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話し方について精神保健福祉士が徹底解説

話し方入門コラム①精神保健福祉士が徹底解説

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「話し方」についてお話していきます。

・話し方をよくしたい
・話し方がわからない
・沈黙が多い
・印象がよくない
・恋人ができない

など、話し方に悩む方向けです。入門コラムの目次は次の通りです。

全部読むと10分ぐらいかかってしまいます・・・ええっ10分も??めどくさいなあ~と感じるかもしれません。ただ、話し方は皆さんの人生すべてに関わるものです。ぜひ改めて「話し方」とは何か?についてしっかり向き合っていきましょう。

話し方について専門家が解説しています

話し方は改善できる!

ここで、私が大学院で行った研究を紹介させてください。研究では、100名ほどに話し方についての効果分析を行いました。下記の図は発話が苦手な方と一般的な方のトレーニングによる効果分析です。話し方についての研究発話スキルの比較図発話が苦手な方(オレンジ色)にはトレーニングを実施し、一般的な方(青色)には、トレーニングを行いませんでした。トレーニング前は、一般的な方のスキルが高い状況ですが、トレーニング後はほぼ同じレベルに達しているのが分かります。また、傾聴スキルでもトレーニングによる効果が同じように得られることが分かりました。話し方についての研究傾聴スキルの比較図実は、効果分析では7割ほどの脱落率がありました。しかし、継続的なトレーニングを行った方は結果を残せていましたので、しっかりと練習を重ねれば話し方は改善できるといえます。

話し方で抑える5つの要点

ここまで話し方について概観してきましたが、様々な定義から考えると、話し方は5つのポイントを抑えておくことが重要です。

①目的に応じた使い分け
②発話スキル
③傾聴スキル
④非言語コミュニケーション力
⑤心理的な健康

ここから、5つのポイントを1つずつ解説していきますね。

①目的に応じた使い分け

私たちは、心理的な健康をベースに2つの目的から話し方を決めます。

(1)問題解決型
会社の会議などでは、何かしらの目的を達成するために話し合いをします。例えば、「スタッフが定着しない…」という問題をどのように解決するか。このような場合の話し方は問題解決型にあたります。

(2)人間関係構築型
初対面の人と仲良くなるために雑談をする。落ち込んでいる友達を励ます。このような場合が、人間関係構築型の話し方にあたります。

ここで1つ問題を解いてみましょう。

問題
あなたの友人が
「今日職場で大きなミスをしてしまった。上司からひどく注意を受けて落ち込んでいる…」
と話したとします。あなたはどのような話し方で返事をしますか?

考えてみてください。



返事は決まりましたか?この問題では、返事の内容で話し方の好みが分かります。

例えば
・どんなミスをしたの?
・会社に大きな迷惑がかかるの?
・始末書とかペナルティとかあるの?

このような問題解決に向けた返事を考えた方は問題解決型の話し方を好む方です。

例えば
・仕事のミスはだれでもあるよ。
・注意されると落ち込むよね。

こんな形で相手の心情によりそうような話し方をする方は、人間関係構築型の話し方を好むタイプと言えます。

2つの目的は、場面に応じた使い分けが必要です。例えば、差し迫った状況での話し方なら、問題解決型が適切です。しかし、異性との会話なら、人間関係構築型の話し方が間違いなく良いでしょう。このように話し方は「目的」がとても大切で、状況や相手に合わせた使い分けが必要な事を覚えておきましょう。話し方は状況に応じた利用が大切

②発話スキル

話し方は、自分からの発話が非常に重要になってきます。最近巷では傾聴系の本がよく売れているように傾聴も確かに大事ですが、それと同じぐらい発話は大切です。以下の図は「マルトマンとテイラーの社会的浸透理論ー六分円」と言われる図です。

話し方

六分円の円は話題を表しています。外側 が「表面的な話題」中間が「やや踏み込んだ話題」そして、内側 は「人に言えないような深い話」です。矢印 は「自己開示の深さ」を表しています。

図から、関係の段階に応じて自己開示の深さと話題に変化がでるのが分かると思います。。まずは、浅い自己開示からはじめて、徐々に深くしていくことで、会話が自然と続くようになります。ポイントは「お互いの自己開示のバランス」です。

話し方においては、お互いの自己開示が非常に重要になってくるため、発話スキルをしっかり身に付けておくことが大切です。

・お試し!そんでもって法

せっかくなので1つワークにチャレンジしてみましょう。話し方を改善する上でまず必要なのが、1問1答癖を直しておくことです。1問1答とは、下記のような会話です。

「好きな旅行先はありますか」

「北海道です・・・」

こんな感じで相手の質問に1言で終わってしまう方は要注意です。話をするのが苦手な方は、応急処置として、短文で終わらず

「て」「で」「(そんでもって)」

を使って、最低2文以上は続けるということを意識してください。

例えば
「好きなお菓子はなんですか?」

と聞かれたら

「そうですね~ポッキーです・・・」
はNGです。

最低でも
・「そうですね~ポッキーが好き「で」、机に常備しています笑」
・「そうですね~ポッキーをいつも食べてい「て」、近所のコンビニで毎日買っています」
・「そうですね~ポッキーが好き!(そんでもって)もう30年食べ続けています!」

と言う形で膨らませてみましょう。短文で言い切りにせずに、「て」「で」「(そんでもって)」を使うと少しだけ膨らみますので是非活かしてみてください!!

