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共感力トレーニング,表情,声の抑揚を読み取る

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共感力トレーニング,表情,声の抑揚を読み取る

共感力コラム①では、共感力を高めるトレーニングとして質問の作り方を紹介しました。今回は、共感力を伸ばす方法「非言語の読み取り」について解説をしていきます。

私たち心理学の専門家はカウンセリングをするのですが、カウンセリングにおいては言葉以外の要素(非言語部分)をしっかり見抜けないとプロとは言えません。

当コラムでは、「表情」「声の抑揚」「しぐさ」の3つの非言語部分を解説していきます。

深い気持ちに共感できる

表情を観察する

表情を観察

1つ目は相手の表情を観察することです。相手の表情を見ることは共感の基本になります。

楽しそう?
喜んでいる?
不満そう?

などなど、相手の気持ちを意識して表情を見るようにしてください。

言葉はポジティブなのに、怒った顔をしている
嬉しいはずの話なのに、悲しそうな顔をしている

など、話の内容と表情にズレがある時は、特に注意が必要です。話の内容だけを受け取ると、コミュニケーションで相手とのズレが増えていきがちです。そこで、話の内容だけでなく、表情をしっかり確認するということを意識しましょう。

皺眉筋で嘘は付けない

表情の中でも、人の本音は「皺眉筋」に表れやすいという特徴があります。眉間のシワがよるのは、皺眉筋(しゅうびきん)と頬骨筋(きょうこつきん)という表情筋に力が入るからです。

この表情筋は感情と直接つながっていて、意識せずとも本音が出てしまうのです。人は、ネガティブな気持ちを抱く時、知らない間に眉間にシワが入ってしまうのです。

相手の気持ちは表情にでる

具体的:皺眉筋の観察

友達が「最近彼氏ができたの…」といったとします。言葉だけで見るとポジティブな内容ですが、あまり嬉しそうではありません。表情を観察すると、皺眉筋にシワがよっていました。こうした状況の時、共感力が無い人は、

良かったね!やったじゃん  

と励ましてしまいます。一方で、非言語の読み取りができる人は、

もしかして不安だったりする? 

と相手の心情によりそった声がけをしていきます。このように、非言語の読み取りができるようになると、相手の深い気持ちに共感できるようになります。

 

声の抑揚を判断する

2つ目に、相手の本音が表れやすいのは「声のトーン」です。声のトーンを観察するだけで、驚くほど共感力を上げることができます。

声のトーンが高くなる

会話にポジティブな印象を持っていると言えるでしょう。「楽しい」「テンションが上がる」など、前向きな感情を持っています。共感するときは、「それは嬉しいね」「実は楽しみだったりする?」「面白いね」など前向きな返し方が多くなります。

声のトーンが低くなる

会話にネガティブで、「しんどい」「話したくない」など、後ろ向きな感情を抱いている可能性があります。共感するときは、「それは落ち込むよね」「悲しいことだったね」「不安だったりする?」などマイナスの言葉を使うことが多くなります。

声のトーンが変わらない

相手の話に抑揚があればOKですが、棒読みのようにトーンの変化が無い場合は、会話に飽きているか、しっかり聞いていないことが考えられます。

もともと声の低い人、抑揚が少ない人もいますので、その人のニュートラルな状態を確認しておくと良いでしょう。

 

相手の気持ちは声にでる

しぐさを読み取る

最後にしぐさについて解説します。私たちカウンセラーは相手のちょっとした仕草にも意味があると考えて行きます。代表的なしぐさとしては以下が挙げられます。

腕組み      → 警戒 困惑
頭を抱える    → 驚き 混乱
髪をいじる    → 退屈 あきた
目をそらす+暗い表情 → 拒否 警戒
目をそらす+微笑   → 照れる 好意
目を見てくる     → 注目 集中している
貧乏ゆすり    → ストレスがある 不快な話題
時計を見る    → 時間への焦り
距離を取って座る → 警戒心 対人不安
距離を近くに座る → 寂しさ 好意 信頼

このようなしぐさから相手の真意を読み取り、解決するような行動がとれると共感力がアップしていきます。

例えば、腕組みをしている人には、「悩ましいことですね…」「考えてしまいますよね…」と声をかけることが増えそうです。

相手のしぐさにはあらゆる意味が含まれていることを意識しておきましょう。

まとめ

非言語の読み取りの練習問題はいかがでしたか。相手の表情や声のトーンから共感を示すことができれば、人に言えないような深い悩みに寄り添うことができます。つい言葉だけで相手の気持ちを判断してしまう…という方は皺眉筋と声のトーン、ぜひ注意して観察してみてくださいね。

しっかり身につけたい方へ

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・共感力トレーニング
・表情,声の抑揚,しぐさの心理学
・共感力をつける,3つの心構え
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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連