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シンパシーを感じられない

シンパシーが感じられない原因と対処法ーカウンセリング事例を紹介②

シンパシーを感じるための方法を知ろう

コラム①では、シンパシーを感じられない原因とその対処法をあげました。今回は、シンパシーを感じる力を高める方法の1つ「「一度」相手になってみる法」をご紹介します。

自分と相手にそこまで大きな違いはない

もしあなたにシンパシーを感じる力がないという自覚があるのなら、以下の方法を試してみるといいでしょう。それは、

「(いったん)相手になってみる」

ということです。具体的には「自分も相手と同じシュチュエーションになれば、同じミスをするかもしれない」など、一度相手の立ち場や悩みゼロからイメージしてみるのです。そのとき、自分の価値観は一度忘れてください。

コラム①でお伝えした通り、シンパシーを感じる時は相手と完全に同じ気持ちにならなくても良いのです。「一度」というのがポイントで、すべて理解しよう!と考えるのではなく、あくまでも「私は私だけど、一度相手の立場になってみよう」と自分の立場を保った上で、相手の気持ちを想像してみるのです。

少し抽象的でイメージしづらいかもしれませんが、具体例として、シンパシーを感じられないという悩みを改善したAさんについてご紹介させていただきます。

自己愛が強すぎで仕事で厳しく当たるAさん

カウンセリングにいらっしゃたAさんはある悩みを抱えていました。Aさんは管理職で、仕事はスピーディーで丁寧なため非常に有能です。しかし、度々周囲とぶつかることがありました。

「なんでこんな簡単なこともできないの?」
「俺(私)だったらこんなミス絶対にしない」

このように相手の気持ちを無視する発言をすることも多かったため、部下からの信頼を失い、管理職としての評価がガクッと落ちてしまいました。この時、Aさんは非常に頑固で「自分が正しい!」という考えからなかなか抜け出すことができませんでした。

Aさんは苦悩しながらも、カウンセリングで自分の考えと向き合うことで、一度自分の気持ちを脇に置いて相手の気持ちを考えたのです。その結果、

・自分も同じ状況なれば、ミスをするかもしれない

・自分もミスを厳しく追及されれば、落ち込んでしまうかもしれない

とAさんは考えました。相手の立場を理解できたAさんは、職場で部下に厳しくあたることが無くなり、

「もし分からないことがあれば、なんでも聞いてね」「ミスは誰にでもあることだけど、できる限り少なくしていこう!」

と伝え方も柔らかくなり、相手の気持ちを考えることができるようになったのです。Aさんは部下に厳しく当たってしまう姿勢が改善され、部下との信頼が回復・安定した段階で、カウンセリングを終了されました。

少しずつシンパシー感じる力を鍛えよう

相手の気持ちになって考えられるAさんの例はいかがでしたか。「思い立ったらすぐ改善」とはなかなかいきません。相手に共感を示し声がけは、一朝一夕で習得できることではないのです。

人の気持ちを敏感に感じ取ってシンパシーを伝えるには、長い道のりと努力が必要です。焦らず自分のペースでチャレンジしてくださいね(^^)まずは一度相手になってみる!という事を基本に置いて意識してみてください。

次回は、シンパシーを感じる力を増やす方法の2つ目「シンパシーの技術を習得する」についてご紹介します。

★自己中心的な考えはシンパシーを阻害する!一度相手になってみよう

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*出典・参考文献
・『パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床』林 直樹,日本評論社(2007)
・『人格障害の臨床評価と治療』林直樹,金剛出版(2002)
・共感性と他者意識に関する研究 矯正協会附属中