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第一次反抗期の対応「3歳・5歳の子ども編」

第一次反抗期の対応・接し方「3歳・5歳の子ども編」②

コラム①では、反抗期の意味や定義、年齢、具体的な乗り越え方など心理学の研究を交えながら解説しました。反抗期には第一次反抗期と第二次反抗期がありましたね。

今回は「第一次反抗期の子どもへの接し方」を紹介します。

第一次反抗期とは?

第一次反抗期はいつ?

一般的に第一次反抗期は、2歳から3歳にかけて起こります。早い子どもで1歳半くらいはじまり、「魔の2歳児」という言葉ある様に、第一次反抗期のピークは2歳ころと言われています。

第一次反抗期は、一番最初におとずれる反抗期ですから、親はハラハラしたりイライラすることも増えるでしょう。

第一次反抗期の特徴

第一次反抗期には、自我が芽生える時期です。大脳の発達に伴い記憶力や言葉でのやり取りが向上し、自己主張が強くなります。

加えて、自分でやりたい気持ちが強いため「自分で!」と主張し拒否することが多くなります。

第一次反抗期の特徴

反抗期と母親

子どもの反抗に対する母親の考え

坂上(2002)は、2歳児147名の母親を対象に「子どもの反抗・自己主張に対する母親の考え」を調査しました。自由記述で解答が多かった、上位5つが以下の通りです。

以下のグラフから、多くの母親が、子どもの反抗を「成長の過程」だと理解していることが分かります。また苛立ちを経験し「反抗期はいつか収まる」と考え見守もる母親が多いことも読み取れます。

反抗期の子どもの接し方

この調査結果から、「子どもは見守りながら育てていくのが望ましい」と考える母親が多い傾向がうかがえます。

一方で「見守る」「自由にさせる」以外に、子どもの反抗を扱うための方法を、母親がもっていないとも捉えることができます。

子どもの反抗と母親の苦悩

2歳半の子どもをもつ日本の母親を対象に行った調査では、子どもの反抗に対して、多くの母親が感情にまかせた対応(怒る、叩くなど)をとるか、子どもに譲歩する、と答えています(Ujiie,1997)。

つまり母親は「見守りたい」という思いはあるものの、現実は子どもの反抗に否定的な感情を覚え、苦悩していることが多いようです。

第一次反抗期の対応

第一次反抗期は「自分でやりたい!」という主張が強くなる時期です。危険がない限りは、子どもがやりたいようにやらせましょう。

気持ちに寄り添う言葉かけを

子どもの欲求(やりたい気持ち)を理解し一旦受止めて、世話を焼き過ぎないようにします。

加えて第一次反抗期の子どもは、気持ちをうまく言葉にできないため、母親が言語化してあげることが大切です。

「○○したかったんだね」
「そうだね。嫌だよね」
「上手く出なくて悔しいんだね」

など子ども気持ちに寄り添う言葉を伝えると、子どもは安心するでしょう。反抗期と育児ストレスの解消

安全・子どもの満足度を考える環境調整

子どもの「自分でやりたい!」という気持ちを尊重できるように、安全な環境づくりを心がけましょう。

割れ物は子どもの手が届かない場所に置いたり、ケガの危険がある場所には安全な配慮をします。加えて、子どもの意思を尊重できるポイントを生活に取り入れるといいでしょう。

たとえば、子どもに洋服を選ばせたり、子どもが自分ひとりで履ける靴に変えたりすれば、子どもの満足度が高まるため反抗することが減り、親のストレスも軽減できます。

反抗期の対策

時間に余裕を持つ

子どもの欲求を満たすには時間が必要です。時間がない中では、子どもの気持ちを受け入れることが難しくなってしまいます。

第一次反抗期の子どもとの生活では、時間がかかることを前提で進めて行くといいでしょう。その方が、親のストレスも少なくなるでしょう。

ソーシャルサポートを持とう

子どもの成長や発達に対する育児ストレスでは、神経症・抑うつ症の訴える母親が56.1%あることが報告されています(毛利ら、2005年)。

子どもの反抗に対する苛立ちや不安が、精神健康度に大きく影響すると言えそうです。

また足達ら(2000)の研究では、相談相手や支援者がいることで健全な育児行動がとれることを明らかにしています。

育児の負担を軽減するためには、家族のサポートをはじめ、友人や近隣住民、公共の支援制度などのソーシャルサポートを積極的に受け取りましょう。

反抗期の乗り越え方

子どもの反抗と母親の心情

坂上(2003)の研究では、2歳児の子どもを持つ母親25人を対象に「第一次反抗期の子供に母親がどう関わっていくか」についてインタビュー調査をおこなっています。具体的には、