今回はお試しで1つ応急処置スキルをお伝えしました。話し方の目的別での発話スキルをあげると、

(1)人間関係構築型の発話
・5W1H発話
・自分へ質問法
・例えば法
・繰り返し表現
・~ぐらい法
・ウイキペディア発話法
・3×3発話法

(2)問題解決型の発話
・論理力
・問題解決型話し方
・ロジカルコミュニケーション
・提案力

などが重要になってきます。話し方を改善したい方は是非練習していきましょう。

③傾聴スキル

話し方は、極論からすると「傾聴」「発話」のどちらかをしているため、傾聴スキルと発話スキルの2つをしっかりできるようになれば、話し方はうまくなります。では「傾聴」にはどのようなスキルがあるのでしょうか?普段私たちは、適当な話し方をしているように感じるかもしれませんが、分析すると10種類ぐらいのスキルを使った話し方をしていることが分かっています。

・お試し「言い換えのオウム返し」

まずは1つのスキルを紹介したいと思います。傾聴する上で、大事になるのが、相手の発言を受け止めるという習慣です。いきなり質問をするのではなく、まずはいったん受け止めて、その質問をするように心がけましょう。具体的には、相手の発言を少し言い換えてオウム返しをして、その後に質問するようにします。

 

「私がお勧めなのは、JONAJONAというファミリーレストランです。ドリンクバー、ふんわりしたソファー、ワイハイという3拍子が揃っているのでついつい長居してしまいます。」

OK例

「3つも揃っていると、時間を忘れてしまいますね。
 ドリンクバーは何がお勧めですか?」

NG例

「へ~それはいいですね。どこにあるのですか?」

⇒ポイント
OK例はまずは相手の発言を受け止めていますが、NG例はほぼスルーして自分の興味を優先させています。傾聴をする上では相手の発言をしっかり受け止める習慣を付けるところからはじめましょう。

 

上記は1例ですが、具体的には以下のようなスキルをマスターすると傾聴力が格段に上げられます。え!これ全部マスターするの?と思われるかもしれませんが、基礎練習を重ねることで誰でも一定レベルまでスキルを向上させることができます!

・相槌の技術
・事実・感情のオウム返し
・感情のオウム返し
・言い換えのオウム返し
・かなり言い替えたオウム返し

・適切な自己開示
・5W質問
・感情の質問
・名詞的肯定返し
・人間性肯定返し

④非言語コミュニケーション力

非言語コミュニケーションは言語コミュニケーションよりも広範です。非言語コミュニケーションを図解したものが下記となります。話し方と言語・非言語コミュニケーションの関係非言語コミュニケーションは、においや空間など様々なものがあり、最も力を発揮するのは直接の対人コミュニケーションです。例えば、同じオウム返しでも、以下の2つを比べた場合どちらに好印象を持つでしょうか?言うまでもなく、左側の方が印象がいいですよね。

話し手             話し手
鳥取砂丘いったよ!楽しかった  鳥取砂丘行ったよ!楽しかった

聞き手
へえ~楽しかったんだね・・・  楽しかったんだ~!
(暗い表情  イラスト)    (楽しそうに聞く いらすと)

言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションは掛け算のような関係です。そのため、「ありがとう」「嬉しい」などポジティブな発言をしても、非言語が死んでいると効果は減退します。話し方を意識する時は、非言語もしっかり考えていく必要があります。

⑤心理的な健康

コミュニケーション能力を良好に保つためには、土台となる心理的な安定をしっかりと作る必要があります。例えば「対人不安」が強いと、孤独感やソーシャルスキルが低下することが分かっています。

ソーシャルスキルとは、会話を始めたり続けたりするコミュニケーションスキルです。相川(2005)が行ったソーシャルスキルと心理的影響についての研究では、ソーシャルスキルがある人は、孤独感が少なく、対人不安が少ない、関係開始がうまい、関係維持がうまいことがわかりました。

話し方は心理的問題と関係が深い。ソーシャルスキル自己評定尺度の構成図皆さんも、元気な時と落ち込んでいる時では、コミュニケーションの在り方が全然変わってくると思います。また、好きな相手と苦手な相手では、話し方や内容も変わってきますよね。話し方は、心理的な問題と深い関わりがあります。話し方に自信をもつためには、心理的な健康を持つ心構えが重要なのです。

コミュニケーション講座について

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こたらのコミュニケーション能力講座 のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

お知らせ失礼しました。それでは先に進みましょう!

 

話し方入門コラムまとめ

このように 話し方を築くためには、

①目的に応じた使い分け
②発話スキル
③傾聴スキル
④非言語コミュニケーション力
⑤心理的な健康

の5つが大事になります。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!話し方をつけるこことは確かに簡単ではありません。私も本当に苦労しました。でも自分に合ったスキルをつけると今までよりも話し方がよくなったり、仕事がしやすくなったり、本当に努力してよかったと感じています。

今度は私たち講師陣が皆さんに様々な有益な情報を提供する番です。1人でも多くの方がコミュニケーションに関する正しい理解をして、暖かい話し方を築ける方が増えて豊かで暖かい社会ができることを願っています。ここから先のコラムは話し方を発展させる各論へと入っていきます♪興味がある方はぜひご一読くださいませ。

人間関係講座

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考資料
平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 生活環境と個性が友人数に与える影響(内閣府))http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf/b3_3.pdf
末田清子・福田浩子(2003) 「コミュニケーション学―その展望と視点」P142
相川充・藤田正美(2005)「成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成」『東京学芸大学紀要 第1部門』, 56, 87-93.  
相川充・藤田正美・田中健吾(2007)「ソーシャルスキル不足と抑うつ・孤独感・対人不安の関連:脆弱性モデルの再検討」『社会心理学研究』, 23, 95-103.
目白大学大学院 現代心理学専攻 川島達史 2013 修士論文
好感をもたらす非言語コミュニケーションに関する研究  目白大学大学院 現代心理学専攻 梅野利奈 2015 修士論文