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クレーム対応の基本-直接謝罪する場合

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クレーム対応の基本-直接謝罪する場合

当コラムではクレーム対応の方法について解説をしています。全体の目次は以下の通りです。

①クレーム対応の7つの基本
②直接対応する場合
③メール対応の場合
④電話対応の場合

今回は、直接クレーム対応をするケースについて解説をしていきます。アポ取りから直接の謝罪場面まで解説しました。ご自身の状況に合わせて使えそうな部分を参考にしてみてください。

1.アポ取り

心理学では、気分によって状況の見え方が変わる心理を「気分一致効果」と呼びます。クレーム対応と絡めると、気分が良い時は許されやすく、気分が悪い時は、よりクレームが悪化してしまう可能性があります。

そこで、対面する日は、先方の気分が良い時、場所を考え、会う約束をすることをおすすめします。具体的には以下が一例として挙げられます。

金曜日のお昼すぎ
→金曜日は機嫌がよくなりやすい
 ご飯を食べた後は機嫌が良い傾向 
 月曜の朝、昼前は不利になりやすい

話し合う場所
→狭い部屋よりは広めの応接室
 騒がしくない部屋を選ぶ
 空調を十分整える 軽くアロマを炊く

天気の良い日
→お宅を訪問する場合は週間予報を見て晴れを選ぶ
 雨の日 風が強い日 寒い日、暑い日は避ける 
 

クレーム対応がうまく行くかは、環境設定から始まっています。まずはお客様の気持ちが温和になりやすい状況を作っていきましょう。

気分一致効果とは何か

別れ,春

2.準備

クレーム対応は事前準備で決まる!

アポ取りができたら

気持ちが伝わる謝罪文
想定される質問への回答
クレーム案件の資料

などをまとめておきましょう。クレーム対応は、事前準備が全てと言っても過言ではありません。謝罪の言葉はその場で考えるのではなく、あらかじめ文章を書いてブラッシュアップしておきます。

また追及されそうな箇所は、事前に予想してしっかりと回答できるようにしておきましょう。

お詫びの印を用意する

ビジネスマナーとして、先方に出向く場合、何かしらの品物を持っていくのが基本です。菓子折りを持っていくなど、お詫びの印を用意しておきましょう。謝罪の際の菓子折りですが

適度に重みがある
賞味期限が長い
謝罪の後に渡す

これらを守ると印象がアップします。

3.謝罪当日

謝罪当日は、事前準備で作成してきた資料をもとに、誠実さをもって対応していきます。ここでは、直接のクレーム対応で注意すべきポイントを4つ紹介します。

表情

先方と対面した時は、まずは真剣な表情から入りましょう。問題に対して、誠実に向き合う姿勢を示すことが大切です。

お辞儀の角度は45度

次に相手方に謝罪の気持ちを込めて、お辞儀をします。基本的には謝罪時は「最敬礼」という最も深いお辞儀するのがビジネスマナーです。以下の図のように、角度は45度程度を目安に行いましょう。

謝罪 お辞儀

ゆっくり話す

クレーム対応では早口で話すよりも、ゆっくりと間を取りながら話すことが大切です。早口とゆっくり話すのとでは以下のような違いがあります。

早口で話す
相手に焦りを感じさせてしまいます。クレーム対応の場面では、相手にさらに不満を与えてしまうかもしれません。

ゆっくり間を取って話す
相手に冷静さを感じさせます。クレーム対応の場面では、相手にも冷静に話しを聞いてもらいやすくなります。

アイコンタクト

最後に視線にも気を配りましょう。クレーム対応の時は、基本的にはしっかりと目を合わせながら話します。しかし、じーっと目を合わせるのはNGです。心理学では、0.5秒~1秒間のアイコンタクトが一番、友好度が高くなり、2秒になると格段に下がってしまうことが分かっています(深山,2002)。

身体は相手に向ける
全体の50%程度は目を見る
視線を外すときは縦に外す

これらを意識してみてください。アイコンタクトが苦手な方は以下のコラムを参照ください。

気持ちが伝わるアイコンタクトのやり方

相手に合わせて笑顔に

相手の空気感に合わせて、少しずつ微笑みや笑顔を入れていきます。相手が謝罪を受け入れ、多く笑顔を見せてきてくれたら、こちらも笑顔を返すようにします。

しっかりと話し合って、相手が笑顔になったら安全です。固くなりすぎず、場の空気を感じ取りながら、柔軟にふるまいましょう。

優しい人,共感

まとめ

直接のクレーム対応は、顔と顔をみて話す分、あなたの気持ちがダイレクトに伝わります。最も効果的な謝罪になるので、自分の会社に非がある場合はおすすめのやり方になります。プレッシャーもありますが、是非誠実に誤り、前向きな関係に戻れるよう努力していきましょう。

もっと学びたい方へ

当コラムの内容をしっかり身につけたい方は、現役の経営者、公認心理師による講座をおすすめします。内容は以下のとおりです。

・クレーム対応の基礎,傾聴練習
・怒りを和らげる,共感力トレーニング
・限界設定で身を守る,アサーション
・説明上手になるトレーニング

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


YouTube→
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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連