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リーダーシップを発揮する要素「コーチング5つの基本」入門③

リーダーシップ


リーダーシップを発揮する要素「コーチング」5つの基本-入門③

コミュニケーションスキルから学ぶ

コラム②では、リーダーシップの重要知識として、心理学から派生したリーダーシップ論について学びました。今回はリーダーシップを発揮するために、最低限学んでおきたい「コミュニケーションスキル」を学びます。リーダーが自らの考えをメンバーに伝えて、メンバーが自発的に動いてくれる状態を作っていきましょう。

コミュニケーションスキルでリーダーシップ力を高める

コミュニケーションの2大目的

私たちは、2つの大きな目的をもってコミュニケーションをしています。

問題解決型

会社の会議など、何らかの目的を達成するためにコミュニケーションです。例えば、売り上げが上がらない…という問題をどうすれば解決できるか?このような場合のコミュニケーションが問題解決指向型です。問題解決思考型のコミュニケーションでは、アイデアを生み出す発想力や論理的な思考力、伝える力が必要になります。

人間関係の構築

飲み会で部下と雑談をしたり、落ち込んでいる部下をを励ますなど、人間関係を築くためのコミュニケーションです。職場やチーム内の、人間関係を構築するためのコミュニケーションにあたります。

この2つの目的が絡み合い、コミュニケーションは行われ、どちらが好ましいかは状況によって変わります。

例えば、差し迫った状況で部下と会話をする場合は、問題解決型の質問でOKです。しかし、部下がプライベートの相談をしてきた場合は、人間関係構築のコミュニケーションをする方が良いでしょう。

このようにコミュニケーションの目的は、状況によって変わるためリーダシップを発揮するには、2つの目的に適したスキルを身に付けておくことが必要です。

問題解決型コミュニケーション5つのステップ

リーダーシップに欠かせない、問題解決型コミュニケーションスキルとして、コーチングをご紹介します。

コーチングとは、
「対話で相手の自己表現や目標達成を促す」
コミュニケーションスキルです。

1対1の対話で、自立性・能力向上・成長促進の3つを促すことで、メンバー自らが問題解決思考になるようステップアップを図ります。

リーダーシップのコミュニケーションスキル「コーチング」を解説

コーチングは「5つのステップ」が基本となります。リーダーシップをとる時に活用しましょう。

1:部下を認めて共感する
部下に信頼してもらうことがコミュニケーションのスタートです。そのためには、部下のペースにあわせることが大切です。部下を認め共感することで、信頼化関係を築いていきましょう。ポイントは、部下の状況に応じて柔軟な対応をすることです。

2:部下の話を聴く
部下に安心感をもってもらえるよう「聴く」姿勢を大切にしましょう。安心感は、部下のアイデアを引き出す効果も期待できます。リーダーシップをとる時は、部下の話をしっかりと聴き心の声にも耳を傾けられるよう意識してみてくださいね。

3:部下に質問する
自らの力で問題解決に向かう効果的な投げかけです。「〇〇さんなら、どう思う?」など質問することで部下は自ら考えてくれます。問題解決思考へのきっかっけや大切な事に自ら気付くこともあります。

4:部下に提案やリクエストをする
「こうしてみたらどうかな?」と提案をします。問題解決に向けた行動を後押しするときに効果的です。ポイントは、部下の成長や目標達成のために行う点です。決して押しつけないように注意して、リーダーシップをとるようにしましょう。

5:部下を承認する
リーダーシップをとる時は、部下の成長や成果、変化を事実として伝えてあげましょう。リーダーから「認められた!」「評価された!」と感じることで、モチベーションの維持・向上に効果的です。傾聴でリーダーシップを高める

