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社会不安〜認知のゆがみに気づく〜

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社会不安⑥ 〜認知のゆがみに気づく〜

社会不安 イメージ

前回は認知行動療法について簡単にご紹介しましたが、どのような感想をお持ちでしょうか。難しそうだと感じられた方、ご心配なく。専門家がついてます!じっくり時間をかけて取り組みたいか、スピードを重視したいかなど、患者さんの希望にそった計画を立てます。途中で不安や疑問を感じたら、それをぜひ伝えてくださいね。「こんなこと聞いたら変かな?」って気になさらないでください。大丈夫、不安や疑問に「正しい」も「変」もありません。気持ちよく進めていきましょう。
 

<認知行動療法は“事実”にもとづいてやっていきます!>

認知行動療法で誤解してほしくないことがあるので、お伝えしておきます。 認知行動療法は「ポジティブに考えよう!」と楽観的になることを目指すのではありません。「全てががすっごくいい感じー!」と捉えるのではなく、「失敗することもあるけれど、私はきっとうまくいく道を見つけられる!」と考えられるようになることを目指します。事実確認をしながら、冷静にものごとをみます。これは覚えておいてくださいね。
 

<状況と反応を整理しよう>

それでは、具体的にどのように進めていくのでしょうか。

心理士と話をしながら紙に記入し、整理していきます。この紙を“アセスメントシート”と言います。

例えば“ストレスを感じるできごと”があったとき、

  • 「どんな考えが浮かんだ?」
  • 「どんな気分になった?どんな感情がわいた?」
  • 「身体はどんな反応があった?」
  • 「どんな行動をした?」

という質問に答えていきます。

  • ①思考
  • ②感情
  • ③身体
  • ④行動

をひとつひとつ整理して見つめ直すのです。

見つめ直すことを、“モニタリング”といいます。自分で自分をモニタリングして、認知のゆがみに気づけるようになるとバッチリです!(少しずつでいいんですよ〜。)
 

<状況・思考・感情・身体・行動をみる>

では、Bさんの例で取り組んでみましょう。


****どんなことを考えましたか?

…焦りました。私の服装も、持ってるバッグも、何もかもがそのカフェの雰囲気に不釣り合いだと思いました。まず店員さんが私を見てバカにしたように笑った気がしました。

アセスメントシートへの記入
【思考:お店の雰囲気と自分は不釣り合いだ、店員さんにバカにされた】


****どんな気持ちになりましたか?

…恥ずかしくて、情けなくて。

アセスメントシートへの記入
【感情:恥ずかしい、情けない】


****身体はどうなりましたか?

…全身から汗がたくさん出ました。何を注文していいか分からず、とりあえず友だちと同じものをお願いしました。友だちはフォークとナイフを上手に使って食べるんですけど、私は手が震えて、口の動かし方も気になって、全然うまく食べられませんでした。

アセスメントシートへの記入
【身体:汗が出る、手が震える、口がうまく動かない】


****どんな行動をしましたか?

…落ち着かなくて、他のお客さんとか店員さんとか、皆が私をみて笑ってる気がするから、早く帰りたくてたまりませんでした。友だちが心配してくれたんですけど、もうそれも恥ずかしくて、ほんの少し無理して食べただけで、カフェを出ました。

アセスメントシートへの記入
【行動:食事をやめてカフェを離れた】


このようにして、Bさんと心理士はBさんの体験を共有します。ここではBさんの語りを短くしていますが、もっと詳しく話して頂いてかまいません。体験をしっかり共有するために、心理士が「もっと教えて」と尋ねることもあるかもしれません。
 

<根拠は?理由は?>

Bさんは、【他人がいるところで食事する→皆が自分をみてバカにしている→恥ずかしい→汗が出る、手が震える→落ち着かない、その場を離れる→他人でいるところで食事するのが怖いと感じる】という悪循環に陥っています。これが繰り返されて、社交不安障害になってしまったと考えられます。

ここまで整理し、「皆が自分をみてバカにしている」と考えた“根拠・理由”を書き出します。裏付けを書いてみるのです。そうすると、「ん?」と気づくことがありませんか。「バカにしてる、って具体的にどういう言動から思ったの?」「店内に10人いたら10人全員が私を見ていた?本当に??」など、これまで見逃していたことを、また書き出していきます。“事実”の確認をするのです。

そして、「もし他の人がこの状況だったら、どのようなアドバイスをしてあげるだろうか」と考えてみます。自分が不安を感じた時もこのように考えてみると、その場に適した根拠ある見方ができるようになってきます。

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<再発防止にもなるから心強い>

認知行動療法とは、考え方とそれに伴う行動のパターンに自分で気づき自分で改善する力を身につけるものです。そうすることで、カウンセリングから離れても、心理士がついていなくても、自分でその力を発揮できるようになります。だから、再発防止にもなります。いかがですか?少しずつなら、できそうな気がしませんか?

次回は、薬物療法のお話をします。認知行動療法と薬物療法は同時に取り入れることもあります。ぜひ読み進めてみてくださいね。

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