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人見知りを改善する

人見知りを改善方法「公的自己意識」を和らげる⑤

コラム①では、人見知りについて概観していきました。今回からは、具体的な人見知りの克服方法を解説していきます。少しおさらいすると、「①公的自己意識を和らげる」「②失敗OKな気持ちを増やす」「③あるがまま森田療法」「④社会的スキルを学ぼう」でしたね。

今回は、①公的自己意識を和らげるについてご紹介します。

人見知りと自意識過剰

皆さんは
「他人の目を気にするタイプ」
でしょうか?
他人の目を気にすることは社会人としてとても重要です。周囲に気を使うことで、人にやさしくでき、お互いを大事にする関係性を築くことができます。

しかし、周囲からの評価に過剰に意識を向けると、人見知りになってしまうこともあります。特に、人からどう見られているのだろう?と過剰に考える方は要注意です。

私的自己意識を高めよう

こうした「自意識」は以下の2つに分けることができます。

1.公的自己意識
「こんなこと言ったら嫌われるかな」「自分の見た目は変じゃないかな」といった周囲の目を気にする自意識です。「公的自己意識」が高くなると人見知りになりやすいと考えられています。もちろん周りと強調するためには大切な意識なのですが、過剰になっている方は注意が必要です。

2.公的自己意識
自分自身の考えや意見、どのように振る舞いたいかを大事にする姿勢を意味します。周囲からの評価は自分を客観的に見る上で大事ですが、それと同じほど自分自身がどうしたいかに着目していきます。

堀井(2001)の研究では、公的自己意識・私的自己意識と、対人恐怖との関連が調べられています。実験では、高校生256名、大学生271名、計527名の青年を対象に質問紙を用いて、調査を行いました。その結果が以下の図になります。

まずは男子をご覧ください。特に「公的自己意識」に大きな影響を与えているのは、「自分や他人が気になる心性」であることが分かります。いっぽうで、どの心性も私的自己意識にはほぼ影響がないと言えます。

次に女子を見ていきましょう。男子に比べて公的自己意識への影響が強く出ていますね。女子の周りからどう見られているかを気にする傾向にあるのですね。しかし、私的自己意識では、若干の負の相関があるものの、こちらもほぼ影響がないレベルです。

私的自己意識は安定していますので、少し批判や否定されてぐらいではブレません。「自分とは○○な人間だ」と自分自身に理解することで、自分らしさを確立していくことができ不安を和らげることができます。

・2つの自己意識のバランスが大切
こうした話を聞くと「私的自己意識」が強いほどいいと思われるかもしれません。自分の考えをハッキリと言えた方がプラスの印象を抱く方も多いでしょう。

しかし、私的自己意識が強すぎると、ボロボロの服装でも気にしなかったり、人が傷つくことも平然と口走ってしまうなどのダークサイドがあります。そこで、公的自己意識と私的自己意識のバランスを取ることが大切です。

バランスを保とう

ただし、一般的に自意識過剰が強い方は、他人の目を気にする傾向が強いので意識的に「私的自己意識」を強めていくことが大切です。あくまでもベストバランスを目指すという考え方でOKです。

自意識過剰な人見知りに対処する方法が、「事実集め→考え修正法」です。言い換えると、「根拠のないことにくよくよしない!」ということです。

例えば、
「周りの人は僕のことを
 会話が下手でつまらない!
 と思っているに違いない!」

と考えたとします。しかし。これは根拠があるのでしょうか?実際にその人に聞いたわけではないのです。もしかしたら、相手は恥ずかしがりやな自分に好感を持っているのかもしれません。

このように事実がないのに、頭の中でどんどん妄想を膨らませることをやめるようにしましょう。

事実集めが得意になると、
・必要以上に悩まなくなる
・思い込みが減る
・冷静な視点を持てる

というメリットがあります。客観的に自分を見ることができて、人見知りに対する考え方がラクになります。確認できない事実に悩まない!これが人見知りな自分とうまく付き合うコツの1つです。

公的自己意識を和らげよう

それでは、事実集め→考え修正法で人見知りを和らげていきましょう。実際に練習問題を取り組んでみてください。事実集め→考え修正法は、

・本当にそうなのか?
・根拠はあるのか?
・ない場合は考え方修正

という視点で行います。まずは例文にある考え方を、事実を意識しながら修正してください。

練習問題1 
今日の服ダサいな…みんな私を見て、「うわー、ダサい服だな」と思っているだろうな。

「事実集め⇒考え修正にチャレンジ」

→ヒント
・本当にそうなのか?
・根拠はあるのか?
・ない場合は考え方修正

 

解答例
⇒全員がそう思う根拠はない。
⇒私の服装なんてよく見ていない。
⇒根拠がないことに悩むのは不毛。

 

考え方を修正することができましたか?
それでは、次の問題にいってみましょう。

 

練習問題②
私は滑舌が悪いから、周りの人はいつもじれったく思っているだろう。聞き取りづらい!と怒られるくらいなら、話すのは控えよう。

「事実集め⇒考え修正にチャレンジ」
・本当にそうなのか?
・根拠はあるのか?
・根拠が場合は考え方修正

解答例
⇒滑舌が悪くても相手は聞き取れている。
⇒実際に怒られたわけではない。
⇒根拠のないことで悩むのではなく、
 自分の思ったことを伝えよう。

いかがですか?人見知りが原因で会話場面を避けたくなったら、まずは自分の考え方と向き合い、修正してみましょう。

「あれ?そんな小さなこと気にしなくていいかも!」
「誰も意識してないのに、気にしすぎだったかな」

など、ちょっと思い込みすぎていた自分に気付くことがあるかもしれません。

人見知りの特徴

自分の問題でチャレンジ

最期に自分の問題で取り組んでみましょう。

「あなたはFACEBOOKで同じ趣味の同性と2年前から連絡を取るようになりました。せっかくなので会いたいと言われ、OKを出しました。しかし、直前になると人見知りな心が出てきて、緊張と恐怖が出てきました。あなたの頭の中にどんな考えが巡りますか?」

・本当にそうなのか?
・根拠はあるのか?
・根拠がない場合は考え方修正

私的で人見知りを克服

繰り返しになりますが、人見知りは公的自己意識が過剰になっている状態です。ご紹介した、事実集め→考え方修正の技法を使って、周りの目を気にする傾向を和らげていきましょう。

その考え方に根拠あるのか?と自問してみると、人見知りな考え方が歪んでいることが見えてきます。公的自己意識が強いと感じる方は実践してみてください。

次回は、「失敗OKな気持ちを増やす」を解説していきます。

★自意識過剰は考え方を変えることで克服!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく、実際に心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は心理学講座、実践練習をしたい!という方は社会人講座をお勧めしています。私たちが講義をしている講座となります。それでは次のコラムへ進みましょう!

目次

①人見知りの対処法-概観
②遺伝と気質の関係とは
③「失敗過敏」「公的自己意識」
④人見知り簡易診断でチェック
⑤公的自己意識」を和らげる
⑥完璧主義を前向きに改善
⑦改善する考え方「あるがまま」
⑧「社会的スキル」を学ぼう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
堀井俊章(2001) 青年期における自己意識と対人恐怖心性との関係 山形大学紀要12,4