人間関係構築コミュニケーション

人間関係を構築するコミュニケーションスキルは、大きく分けて2つあります。

話を聞いている「傾聴」
自分が話す「発話」

2つのどちらかでコミュニケーションをしているため、この2つを重点的に考えていくとリーダーシップを発揮するうえでのコミュニケーションの問題が解決できます。

傾聴技法の基礎

1:オウム返し

傾聴で最も基本となるオウム返しは「相手の言葉を繰り返す」というスキルです。

例えば、部下「やっとプレゼンが終わりましたね。今日は、パッと飲みにでも行きたいですね」といったとします。

この時にリーダーは、部下の言葉をそのまま繰り返します。

「飲みに行きたいよな・・」

自分の感情は入れず部下の言葉だけを繰り返します。

部下やメンバーとの気持ちのズレが100%無いため、信頼感や共感を与える事ができリーダーシップを取りやすくなります。ただし、使いすぎると、違和感が出てしまい、本当のオウム?!と不信感につながることも…。ほどほどに使っていきましょう。

オウム返しでリーダーシップスキルを高める
2:言い換えのオウム返し

聴き上手のリーダー・リーダーシップを目指すならぜひ身に着けておきたいスキルです。

先ほどご紹介したオウム返しをちょっと言い換えて返してみる方法です。

例えば、
「やっとプレゼンが終わりましたね。今日は、パッと飲みにでも行きたいですね」という部下に対して「プレゼンまでみんなよく頑張ったよな。打ち上げでも行きたくなるよな」と返す感じです。

「終わりました=よく頑張った」「飲みに=打ち上げ」のように部下が言った言葉と同じ意味又は近い言葉で返すのがポイントです。 

センスがないと、部下の気持ちとズレてしまうこともあります。繰り返し練習することで上達しますよ。

3:肯定返し

会話にボリュームを出したい時に活用できる傾聴スキルです。リーダーシップをとるメンバーがあまり話をしない場合に使えます。

肯定返しは、言い換えのオウム返しに自分の主観を交えながら部下の発言を肯定的に返します。

例えば、
「プレゼンまでみんなよく頑張ったよな。打ち上げでも行きたくなるよな(言い換えのみ)」
     ↓
「プレゼンまでみんなよく頑張ったよな。打ち上げでも行きたくなるよな(言い換え)
特に大きなプレゼンだと準備がすごく大変だし緊張感もあるから、一区切りつけてリフレッシュするのはいいな(+肯定返し)  ​」

このように、肯定的な意見をプラスして返していくため、リーダーシップをとる部下やメンバーは話しやすくなり、リーダーへの信頼感や安心感にもつながります。

言い換えのオウム返しでリーダーシップを高める

4:人間性肯定法

肯定返しの応用法で、リーダーシップをとる部下やメンバーとの人間関係を築くために必ず覚えておきたいスキルです。

部下やメンバーの人格や考え方に焦点をあてて肯定的な言葉で返すスキルです。

例えば、

部下「仕事のミスで周りに迷惑をかけることが多くて反省しています。同じミスはしないよう努力はしているんですけど…なかなかうまくいきません。」といった場合

「自分のミスを真摯に受け止めて改善しようとする姿勢は、きっとみんなも認めている。私は素晴らしいと思う

このように、部下の人間性を肯定していきます。

リーダーシップをとる部下やメンバーの人間性を肯定する習慣は、相手にポジティブな感情を芽生えさせるトレーニングにもなります。 ポジティブな感情は自然と部下やメンバーへの好感につながり、明るく楽しいコミュニケーションができるようになります。

5:自己開示法

部下やメンバーの発話に対して、自分の経験や考え方、感情を返す方法です。ある程度、自由に自己開示する点がポイントです。

例えば、
部下「先日大阪に出張した時に、吉本新喜劇に行ってきました。 初めてでしたが、想像以上に楽しくて笑えました」といった場合

「吉本新喜劇を楽しんだんだね。私は、最近のお笑い芸人さんがあまり得意じゃないんだけど、新喜劇はTVで時々観るよ。 劇場で見たことがまだないから ○○君の話を聞いてちょっと行ってみてもいいと思ったよ」

と返す感じです。

これまで紹介してきた傾聴スキルは、部下やメンバーを肯定する姿勢です。そのため、とても疲れてしまうこともあります。たまには自分勝手に自己開示をしてもOK!リーダーシップをとる部下やメンバーに好かれようとしすぎると、コミュニケーションがうまくいかないこともあります。リーダーとしての気遣いはそこそこに自分らしく、自己開示をしてみることもリーダーシップをとるためには大切です。