子どもが反抗してきた時期
・母親がどう感じたか

などの質問を、1人につき約1時間程度のインタビュー調査をしました。

その結果、多くの母親が子どもの反抗に困惑したり、苛立ちを感じていることが分かりました。

加えて、子どもの反抗に対して母親がとる対処法には主に3つあるということが分かりました。第一次反抗期の乗り越え方

母親がとる3つの対処法

第一次反抗期の子供に対して、母親が取る3つの対処法は以下の通りです。

・自己焦点型
母親の期待や意図を強制的に子供に従わせる。たとえば、怒る、突き放す、たたくなど。

・自己・子焦点型
子どもの興味や関心に留意しつつ、母親の意図や計画に子どもを従わせるように方向付ける。たとえば、説明・説得(着替えない時、服を着ないと外に行かれないよという)など。

・子焦点型
母親の側が子どもの意図や要求に従う。たとえば、要求に合わせる(本人が納得いくまでやらせる)など。

そして、多くの母親が
・子どもの反抗や自己主張が激しいとき
・わざとやっていると思える時
・時間的・精神的余裕のないとき
「自己焦点型」の対応が多い傾向にあることがわかりました。

親が子どもに合わせて乗り越える

自己焦点型の対応が多いと、子どもは親の顔色をうかがうことが多くなるかもしれません。

また成長後は親だけでなく、対人関係においても自分の意見が言えず、他人に過剰に合わせてしまうといったことも考えられます。

この研究では、最終的に多くの母親が自己焦点型の関りではうまくいかず、子どもの要求も考えながら関わっていくことで反抗期を乗り越えていった経験が語られています。

第一次反抗期は子どもの主体性を育てる大事な時期だからこそ、親も子どもに合わせて変化していく必要がありそうです。

青年期の親子関係は4つある

子どもは、親に「反抗 ― 依存」を繰り返し、自立していくと考えられています。

小高(1998)の研究では、男子大学生379名、女子大学生422名を対象に、青年期の人が親にどのような態度をとっているかを調査しました。

結果から、親子関係(青年の親に対する態度)のタイプをA~D型で表しています。

A型:密着した親子
親と情愛的な絆を感じ、親を尊敬し服従した親子関係。

B型:矛盾した親子
親に対して距離を置いて冷静に接することはできないが、情愛的絆には弱く、矛盾や葛藤がある親子関係。

C型:離反的な親子
親に反発し距離を置いた親子関係。

D型:対等な親子関係
親を一人の人間として認め、尊敬も感謝もしている親子関係。

そしてこの親子関係のタイプは、幼少期から自立までのプロセスにもなっていると考察されています。以下に図で表しました。

4つのタイプと反抗期A型は幼少期の親に依存した状態です。B型は第一次反抗期の状態、Cは第二次反抗期の状態で、最後のD型は親ともよい関係を保った自立といったプロセスがみられることが明らかにされました。

どの型が良い・悪いというわけではありません。しかしこの親子関係のタイプをみると、青年がどれくらい自立しているのか?という指標につながるのではないでしょうか。

子どもの気持ちに寄り添おう

今回は第一次反抗期の時期や特徴、子どもとの関わり方をご紹介しました。子どもの気持ちに寄り添って、第一次反抗期を上手に乗り越えていきましょう。

次回は、第二次反抗期の子どもとの関り方について解説します。

★反抗期の子どもの気持ちに寄り添ってストレスを軽減
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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・坂上裕子(2002)母親は子どもの反抗期をどう受け止めているのか,家庭教育研究所,紀要,24, p121-132
・Ujiie, T. (1997). How do Japanese mothers treat children’s negativism? Journal of Applied Developmental Psychology, 18, p467-483
・足達淑子, 温泉美雪ら,1歳6ヵ月児の母親の養育行動 質問票調査からみた具体的行動,育児ストレス,認知の関係について.行動療法研究 2000;26(2):69-82
・毛利瑞穂ら,A 県における乳幼児を育てる母親の精神健康調査.日本社会精神医学会雑誌 2005;13(3):105-115