焦燥感の対処法「時間感覚キッチリレベル」を下げる
焦燥感コラム1でも解説したように、焦燥感の大きな原因として時間への焦りがあげられます。そこで今回は「時間感覚キッチリレベルを下げる方法」について解説していきます。
時間厳守の日本人
時間厳守の日本人
日本人は世界的に見ても、時間にとても厳しいようです。橋本(2018)によると、5分遅刻したら謝るか?について質問しました。その結果、
・ニューヨークの人達は
70人中43人が謝る
・日本人は
80人中79人が謝る
という結果になったようです。日本人はとかく時間について厳しく、それだけ焦燥感を持ちやすいと推測できます。
時間キッチリレベル
キッチリレベル
この「間に合わせなきゃ」という気持ちの強さを、当コラムでは時間感覚キッチリレベルと定義したいと思います。ここで時間キッチリレベルをざっくり3つに分類したいと思います。
高い人
ふつうな人
低い人
皆さんの時間感覚はどれに当てはまりそうでしょうか。それぞれの考え方や行動を比較してみましょう。
状況:友人と12時に東京駅で待ち合わせをして、一緒に映画館に行く予定でした。しかし、当時寝坊してしまい、急げばギリギリ間に合う可能性がある状況です。
キッチリレベル高い‐焦るくん
考え方
早くしないと、友人に嫌われる!
走っていかないと
遅刻は大罪!信用を失う
行動
赤信号を無視して走る
遅刻したお詫びに全額おごる
遊んでいるときも罪悪感でいっぱいで楽しくない
レベルふつう‐フツウくん
考え方
遅刻しそうだ…相手に悪いなあなるべく急ごう
でも急いでも時間が戻るわけではない
メールをして事情を伝えよう
休日だし相手もそこまで怒らないだろう
行動
赤信号はしっかり待つ
遅刻したお詫びにアイスをおごる
少し反省して後は楽しめる
レベル低い‐ぐだぐださん
考え方
遅刻しそうだ…でも急いでも時間が戻るわけではない
ちょっと遅れるぐらいが余裕があっていいかも
毎回時間通りだと相手も疲れる
行動
赤信号はしっかり待つ
遅刻した時、悪びれる様子はない
いつもどおり
相手からすると少し不満
もしあなたが焦るくんのように強迫的に時間に追い詰められている感覚があるとしたら要注意です。入門①でも解説したように、焦りは集中力の欠如をもたらし、ミスも多くなりやすくなります。
絶えず追い詰められている感覚は相手にも伝わるので、一緒にいる人も落ち着かなくなってしまいます。焦燥感を改善するには、ゆったりとした心を増やすことがとても大事になってくるのです。
焦燥感を和らげる5つの提案
では、実際に具体的にどのように時間感覚キッチリレベルを下げていけばよいのでしょうか。5つの提案をさせて頂きます。気にいる手法がある場合は、取り入れて頂けると嬉しいです。
時間制限付きタスクを減らす
焦燥感を持ちやすい方はある意味で真面目で頼られることが多いです。その分様々な仕事を任されることが多く、納期のあるタスクのため込みすぎになっていることが多くあります。
しかし、タスクをため込みすぎると結果的に全体のパフォーマンスが下がってしまいます。自分の集中力を健康的に保つためには、タスクを制限することもとても大事です。
もし仕事上、いつも断れない…という悩みがある方は、こちらの断り方コラムを参考にしてみてください。
2割のゆったり自由時間を作る
私たちが普段よく使うグーグルという会社には、20%ルールというものがあります。20%ルールとは、いつもとは違うことをしてOKというルールです。
例えば、8時間働くとすれば、1時間ちょっとは、発想をしたり、新しいアイデアをじっくり練る時間にあててOKという大変おおらかな制度です。
この1時間ちょっとは特に成果を求められるわけではありません。
皆さんの会社で想像してみてください!業務の20%は好きなことをしていいよ!と会社に言われたら、すごく余裕ができますよね。
そしてこの自由時間にこそ人間は頭を整理して心を落ち着けることができるのです。実際グーグルではこの20%ルールで様々なサービスが発想されています。
なかなか自分では調整できない面もあるかもしれないですが、例えば1日のうち、18時間予定びっちり!という感じでは人間疲れしまいます。
なにもしない、空白の時間を作ることはとても大事だと言えるでしょう。
目の前のことに集中する
3つ目は、目の前のことに集中するということです。焦燥感がある状態は、未来に目が向いていることが多いです。明日の仕事に間に合うかな…試験におちたらどうしよう…焦燥感があるときはこんな形で未来の悩みを現在に持ち込んでいることが多いのです。
しかし、未来の予測で焦ったところで、やることは変わりません。やるべきことは目の前のタスクを1つ1つ丁寧にこなしていくことなのです。
車の運転に例えると、焦ったところで、制限速度は守らなくてはならないですし、到着時間は大して変わりませんよね。できることは目の前の運転を丁寧に事故を起こさないようにすることなのです。
時計を外す
4つ目のアイデアは私が行っているものです。それは家の掛時計を外すというやり方です。時計はとても便利なのですが、なんだかいつも追い詰められている気がして、外してしまいました。
時計メーカーの方に怒られてしまうかもしれないですが、焦燥感が強い方はオススメのやり方です。
スマフォばいばい作戦
5つ目のアイデアは時計と外すと似ていますが、スマフォを持たないでお出かけるする時間も結構おすすめです。スマフォでは多くの方が、SNSを活用していると思います。
SNSは流動性がたかく最新の情報が流れています。刺激的な情報も多く、競争意識や、購買意欲を掻き立てられる情報にあふれています。
ラインなどでは、既読スルー問題などもあり、落ち着きません。
例えば、読書を喫茶店でするときは、スマフォを持たないで身軽に行くなどもオススメです。
おまけ動画
最後に2つ動画を紹介させて頂きます。
*2割サボる法について解説しました
*遅刻する人は意外とメンタルヘルスがよい!ということを解説しました。
ゆるさを身に付けよう
時間に追われて、焦って動作スピードを上げても、ミスが多くなり、かえって効率が悪くなることもあります。焦燥感がある方は、ぜひ遊びの時間も作りながら、落ち着いて課題を進めていってくださいね♪
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コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科修士
取材執筆活動など
- AERA 「飲み会での会話術」
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
- TOKYOガルリ テレビ東京出演
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*出典・引用文献・参考文献
なぜ日本人は遅刻に異様に厳しいのか? 他国の人との比較から考えてみた
ハーバー・ビジネス・オンライン 橋本愛喜 2018