6:会話が弾む質問の仕方

リーダーシップをとる部下やメンバーがあまり話をしないタイプの場合に使えるスキルです。

質問は会話の基本ともいえますが、会話の冒頭に使う程度としましょう。連発はNGです。質問は部下の発話の機会をなくしてしまうことにもなりかねません。注意してくださいね。

質問は5W

・時間
・場所
・人
・きっかけ
・特徴

について聞いていきます。特徴が難しいかもしれませんね。質問全体を具体的にほり下げていくような内容であればOKです。

質問でリーダーシップスキルを伸ばす

発話技法の基礎

1:5Wで話を膨らませる

発話の基本として。最低限5Wを抑えるようにしましょう。

5wとは以下の5つです。

When・・・時間・時期など説明する
Where・・・場所の特徴
Who・・・人に関わること 人物の特徴など
Why・・・理由、きっかけ 
What・・・どんな特徴があるか

例えば、
部下「どこに住んでいらっしゃるんですか?」

「私が住んでいるのは大曾根です」
時間    1年前から
人     1人暮らし 
場所    事務所まで意外と近くて徒歩5分ぐらい
きっかけ  事務所までのアクセスがいいこと
特徴    電車のアクセスが良くて、名古屋ドームが近くて便利

「私は大曾根に住んでいます。会社までアクセスが良かったので、1年前から一人暮らしをしている。徒歩で野球観戦しに行けるのがいいぞー」

といった感じです。5Wは全部を使う必要はありません。状況に応じて3つくらい交えながら使っていけるとよいでしょう。

発話スキルでリーダーシップスキルを伸ばす

2:自分へ質問法

自分へ質問法とは、自分の中に聞き手を作り、その聞き手から自分に質問をする方法です。

リーダーシップをとる場面で会話を続けていくときに使えるため、話がすぐに終わってしまう!という悩みがある方に、ぜひ取り入れてほしいコミュニケーションスキルです。

例えば
部下「どんなスポーツが好きですか?」
あなた「そうだなー。野球が好きだから東京ドームで試合がある時はよく見に行くよ」

この時に、自分が部下(話し手)だと思って、質問を考えます。

・いままで思い出に残っている試合は・・・
・好きなチーム言うと・・・
・いま気になっている選手と言うと・・・

という感じになります。あとは、話せる範囲で進めていく感じです。

3:感情を話す

ここまで、純粋に話にボリュームを持たせることが目的の発話スキルをご紹介しましたが、発話では、事実に対してどのように感じるのか話すと面白くなります。リーダーシップをとる場面に取り入れていきましょう。

例えば、
「昨日、福岡に出張したときに、支社の○○君が手配した飲み屋がすごく美味しくて驚いたなー。今度福岡に行ったら行くべきだね。あと、お土産も買ってあるからみんなで食べるといい」

発話に苦手意識があると難しいかもしませんが、まずは自分なりに問題を作って、楽しい・うれしいといった感情を入れることができればOKです。

4:感情表現の基礎は笑顔

リーダーシップをとる部下との日常的な発話では、感情表現がとても大切です。中でも「笑顔」は必ず押さえておきたい要素といえます。

笑うことで目の周りの筋肉が萎縮し、うれしい!楽しい!といった喜びの感情が起こされます。

リーダーが笑顔なら、リーダーシップをとるチーム全体の雰囲気が良くなりコミュニケーションも円滑になっていくでしょう。

リーダーシップはコミュニケーションのよる信頼から

リーダーシップについて、今回はコミュニケーション編をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

傾聴スキル、発話スキルいずれも練習を積むことで、自然に使えるようになります。意識して繰り返し練習することで部下との信頼関係を築いて、リーダーシップをより発揮してくださいね。

専門家の講義を受けたい方へ

今回でリーダーシップ論コラムは最後となります。これまで読んでいただきありがとうございました。

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コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★コミュニケーションスキルで部下との信頼を構築!リーダーシップを発揮しよう



傾聴と発話手法で会話を広げていこう