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信頼関係の意味や定義!ラポールを形成しよう②

信頼関係の意味や定義!ラポールを形成しよう②

みなさんは「信頼関係」という言葉を聞いてどのような印象を持つでしょうか?
・お互いを尊重できる
・裏切らない
・味方でいてくれる
などなど・・・いろいろなイメージがあると思います。それでは、心理学的にはどのような意味があるのでしょうか。この点、信頼関係はラポール形成という用語を使うことが多いと言えます。

信頼関係 意味

信頼関係とラポール

コラム1の復習になりますが心理学では、信頼関係を築くことを「ラポールを形成する」という言葉を使って表すことがあります。初対面やまだあまり親しくない人に対しては、まずはこのラポールを構築するところから始めます。

ラポールとは心理学辞典(1990)によると、

カウンセリングをはじめとする心理療法において、治療者(面接者)とクライアントの間に存在する人間関係をさす。治療者は親密で暖かい感情の交流をもつように心がけることが大切であり、ラポールが治療の第一歩である。

とされています。このように、もともとは治療者とクライアントの信頼関係という意味合いで用いられていましたが、最近になってビジネス、恋愛など日常生活でも頻繁に活用されるようになりました。

・ラポールの語源
ラポールの語源には、フランス語の「ラポート(Rapport)=架け橋」があります。つまり、自分と相手との間に架け橋(信頼関係)をかけるという意味になります。

ラポールができていると、お互いのしぐさや言葉遣いが自然と似てきたり、物理的な距離が近くても安心して接することができるようになります。

さらにFitzGerald(2003)によれば、ラポールはあるコミュニケーションが成功したかを判断するときに考慮しなければならない要因の一つであるとされています。ラポールが構築された会話には笑いやユーモアが多数存在します。信頼関係が構築できていれば、自然と笑いやユーモアが沸き起こるため1つの判断基準になるでしょう。

メスメルと信頼関係

ラポールはもともと、オーストラリアの精神科医フランツ・アントン・メスメルが用いた言葉です。メスメルは、1775年に宇宙に満ちているガスの1種である「動物磁気」のバランスによって、人体は病を患うとする動物磁気説を提唱しました。

この動物磁気説に、心を動かされたクライアントとの関係を説明するため、メスメルは「ラポール」という言葉を始めて用いたのです。

その後、ラポールは広い意味で治療者とクライアントとの信頼関係という意味合いで使われるようになり、現在では人間関係全般における用語として定着しつつあります。

トラルビーと共感

ラポールという言葉は、トラルビー(J.Tralbee)の著書「人間対人間の看護」の共感の5つの段階で用いられています。

1.カテゴリー理解(初期の出会いの位相)
「第一印象」や「雰囲気」を感じ取り、対人関係における手がかりの知覚や言語的・非言語的コミュニケーションをきっかけにします。看護師と患者が初めて対面する時、お互いを「患者、看護師」といたカテゴリーで相手を認識します。

2.軽い共感(同一性の出現の位相)
相手のアイデンティティを認める始める段階です。相手を「患者」「看護師」といったカテゴリーで認識するのではなく、一人の人間として見るようになります。ただ、共感と呼べるほど相手の深い部分を理解するところまではたどり着いていません。

3.深い共感(共感の位相)
共感はそれぞれの独自の存在として距離を保った上で、お互いを理解しあっているような感覚になります。相手の独自性や個性をより明確に知覚されるようになります。この位相には必要条件があり、お互いに類似する出来事をすでに体験していることが必要となります。

例えば、サッカーの楽しさをあまり興味がない人に伝えるのは難しいでしょう。ただ、相手が運動する喜びを知っていれば、「体を動かす楽しさ」という部分で共感できるかもしれません。

4.感情移入(同感の位相)

同感とは、相手の感情に心を動かされ参加し、自分のことのように相手の気持ちを感じるプロセスを意味します。共感の場合、お互いが別々に離れているのにも関わらず、同じ気持ちを持つというあり方で、客観的で距離が開いていました。

「同感」には距離がなくお互いに感情移入し合っている状態であると言えます。信頼関係を生み出す一方で、相手の感情に巻き込まれて傷つくこともあります。

ただ、巻き込まれつつも関与することでよりお互いに同感が深まり、助け合いの精神が芽生えるようになります。

5.人間対人間(ラポートの位相)

最終段階に「ラポートの位相」です。お互いに「人間対人間(interpersonal)」とよればる関係を経験します。初対面の時のような「看護師」「患者」といった枠組みは存在せず、相手をひとりの人間として認識しあい、距離を取らずに触れ合うようになります。

信頼の定義

以上のように、心理学上の信頼関係とは、ラポールの形成という用語をよく使います。信頼関係を把握する上で参考にして頂けると幸いです。

信頼関係=ラポールの形成!心の距離を縮めよう

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目次

①信頼関係を築く方法
②ラポールの形成とは
③信頼関係と孤独感
④「愛着との関係」
⑤シャイとの関係
⑥「無条件に信じる」
⑦裏切られるまで信じる法
⑧信頼関係診断・チェック

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
谷 冬彦(1998)青年期における基本的信頼感と時間的展望 発達心理学研究 9(1), 35-44, 1998 一般社団法人 日本発達心理学会
FitzGerald, Helen.(2003)How Different Are We? Spoken Discourse in Intercultural Communication. Clevedon: Multilingual Matters
Erikson ,E .H .(1959).ldentity and the life cycle.NewYork : W .W ,Norton & Com
pany.(Reissue ,1980.)