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優しさが伝わらない時の対処法

優しさを勘違いされない方法-前向きなストロークを学ぼう③

優しさが伝わらない時    

コラム②では、優しさを持つ方法の1つ「完璧主義な考え方を修正する」について解説しました。相手目線で考えることで、相手を責めてしまうクセを和らげていきましょうね。今回は、優しさを持つ方法の1つ「前向きなストロークを与える」について紹介します。

優しさと「ストローク」

ストローク(stroke)とはエリックバーンという心理療法家が提唱した概念で、「人の存在や価値を認めるための言動や働き」を意味します。話しの内容はもちろん、言葉以外(アイコンタクト、うなづく、ジェスチャー、肩に手を置く、背中を押すetc.)のコミュニケーションも含まれます。ストロークは、良好な人間関係に必要不可欠となっています。優しさがない状態を改善するためにストロークを活用していきましょう。

心理学におけるストロークは大きく2つに分けられます。

プラスのストローク
「プラスのストローク」は肯定的なストロークを意味します。褒める・励ます・救う・挨拶・笑いかける・興味を示す等が挙げられます。プラスのストロークが多い時、私たちはお互いに優しさをもった関係を築くことができます。例えば、あなたが困っている時に手を差し伸べれば、形は違えどいつか必ず帰ってきます。こうして、プラスのストロークの循環ができ、お互いの優しさが増していくのです。自分から先に、プラスのストロークを行う!という姿勢が優しさが溢れる関係を築く上で重要になります。

マイナスのストローク
「マイナスのストローク」はネガティブな表現のストロークです。妨害する・悪口を言う・差別する・怒鳴る・にらむ等が挙げられます。マイナスのストロークが増えると、コミュニケーションの些細なことでカチンときたり、ひどく落ち込んだりします。人と距離を置くようになり、お互いに優しさが乏しい関係になっていきます。そしてマイナスのストロークは、相手のマイナスのストロークを引き起こします。例えば、あなたに優しさが感じられず、悪口を言ったりすれば、相手も同じようにあなたの悪口を口にするようになります。こうして、負の連鎖が起こり、優しさが少なくなって行くのです。

プラスのストロークを増やそう!

ここでは、プラスのストロークで会話をするためのトレーニングとして、ポジティブ変換ストロークのワークをご紹介します。ポイントは以下の2つです。

① 言葉のポジティブストローク
言葉をポジティブに投げかけていきます。相手のマイナス面よりも、いい部分を中心に伝えます。この時、「結果よりも過程」をしっかり認めることを意識します。また、たまに行うのではなく、なるべく間隔を開けずにこまめにストロークをすることが重要です。

② 態度のポジティブストローク
態度をポジティブに投げかけていきます。言葉だけでは不完全なストロークになってしまいます。そこで、笑顔で会話をする、しっかり相槌をする、明るいトーンで褒める、肩を叩いて励ます。こうした態度を大切にします。

ポジティブストロークの実例          

 以前、私が研修をした時の実例を踏まえて例題をご紹介します。管理職Aさんは、部下が自分と会話をする時にひどく緊張していることに気が付きました。Aさんは、「お前は気が抜け過ぎだ!何度ミスをすれば気が済むんだ」と毎日部下を睨みつけるようにミスを指摘します。自分の言い方や態度が部下を委縮させてしまっていると分かっています。そこで自分の言葉や振る舞いを変え、もっと上手に部下と仕事をするに、ポジティブ変換ストロークのワークを行うことにしました。

①言葉をポジティブストロークに変換
・否定せず、あいまいな指摘をしない
・ここは○○にした方がいいね、具体的な修正点を伝える
・最後は必ず「あと、もうひと頑張り!」「俺も勉強になった」とポジティブなストロークを与える。

②態度をポジティブストロークに変換
・命令口調をやめる
・オープンな姿勢を保つ
・最後は肩をたたく。

このように、マイナスなストロークを減らし、ポジティブストロークへ変えることで優しさを持つ上司になり、部下も生き生きと働くことができるようになりました。いかがでしょうか。皆さんはポジティブなストロークができているでしょうか。ぜひ日常の中でポジティブなストロークを増やして行きましょう。

 

ポジティブストロークの練習問題!

それでは、実際にポジティブストロークの練習問題を行いましょう。あなたがマイナスなストロークで相手と会話をしている状況を思い浮かべながら、考えてみましょう  

<状況>

①言葉をポジティブストロークに変換

 

②態度をポジティブストロークに変換

 

回答が終わったら、先ほどのマイナスなストロークを会話していた状況をもう一度イメージして、今度はポジティブストロークで相手とコミュニケーションとっている場面を想像してイメトレをしてみましょう!

優しさはポジティブストロークで伝える!

練習問題はいかがでしたか。他人に対してネガティブストロークで関わってしまう状況を分析し、ポジティブストロークに変換するワークを行うことによって  

・優しさを上げることができる
・相手を勇気づけることができる
・言葉の内容がしっかりと伝わる

などの利点があります。

ポジティブストロークは対話の基本である(中田、1999)と言われています。ネガティブな表現はなるべく抑えるようにした方が、相手とのコミュニケーションは弾みます。自分の優しさのなさに気づいたらポジティブストロークを与えるように意識するようにしましょう。次回は、優しさを持つ方法の1つ「ユマニチュード」についてご紹介します。

★優しさは「言葉」だけでは伝わらない!「態度」もポジティブに伝えよう

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*出典・参考文献    
「対話を継続維持する」 ためには肯定的ストロークが必要不可欠であるという研究. 鈴鹿国際大学短期大学部紀要, 19, 23-47.中田つかさ. (1999).