>
>
>
信頼関係と孤独感研究③

信頼関係と孤独感研究③

今回は信頼関係と孤独感について見ていきましょう。信頼関係が築けていないと、寂しい気持ちになるのは、想像しやすいと思いますが、実際どれだけ影響があるのでしょうか。

信頼関係 孤独感

信頼関係が下がると…

石田(1998)の研究によると、信頼関係が得らえないことによって孤独感が高まることも示唆されています。これは感覚的にわかりやすい話だと思います。人を信頼できない人は、コミュニケーションに回避的になり、孤独な状況に陥りそうです。

「一人の時間が好き」という人もいるかもしれませんが、他人を信頼しない状況が続くと孤独感が深まってしまいます。中には友達は必要ないという人もいますが、大半の人はそうではありませんので注意が必要です。

寿命に影響する?

信頼関係が下がり、孤独感が高まるとさまざまな健康リスクがあることが分かっています。

斉藤・近藤ら愛知老年学的評価研究グループは、愛知県の高齢者、12,000人を対象に「高齢者の交流頻度と孤独感」について研究を行いました。その結果は下図となります。

交流がない人交流がある人より死亡率が高いことが分かります。近年、「孤独死」という言葉を耳にする機会が増えていますが、やはり人と触れ合う機会が少ない人ほど死亡する確率も上がってしまいます。

交流がない人交流がある人はより認知症率が高いことが分かったのです。このように、人とのコミュニケーションが少ない人ほど脳機能も衰えていきます。世界的に見ても社会的に孤立している状況の方はメンタルヘルスや健康状態が悪い傾向にあります。

毎日会話する方は、心理的な問題を周りに受け止めてもらうことで安心感を得ることができますが、信頼関係がなく孤立している方は悩みを抱えやすくなります。悩みを抱え込み、自殺する確率も多いので注意が必要です。

まずは信頼することから

もちろん信頼の判断は、常に相手や状況に応じて変化します。そのため、相手との信頼関係に確信をもって判断するための万能的な理論はありません。しかし、私たちは社会的動物言われ、お互いを信頼関係で結び付けることで幸福?な社会を形成してきました。

心理学的にもほとんどの実験で、「相手を信用する」傾向のある方の方が幸福感が高く、メンタルヘルスは良好です。信頼しない習慣をつけると、多かれ少なかれ人間関係は壊れてしまいます。たまには裏切られることもあるかもしれませんが、相手を信頼して物事を進める習慣をつけていきたいものです。

★相手を信頼する人の方が最終的に得をする!

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

目次

①信頼関係を築く方法
②ラポールの形成とは
③信頼関係と孤独感
④「愛着との関係」
⑤シャイとの関係
⑥「無条件に信じる」
⑦裏切られるまで信じる法
⑧信頼関係診断・チェック

コメント

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

出典・参考文献
・石田靖彦(1998). 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感 名古屋大学 社会心理学研究 14( 1). 43-52,
・斉藤雅茂 , 近藤勝則 , 尾島俊之 ほか ( 2015 ) 「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間のAGESコホートより」, 日本公衛誌3(62),p95-105.
・Rubin, Z .(1975). Disclosing oneself to a stranger: Reciprocity and its limits. Journal of Experimental Social Psychology 11,233−260.
・Baumeister, R. F., Twenge, J. M., Nuss, C. K. (2002). Effects of social exclusion on cognitive processes: Anticipated aloneness reduces intelligent thought.  Journal of Personality and Social Psychology, 83(4), 817-827.
・Journal of Economic Behavior & Organization Volume 92, August 2013, Pages 163-175
Prisoners and their dilemma MenuschKhadjaviAndreasLange