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愛情表現の不足がもたらす問題

愛情表現不足の問題「夫婦喧嘩・子供の抑うつ傾向」③

コラム①では、愛情表現が不足する問題と対処法をご紹介しました。今回は、夫婦間の「愛情不足」について解説します。夫婦喧嘩と夫婦間の愛情表現が不足する問題について詳しく見ていきましょう。

夫婦喧嘩と愛情不足がもたらす問題

固く愛を誓い合い結ばれた夫婦とはいえ、もともとは育った環境も違う他人同士です。一つ屋根の下で長く暮らすほどに、愛情表現が減り相手の相手の気に入らないところが目に付きイライラして、気持ちがすれ違うことも…。

huston(2001)が新婚夫婦168組を対象に調査を行ったところ、13年の間に3分の1の夫婦が離婚したことが分かりました。また、その夫婦の多くが対立を経験、否定的な感情が継続していたと報告しています。

夫婦喧嘩が必ずしも悪いわけではありませんが、夫婦間の喧嘩によって致命的なズレや溝を作ってしまう事は避けたいものです。

・夫婦喧嘩の内容と解決策

川島(2013)は、Yahoo!知恵袋の投稿データ2004年4月1日~2009年4月7日までの、質問データ総数16,098,580件、回答データ総数49,673,309件を調査し、夫婦喧嘩の内容とその解決策への調査を行いました。その結果がこちらです。

▼まずは、夫婦喧嘩の内容です。

夫婦喧嘩の原因一番は「配偶者の行動やクセ」ということで、パートナーのちょっとした言動で夫婦喧嘩につながってしまうことが多いようですね。

▼こちらは夫婦喧嘩の解決策です。

夫婦喧嘩の解決方法

一番は「謝罪」といくことで、全くもって正論という感じですね。続いて「妥協」ということなので、謝ったうえで関係が修復できないようなら、時間による解決を待つというのが大切かもしれませんね。

このように夫婦間での問題の解決は、言葉と時間が何とかしれくれそうですが、子どもがいる夫婦での喧嘩は、少し配慮が必要かもしれません。実は心理学の研究では、夫婦の愛情表現が不足すると、子供のメンタルヘルスに悪影響を与えてしまうことがあります。

・夫婦の愛情不足=子供の抑うつ傾向が増す

張(2015)の研究では、両親の争いに巻き込まれた子どもたちは、「不機嫌・抑うつ・無気力といった数多くの深刻な問題を抱える危険性が高くなる」と述べています。

夫婦喧嘩と子供の心理的ストレス反応夫婦喧嘩が子供の成長や教育、人格形成に悪影響を与えてしまう可能性があるため注意したいですね。

また、菅原ら(2002)が1,360名の母親を対象に、夫婦関係が子どものメンタルヘルスにどのような影響を与えるか調査したところ「父親と母親がお互いに愛情を持っている」場合、家族の雰囲気がよくなり、子どもの抑うつ傾向が低くなることが示されています。

このように夫婦関係が、子どものメンタルヘルスに影響を与える事から、夫婦関係を良好に保ち喧嘩をなるべくしないようにすること大切です。

 

まとめ

夫婦の愛情不足が、結婚や子供の成長にどのような影響を与えるかを見てきました。

夫婦関係の愛情表現は、夫婦の良好な関係を育み、子供の健康的な心の成長にもつながります。わかり合っている二人だからこそ意識して「感謝の愛情表現」を心がけてみてくださいね。

★夫婦の良好な関係には「感謝」の愛情表現を増やそう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・菅原ら(2002)夫婦関係と児童期の子どもの抑うつ傾向との関連より一部改変して掲載教育心理学研究,2002,50,129ー140
・Huston,T.L.,Caughlin,J P,Houts,R M,Smith,S. E.&George,L. J(2001)「The Connubial Crucible: Newlywed Years as Predictors of Marital Delight, Distress, and Divorce.」Journal of Personality and Social Psychology, 80(2), 237-252.
・Howard J.Markman・Galena K.Rhoades・Scott M.Stanley・Erica P.Ragan・ Sarah W. Whitton(2010)「The Premarital Communication Roots of Marital Distress and Divorce: The First Five Years of Marriage」
・岩藤裕美(2008)「葛藤生起場面における夫婦間コミュニケーション・スタイル ―尺度の作成と妥当性の検討―」人間文化創成科学論叢第11巻2008年
・I.R.スチュアート,L.E.アブト(1972)「離婚・別居の家族と子ども」家政教育社
・ジョエル・Dブロック/スーザン・S・バーテル(2004)「パパ、ママぼくを巻き込まないで!」旭屋出版
・張新荷(2015)「夫婦間葛藤に対する青年期の子供の反応と心理的ストレス反応の関連-日本と中国の高校生を対象にー」東北大学大学院研究科研究年報 第63集・第2号(2015年)
・川島(2013)「Yahoo!知恵袋」に見る夫婦間葛藤解決方略 千葉大学教育学部研究紀要 第61巻 185~191頁