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人見知りする原因「自意識過剰」対処法と人付き合いのポイント

人見知りの遺伝と気質の関係とは②

コラム①では、人見知りについて概観していきました。今回からはポイントを絞って人見知りについてより深く解説していきます。少しおさらいすると、「①遺伝と気質の関係」「②なぜ人と話せないか」「③診断チェック」でしたね。

今回は、①遺伝と気質の関係についてご紹介します。

S遺伝子・L遺伝子とは

人見知りの原因としては、緊張しやすい遺伝子であることが挙げられます。みなさんは以下のような経験をしたことがありませんか?

・初対面の人と上手く話せない
・大会の前にお腹が痛くなる
・好きな人ほど緊張して話せない

このような誰しも感じたことがあるこの感覚は、一般的に緊張と呼ばれています。日本人は生まれつき緊張しやすいという研究があります。

私たちが感じる緊張にはS遺伝子とL遺伝子が関わっています。ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は、「S遺伝子」が心身の安定に必要な「脳内伝達物質・セロトニン」の分泌に影響を及ぼしている事を発表しました。「L遺伝子」は対極にあり、緊張しない遺伝子という性質があるのです。

さらにS遺伝子とL遺伝子の割合で人間は

SS型・・・緊張や不安になりやすい
SL型・・・緊張や不安は中程度
LL型・・・緊張や不安に強い

の3つに分けられます。SS型が最も人見知りになりやすいタイプであり、LL型の人たちは緊張や不安に強く、外向的な人が多いです。センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。

こ日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられることが、多くの研究や調査で示されています。人見知りは私たち日本人からすれば身近な気質なのですね。

人見知りは7か月から

乳児が知らない人を見て怖がるのは人見知りの一種です。3歳すぎぐらいから、照れくさくはにかんだりするようになります。乳児期に見られる人見知りは、対人的な発達の中でごく普通に確認されますが、表出される時期に個人差があることが分かっています。また、人見知りを経験しない乳児もいることが分かっています。

日比野(1977)の研究では、乳幼児の人見知りと個体識別について調査を行っています、実験では、満10ヶ月の乳児43名を対象に、質問紙を用いて調査を行っています。

そして参加者を人見知りの強度により

1.人見知りが激しいグループ
2.人見知りが中程度のグループ
3.人見知りしないグループ

の3つ群に分けて調べました。以下の図は、それぞれのグループの人数とパーセンテージを表したものです。

人見知り3

このように、約80%が中程度~激しい人見知りを経験することがわかります。そして、約20%の乳児が人見知りを経験しません。特に見知らぬ人と触れ合う機会が多い乳幼児は、人見知りが表れない傾向にあるとされています。

そして、この研究では人見知りが表れる時期についても調査を行っています。人見知りの2つのグループでどの時期がもっとも確認されることが多いかを調べました。以下の図がその結果となります。

人見知り

図を見ると、人見知りは早くて、5~6カ月頃から平均的には7~8か月で現れることが多いことがわかります。1歳になる前から知らない人を怖がるようになるのですね。大人になると、引っ込み思案、恥ずかしがり屋など、赤面症、など様々な表現があるように、人見知りは複雑化していきます。

少年期になると・・・

人見知りは心理学的にはシャイネスと呼びます。シャイネスの研究は古く、これまでその特徴や要因について研究がされてきました。この点、Buss1984)はシャイネスを2つに分類しました。

恐怖シャイネスfearful shyness
恐怖シャイネスは人生早期からみられる。新しい場面や見知らぬ人との間に体験される不安反応です。幼少期の人見知りは恐怖シャイネスの一種と考えていいでしょう。

小さな子供がお母さんの後ろに隠れてしまう・・・こんな人見知りは恐怖シャイネスにあたります。以下の感覚が強い方は、恐怖心が強い人見知りであると言えます。

・知らない人が怖い・・・
・素性が分からない人は警戒する・・・
・身体の大きい人が怖い・・・

恐怖シャイネスは比較的、原始的なシャイネスで幼児期に多くみられます。


自意識シャイネス
self-conscious shyness
自意識シャイネスは人からどう見られているか?という意識が高まりやすい、フォーマルな場面や目立ってしまう状況で体験されます。つまり、人の視線が気になる場合は後者の自意識シャイネスに関連する不安ということになります。以下の感覚が強い方は、自意識型の人見知りにあてはまります。

・飲み会でうまく話せない・・・
・好きな人だと緊張する・・・
・人前に立つ恥をかく気がする・・・

これは自意識シャイネスと言っていいでしょう。自意識シャイネスは、周りの目を気にする、10歳前後から大きくなり、30代後半からやや減退傾向にあると考えています(精神保健福祉士川島経験談)。

人見知りの根源を探ろう!

人見知りは遺伝や気質によって引き起こされるケースがあります。特に、日本人はS遺伝子の数が多いため、人見知りになりやすい傾向にあります。こうした、生物学的な影響を把握しておくことで、自分の状況を客観的に見ることができます。ぜひ、知識として備えておいてくださいね。

次回は、「人見知りの原因」について解説していきます。

★人見知りは遺伝子や気質に影響される!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
Sen S, et al.’s (2004) Meta-analysis of the association between a serotonin transporter promotor polymorphism (5-HTTLPR) and anxiety-related personality traits. Am J Med Genest
乳児期における人見知りについて : 個体識別の認知との関連で(発達7,口頭発表) 日本教育心理学会総会発表論文集 19(0), 172-173, 1977