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共感力を伸ばそう!心理学のプロが使う

共感力を伸ばそう!心理学のプロが使う「非言語の読み取り」③

コラム②では、共感力を高める方法の1つ「相手視点の考え方を身に付ける」について考えました。「いったん相手になってみる」ことで、少しずつでもいいので、考え方を変えることが大切でしたね。今回は、共感力を高める方法の2つ目「プロが使う共感スキル」について解説します。

非言語を読み取るための2つのポイント

コラム①でもお伝えしたように、私たち臨床心理士は、大学院で徹底的に共感についての訓練を受けます。私たち心理学の専門家はカウンセリングをするのですが、カウンセリングにおいては言葉以外の要素(非言語部分)をしっかり見抜けないとプロとは言えません。共感的理解ができない臨床心理士は、一人前として仕事ができないのです。

そこで私たちがお悩みの相談を受ける際に着目している2つの非言語部分をお伝えします。

 

共感力を高める4つの方法

表情を観察する

1つ目は相手の表情を観察することです。相手の表情を見ることは共感の基本になります。

・楽しそう?
・喜んでいる?
・不満そう?
・怒っている?
・つまらなくみえる?
・納得いかないみたい?

などなど、相手の気持ちを意識して表情を見るようにしてください。「言葉はポジティブなのに、怒った顔をしている」「嬉しいはずの話なのに、悲しそうな顔をしている」など、話の内容と表情にズレがある時は、特に注意が必要です。

話の内容だけを受け取ると、コミュニケーションで相手とのズレが増えていきがちです。そこで、話の内容だけでなく、表情をしっかり確認するということを意識しましょう。
表情の中でも、人の本音は「皺眉筋」に表れやすいという特徴があります。眉間のシワがよるのは、皺眉筋(しゅうびきん)と頬骨筋(きょうこつきん)という表情筋に力が入るからです相手の気持ちは表情にでる

この表情筋は感情と直接つながっていて、意識せずとも本音が出てしまうのです。人は、ネガティブな気持ちを抱く時、知らない間に眉間にシワが入ってしまうのです。

「皺眉筋」では嘘は付けない

コミュニケーションの中で「相手の眉間に力が入っているのに、ポジティブな発言をしていたら」ストレートに話の内容を受け止めるのは危険です。例を挙げると、

例1 飲み会で・・・

「まだお酒飲みますか?」と相手に質問した時に、「飲みます」と答えた時に相手の眉間にシワがあるようなら、「大丈夫?」「キツかったら言ってね」と共感を示す必要があるでしょう。

例2 パーソナルな質問・・・

異性と付き合い立ての頃は、パートナーのことをもっと知りたいと思って様々な質問をしたくなるでしょう。しかし、「ちなみにおいくつですか?」といった少し答えにくい質問をした場合、相手の反応、特に皺眉筋にを観察するようにしましょう。もし皺眉筋が緊張していたら、その質問はNGであることが多いです。逆に皺眉筋がリラックスしていたらOKだと思って良いでしょう。

もちろん皺眉筋だけで判断するのは難しいですが、1つの目安にはなると思います。

「声」から判断して共感しよう

2つ目に、相手の本音が表れやすいのは「声のトーン」です。オーバーに思われるかもしれませんが、声のトーンを観察するだけで、驚くほど共感力を上げることができます。声のトーンをチェックして、相手の本音を汲み取る能力をトレーニングしていきましょう、

・いつもより声のトーンが高くなる
⇒会話にポジティブな印象を持っていると言えるでしょう。「楽しい」「テンションが上がる」など、前向きな感情を持っています。

・ いつもよりトーンが低くなる
⇒会話にネガティブで、「しんどい」「話したくない」など、後ろ向きな感情を抱いている可能性があります。

・ 声のトーンが変わらない
⇒相手の話に抑揚があればOKですが、棒読みのようにトーンの変化が無い場合は、会話に飽きているか、しっかり聞いていないことが考えられます。

相手の気持ちは声にでる

もともと声の低い人、抑揚が少ない人もいますので、その人のニュートラルな状態を確認しておくと良いでしょう。また、声がネガティブでも、あいづちが増えたり、前のめりになって聞いてたらOKの合図です。このように、声に着目することで相手の本音を掴み、共感力を伸ばして行きましょう。

非言語から共感の糸口を探ろう!

それではここから、先ほどの2つのポイントを踏まえて、共感力を高めるための練習問題をやってみましょう!

練習問題
あなたは交際している異性に対して、来週SF映画を観に行こう!とオファーしました。相手は映画を見るのが好きなようです。言葉では、「ぜひ行きましょう」と言ってくれたのですが、皺眉筋には力が入っていて、声のトーンも低めの印象です。

この場合、どのように返すと良いでしょうか?

 

解答例
⇒「あ、SF映画よりもアクションとかの方がいいかな。もしくは・・・(考える動作)何か観たい映画ある?」と、別の映画を振ってみる。

⇒「もしくは、○○ってお店がすごく美味しいから映画よりもそっちの方が良いかも」と、別のデートスポットを提案する。

相手の「ぜひ行きましょう!」という内容をストレートに受け取るのではなく、表情や声のトーンから本音を感じ取り、共感を示していきましょう。相手の気持ちがドンピシャな提案ができるとベストですね。

共感力は努力で改善する

共感的理解の練習問題はいかがでしたか。共感力が低いと周りから言われたり、人間関係でトラブルが多い方は、適度にチャレンジしてみてください。

今回のコラムでは、共感を伝えるためのスキルについて解説しました。注意点として覚えておいていただきたいのは、これらの訓練は、本来プロが行うものです。

過剰に意識すると演技っぽくなってしまったり、ストレスを抱える一因にもなります。気楽にできる範囲内で、努力してみてくださいね。

次回は、共感力を高める方法の3つ目「「感情」と「考え方」を分けて共感」についてご紹介します。

★共感的理解のスキルを適度に取り入れて共感力を高めよう

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「非言語の読み取り」