる場合には極端になっている可能性があります。

「自分が悪い」と思い込むAさん

認知行動療法の枠組みを不誠実な人に振り回されてしまった事例を用いて考えてみましょう。以下は、私のクライエントさん(Aさん)の事例になります。
【出来事(実際に起こったこと、客観的事実)】

Aさんは20代前半の女性です。Aさんは友人Bさんのことでいつも悩まされていました。Bさんと遊ぶ約束をしても当日になって、「急な予定が入っちゃって…」「体調が悪くて…」とキャンセルすることが多いのです。しかし、後日、他の友人やSNSから約束の日に別の友人と遊んでいるのがわかりました。Bさんにそのことを問い詰めると、「体調がよくなったから」「Aさんだって約束守らないときあるじゃない!」と逆に責められてしまいました。

【認知(Aさんがその時考えたこと、思ったこと】
Aさんはその言葉を正直に受け止め、「相手の機嫌を損ねるぐらいなら我慢したほうがましだ・・・」と自己嫌悪に陥りました。誠実な人を見抜けない事例

Aさんはカウンセリングを通してストレス場面を整理していくと、当時はこのように捉えることについて何も思わなかったが、今改めて客観的にみているととても極端に考えていたことに気が付きました。

練習問題に挑戦しよう

不誠実な対応を見分けるために、先ほどのポイントを踏まえながら練習問題に取り組んでみましょう!

<事例>
Cさん(女性、20代前半)は、彼氏のDさん(男性、20代後半)とお付き合いをして1年になろうとしています。しかし、Dさんは浮気癖がひどく、これまでにも3回浮気をしては、Cさんに謝罪しての繰り返しでした。

ある日、CさんはDさんが知らない女性と楽しそうに腕を組んで歩いているところを目撃してしまいました。後日、Dさんに問い詰めると「ごめんなさい」「もう絶対しないから…」と涙交じりにとても反省している様子でした。Cさんは可哀そうに思えたのと言い過ぎてしまったと思い、Dさんの言葉を信じてみることにしました。

【出来事(実際に起こったこと、客観的事実)】
→・
→・
→・

【認知(Cさんがその時考えたこと、思ったこと】
→「            」
→「            」
→「            」

 

解答例
【出来事(実際に起こったこと、客観的事実)】
・Cさんは彼氏のDさんが知らない女性と腕を組んで歩いているのを見た
・Dさんは浮気をしていたことを認めた
・今回のようなことは4回目

【認知(Cさんその時考えたこと、思ったこと】
「これだけ反省しているのだから許してあげようかな」
「『もう絶対しない』と言っているから、もう一度信じてみよう」
「泣かせちゃうのはちょっと悪いことしちゃったかな」

この問題はなんども浮気を繰り返してしまう彼氏との関係の事例でした。状況を整理する際のポイントは、

・過去に何回同じことが起こっているのか
・彼氏が浮気を認めているのかどうか

という点です。客観的事実は思い込みに左右されずに把握していくことが大事です。その状況に対して、Cさんは「許してあげよう」「泣かせて悪いことをした」と認知しています。彼氏のDさんが泣いて反省しているように見えている点から、歪んで「認知」してしまっていたというところでしょう。この場合は早く相手の不誠実さに気づいて、さっさと別れを切り出した方がよいかもしれませんね。

“不誠実”には状況を冷静に整理しよう

練習問題はいかがでしたか。“不誠実”な相手の言動を鵜呑みにして思い込んでしまうのを防ぐには、まず、状況を「出来事」「認知」で整理することが大切です。そうすることで、不誠実な相手の言動によって、自身が偏った認知になっているかどうか気づきやすくなります。

次のコラムでは、不誠実な人が見分けられない原因「自信がない」の対策についてご紹介します。

★認知行動療法の考え方で誠実な人か見分ける!「出来事」「認知」で整理しよう

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*出典・参考文献
・うつ病と認知行動療法入門 ─日常診療に役立つうつ病の知識─ 大野 裕 2014 総合病院精神医学 26(3), 239-244.



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