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信頼関係と孤独感・囚人のジレンマ研究⑤

信頼関係と孤独感・囚人のジレンマ研究⑤

信頼関係について、有名な「囚人のジレンマ」について考えてみましょう。せっかくなので質問形式で考えてみましょう。この研究を踏まえたうえで、今回は孤独感との関連も解説していきます。

信頼関係 孤独感

信頼関係と囚人のジレンマ

それでは、さっそく考えてみましょう。

① あなたはある犯罪を犯し、
  容疑者として警察に捕まったとしましょう。
 
  *あくまで理解するためなので
  お付き合いください(^^;)

② あなたの友人「  」さんも
  同時に捕まりました。
  あなたと友人は別々の取調室にいます。

③ その後、弁護士から以下の表を
  渡され、選択を促されました

*************************
信頼関係で有名な囚人のジレンマ

・あなたと友人、2人共が黙秘(協調)したら2人とも懲役2年。

・あなただけが罪を告白(裏切)、しかし、友人が黙秘(協調)をしたらあなたは無罪放免。ただし、友人は懲役10年となる

・2人とも罪を告白(裏切)したら懲役5年

***************************

④ さてみなさん・・・皆さんならどのような行動をとるでしょうか。想像してみましょう。
 
Menusch(2013)は学生、囚人相手に実際に協調行動を取るのか?裏切るのか?実験を行いました。実際の囚人に囚人のジレンマの課題するってすごいですね!

さて・・・結果はどうだったか・・・

なんと・・・

37~63%程度の方が黙秘(協調行動)を取った!

のです。学生、囚人それぞれに統計的な差はほとんどありませんでした。信頼関係を持って、協調行動を選択し、2人の利益を最大化できたのです。囚人の方も相手を信頼して協調行動を取ったところがすごいところです。

これはあくまで実験なのですが「お互い信頼する」と利益が大きいのです。例えばお互い信頼しあえば、契約などの煩雑な手続きは不要となりますし、猜疑心に苛まれることなく、メンタルヘルスも良好になりやすくなるのです。

信頼関係が下がると孤独になる

石田(1998)の研究によると、信頼関係が得らえないことによって孤独感が高まることも示唆されています。これは感覚的にわかりやすい話だと思います。人を信頼できない人は、コミュニケーションに回避的になり、孤独な状況に陥りそうです。

「一人の時間が好き」という人もいるかもしれませんが、他人を信頼しない状況が続くと孤独感が深まってしまいます。中には友達は必要ないという人もいますが、大半の人はそうではありませんので注意が必要です。

まずは信じることから

もちろん信頼の判断は、常に相手や状況に応じて変化します。そのため、相手との信頼関係に確信をもって判断するための万能的な理論はありません。

しかし、私たちは社会的動物言われ、お互いを信頼関係で結び付けることで幸福?な社会を形成してきました。

心理学的にもほとんどの実験で、「相手を信用する」傾向のある方の方が幸福感が高く、メンタルヘルスは良好です。信頼しない習慣をつけると、多かれ少なかれ人間関係は壊れてしまいます。たまには裏切られることもあるかもしれませんが、相手を信頼して物事を進める習慣をつけていきたいものです。

★相手を信頼する人の方が最終的に得をする!

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目次

①信頼関係を築く方法とは?
②意味や定義!ラポールの形成
③心理学研究!信頼のメカニズム
④「シャイや愛着との関係」
⑤「囚人のジレンマ」とは
⑥「無条件に信じる」
⑦「裏切られるまで信じる法」
⑧信頼関係診断・チェック

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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・石田靖彦(1998). 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感 名古屋大学 社会心理学研究 14( 1). 43-52,
・Baumeister, R. F., Twenge, J. M., Nuss, C. K. (2002). Effects of social exclusion on cognitive processes: Anticipated aloneness reduces intelligent thought.  Journal of Personality and Social Psychology, 83(4), 817-827.
Casioppo, J. T., & Patrick, W. (2008). Lonliness : Human Nature and the Need for Social Connection. (カシオポ, J.T, & パトリック, W. 柴田裕之 (訳) (2010). 孤独の科学 ――人はなぜ寂しくなるのか―― 河出書房新社)
Journal of Economic Behavior & Organization Volume 92, August 2013, Pages 163-175
Prisoners and their dilemma MenuschKhadjaviAndreasLange