クレーム対応の基本-電話対応の場合④
当コラムではクレーム対応の方法について解説をしています。全体の目次は以下の通りです。
①クレーム対応のコツ-概観
②直接対応する場合
③メール対応の場合
④電話対応の場合
今回は、電話でのクレーム対応について解説をしていきます。
電話対応の5つのコツ
電話でのクレーム対応の場合、以下の5つのコツがあります。
①傾聴が基本
まずは、相手のクレームをとにかく傾聴することが大切です。特に相手の温度感が高い時は、状況を説明しても聞いてもらえないことが多いです。
そこで、まずはお互いが冷静になるためにも、とにかく傾聴をすることに徹するようにしましょう。
②相槌の打ち方
クレーム対応での相槌は、以下を意識するようにしましょう。
「はい」「ええ」「うん」が基本
「はいはい」など連発はNG
1つ1つを深く打つ
「はい」ばかり連発していると、話を聞き流している印象を与えてしまいます。じっくり、ゆっくり、ふかく、気持ちを込めた相槌を大事にしてみてください。
詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
③言い換えのオウム返し
言い換えのオウム返しとは、相手の話を言い換えて返す方法です。基本的には、相手の感情を拾って言い換えていくのがポイントです。
例えば
「あなたの会社の〇〇さん、すごく雑な接客をされて不快です!」
とお客様が主張したら
「〇〇の態度で不愉快な思いをされたのですね!」
と感情を言い換えることで、共感を示すことができます。
言い換えのオウム返しはクレーム対応の基本中の基本です。より詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
④クレームが正当な場合
クレームが正当な場合は、
「大変失礼いたしました」
「幾重にもお詫び申し上げます」
「大変申し訳ございませんでした」
「ご不快な思いをさせてしまいました」
という用語を使えば問題は起きないでしょう。明らかにこちら側のミスである場合、ごまかさずに素直に謝ることを意識しましょう。
⑤理不尽なクレームの場合
理不尽なクレーム、脅しに近いようなクレームの場合は、毅然とした対応も必要です。その場合は、すぐに謝罪をするのではなく、事実確認をしっかり行います。
また社内でクレーム対応のマニュアルを作成しておき、どこまで対応するかを事前に決めておくことをお勧めします。
電話応対クレームの例
以下、電話対応クレームのNG例とOK例をそれぞれ折りたたんで記載しましたので、気になる項目をクリックしてみてください。
例題「商品が配送中に破損してしまった」
お客さん
「商品が壊れているじゃないか!!」
担当者
「商品名とお客様IDを教えてくだざいますでしょうか?」
お客さん
「ダイコミュ体重計 0077だよ!!」
担当者
「お客様の商品は、配送過程で強い衝撃を受けて破損してしまったようです。お手数ですが、配送業者の連絡先をお伝えしますので、そちらに問い合わせて頂いてもよろしいでしょうか。」
お客さん
「まず謝罪だろ!!配送業者のせいにしてんじゃねぇよ!!」
*解説
NG例は謝罪をそっちのけで、事実確認をしてしまっています。すると、お客さんは自分のクレームを無視されたような気持ちなり、さらに不満を抱いてしまいます。
さらに、クレームを配送業者に丸投げてしまっています。これは、自分は悪くない!という言い訳に取られる可能性が非常に高いです。
また、電話をたらい回しにするとお客さんにとって、ストレスになります。さらなるクレームに発展する恐れがあるため注意が必要です。
例題「商品が配送中に破損してしまった」
お客さん
「商品が壊れているじゃないか!!」
担当者
「左様でございましたか。大変申し訳ありませんでした。よろしければ、商品名とお客様IDを教えてくだざいますでしょうか?」
お客さん
「ダイコミュ体重計 0077だよ!!」
担当者
「ありがとうございます。ダイコミュ体重計ですね。破損していたとのことでしたが、具体的にどのような状態かお伺いできますでしょうか。」
お客さん
「まず、電源を入れてもつかない!(相槌:はい)あとは充電もできない!!(相槌:ええ)こんな対応されるとさ、こっちもイライラしてくるよ。正直。」
担当者
「そうですよね。商品が壊れているとやっぱり怒りも込み上げて来ますよね。(言い換えのオウム返し)」
お客さん
「当たり前だよ!どう対応してくれるんだよ」
担当者
「この度は大変申し訳ありませんでした。私どもの梱包方法に不備がありました。お客様の商品は配送過程で、強い衝撃を受けて破損してしまったようです。すぐに新しい商品を配送いたします。この度は、ご不快な思いさせてしまい大変申し訳ありませんでした。(謝罪の言葉)」
*解説
しっかりと、最初に謝罪をしており、お客さんのクレームを受け止めています。また、配送業者に責任を押し付けることもなく、自分の不備をしっかりと説明しています。
その後のフォローも説明しているため、お客さんも安心しやすいです。
まとめ+お知らせ
まとめ
電話でのクレーム対応は、その場その場で冷静に対応しなければなりません。そこで、相手の話を傾聴したり、相槌を活用しながら、落ち着きを取りもどすことが大切です。
また、落ち着きを取り戻したら、相手のクレームが正当かどうかを判断していきましょう。それに応じた対応をする形となります。社内でロールプレイングを頻繁に行い、実際にクレームがあった時にスムーズに対応できるようにしましょう。
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