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引っ込み思案を克服する方法「認知療法」で不安を軽減しよう

引っ込み思案を克服する方法「認知療法」不安を軽減しよう②

コラム①では、引っ込み思案が強い4つの原因をあげました。具体的には「①人間関係を否定的に考える」「②すぐに克服しようとする」「③人が怖い気持ちに支配される」「④行動範囲が狭い」でしたね。

今回は原因の1つである「否定的に考え方が偏ってしまう」を解決するためのコラムです。引っ込み思案が強いことへは「認知療法」という技法が効果的です。成功例・思考のポイント・練習問題を交えながら紹介していきます。

認知療法で引っこみ思案を改善しよう

引っ込み思案を修正!認知療法とは?

認知療法とは、起こった出来事に対してどう反応するかに焦点を当てた治療方法のことです。

出来ごとによって、人それぞれで感じたり考えたりすることは当然違います。つまり、起こった出来事は変えられなくても、思考は変えられるということです。

認知療法を使って、否定的な思考を柔軟にさせることで、引っ込み思案な性格を柔軟にすることを促していきましょう。

認知の歪みと認知療法について、竹田ら(2015)は以下のような報告をしています。

STAI-Sとは、状態不安(ある特定の時点や場面で感じている不安)のことで、得点が20~80点あり、得点が高いほど不安を感じる(状態不安が高い)ことを意味します。

表からわかるように、認知の歪み高群は元から状態不安が高く、認知療法のプログラムの効果も認知の歪み低群よりも高いことがわかります。

この結果について、竹田ら(2015)は、以下のように考察しています。

・認知の歪みの程度が高いと、
 抑うつや不安などの諸反応が高まる

・認知の歪み高群で
 状態不安の改善度がより大きかった

・本プログラムが認知の歪みの程度が
 高い対象者に有効に機能している

つまり、認知の歪みや偏り(=考えが偏ってしまう人)ほど、抑うつや不安になりやすいが認知療法の効果は高く、不安を軽減できるということです。

4つのステップ!認知療法のやり方

ここからは、認知療法のやり方についてわかりやすく説明をしていきますね。まずは認知の歪み・偏りの内、特に「引っ込み思案」に関係する4個のパターンをご紹介します。

この代表的な4個のパターンをものとに、次にご紹介する1~4のステップの流れに当てはめていきます。紙とペンがあるとスムーズにできますので、ぜひ準備をしてください。

ステップ1.状況
自分が「引っ込み思案だな」と感じる状況について、「いつ、どこで、誰が、何を」という4つの点に着目し、紙に書き出します。

ステップ2.自動思考
「引っ込み思案だな」と感じた時に、その後無意識にどう感じたかをそのまま書き出します。

ステップ3.認知の歪み・偏り
先ほどご紹介した認知の歪み・偏りのパターンのどれに当てはまるかを書きだします。複数に当てはまる事もあります。

ステップ4.合理的反応
認知の歪み・偏りを、客観的に合理的に見つめ直し、正しい認知に修正します。客観的に見直すことで、合理的な考えができると思います。

柔軟な思考で引っこみ思案を軽減しよう

練習問題で習得!4つのステップ

それでは、1~4の流れを踏まえながら練習問題を進めていきましょう。以下に認知の偏りのある場面を挙げますので、ご紹介した方法でそれぞれお答えください。

練習問題1

ステップ1.状況
職場のミーティングで、いろいろな意見が飛び交う中、なかなか自分の意見が言えません。言おうとしても先に同じ意見を言われてしまったりと、うまくいきません。すると、後日上司から「もっと意見を言うように」と注意を受けてしまいました。

ステップ2.自動思考
⇒人見知りの人はどのように考えるでしょうか?

ステップ3.認知の歪み・偏り
⇒結論の飛躍 マイナス思考 レッテル貼り 自己関連付け
 のどれにあてはまるでしょうか? 

ステップ4.合理的反応
⇒どのように考えるとバランスがよくなるでしょうか?

解答例
ステップ2.自動思考
⇒この発言をしたら違いかもしれない。自分の意見は間違っているかもしれない。間違っていたら恥をかくし、みんなに迷惑をかけてしまう。

ステップ3.認知の歪み・偏り
⇒3.レッテル貼り 結論の飛躍

ステップ4.合理的反応
⇒誰でも間違えはあることだから、間違えても恥はかかない。意見は言ってみないとどう受け止まられるかなんてわからない。合っているかどうかにこだわらず、まずは言うこと自体を大事にしよう。

練習問題2

では、次に自分自身の状況で認知療法を実践していきましょう。これまでに失敗してしまった場面などを思い浮かべて認知の偏りを修正してみてください。

ステップ1.状況

ステップ2.自動思考

ステップ3.認知の歪み・偏り

ステップ4.合理的反応

柔軟な考え方で引っこみ思案を克服!

練習問題はいかがでしたか。ご紹介したステップ1~ステップ4を意識して練習を繰り返していきましょう。そうすることで、引っ込み思案が強い人でも、物事の考え方が柔軟になり、肯定的に考えることができるようになっていきます。

次回は、引っ込み思案に対処する方法の2つ目「行動療法」についてご紹介します。お楽しみに!

★自分自身の考えを客観的に捉えて引っ込み思案を緩和しよう

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人間関係講座

*出典・参考文献
佐藤 正二・佐藤 容子・高山 巌 1989 引っ込み思案行動の評定における発達的変化 日本教育心理学会総会発表論文集 31, 128.
佐藤 正二・佐藤 容子・高山 巌 1990 引っ込み思案児の対人的問題解決スキル 日本教育心理学会総会発表論文集 32, 177.
竹田 伸也・太田 真貴・松尾 理沙[他]・大塚 美菜子 2015 対人援助職者に対する認知療法によるストレスマネジメントプログラムの効果 ストレス科学研究 30(0), 44-51.
手銭 俊夫・夏野 良司 1999 引っ込み思案児童の対人行動に及ぼす社会的スキル訓練の効果についての研究 41, 298.