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アイデンティティを確立する方法,ライフチャート法‐

アイデンティティを確立する方法,ライフチャート法

アイデンティティ確立,拡散について解説してきました。ここからは実際にアイデンティティを確立する方法を解説していきます。

今回は「過去の自分を受け入れる,ライフチャート法」についてお話していきたいと思います。

過去を受け入れる

連続性とは何か

皆さんは
・過去の自分を忘れたい
・後悔することが多い
・自分の過去はろくでもなかった

こんな感覚はありませんか?アイデンティティの確立には

「自己斉一性」
「連続性」

という重要な概念があります。連続性とはすなわち、自分の人生が今の自分を形創ってきたという感覚です。人生を振り返ってアイデンティティの確立を

これまでに起きたいろいろな体験を自分なりに意味を付け、色々失敗もあったけどそれが今の自分の糧になっていると感じらるようになると、安定したアイデンティティを確立することができます。

・過去があったからこそ今がある
・後悔せずに生きてきた
・自分の過去は失敗も成功も含め
 自分らしいものだった

こういった感覚を自己斉一性,連続性と言います。

心理学的な研究をもう少し知りたい方は下記をクリックしてみてください。

充実感との関連

谷(2001)は、390名の大学生を対象に「自己斉一性」と「充実感」と関わりも調査しました。自己斉一性とは連続性とほぼ同じ概念で、過去の自分を受け入れることを意味します。

その結果、自己斉一性と「一般的充実感」や「自信」と関連が見られました。

このことは、過去の自分を受け入れていくことが、精神的な健康やアイデンティティを確立した際の前向きな気分を生み出すこと示したと言えるのではないかと思います。

人間関係との関連

山本・岡本(2008)は大学生180名を対象に、谷のアイデンティティを測る質問紙と対人関係の態度との関連について調査を行っています。

その結果、男性と女性ともに自己斉一性と、人付き合いに対して消極的な傾向を示す「閉鎖性・防衛性」との関連が示されました。男性は-.61、女性は-.28でした。

自分を見つけよう

このことは、過去の自分を受け入れることがあまりできていないと、他者と積極的にかかわることが難しい傾向があることを示しています。

これまでの自分に自信がないと、人との関わり方にも迷いが生じてしまい、結果的に対人関係を避けてしまうと考えられます。

 

ライフチャートを使って

それでは実際に、過去に意味つけをするワークを行ってみましょう。今回は「ライフチャート」を作成して人生を振り返ってみます。

*注意-ある程度心の余裕があるときにしてください

ライフチャート

まずは下記のように図を書いてみましょう。

アイデンティティ 心理学

あなたの人生を振り返って、100%~-100%の数値で表していきます。

これには、みなさんそれぞれの人生に対する思いや意味付けが現れます。そこからさまざまな質問などを通して、いろいろ振り返ってみてほしいのです。

【記入例】

自分の軸を決めよう例えば、33歳の人であれば、こんな感じで途中までで結構です。

ライフチャートが書けたら、自分で書いてみたこのライフチャートをよく眺めてみてください。様々な思いが浮かんだかもしれません。

自分との対話

ここから、色々質問をしますのでライフチャートを確認しながら、自分の中で対話をしてみてください。

今回は解答例はあえて設けません。自由に答えてください。あなたが思い浮かんだことすべてに意味があるのではないかと思います。

質問
①まずは全体をみてみて、感じたことを、ありのままお話ください。


②これまでの人生の中で1番誇りを持っていることは何でしょうか?


③皆さんがこれまでの人生で、1番幸せに感じた出来事は何でしょうか?


④落ち込んだ時期があるからこそ、役に立ったことはありませんか?


⑤これからどのような人生を歩みたいですか?

自分の価値を見つけよう

体験を整理して確立を

ナラティブアプローチ

質問を元に振りかえってみていかがでしたか。

自分の物語を安定して語れるようになるということは、それだけ自分が活き活きと安定した暮らしを送れているということなのです。

これはナラティブ・アプローチという手法をとっています。

誰かにお話しするのも重要

今回は自分の中で対話していただきましたが、聞き手がいるとまた違ってきます。相手に話すときに、話しながら自分の体験が自然と整理されていきます。

そして相手に感想などをもらうことで、自分自身が新たな気づきを得られることがあります。

ぜひ気持ちに余裕が出てきたら、誰かに話しを聞いてもらってみてくださいね♪

過去を受け入れた体験

例えば、当コラム監修の公認心理師川島は過去に引きこもりの経験がありました。

もう20年前ぐらいになりますが、当初は引きこもっていた自分が大嫌いでした。自己開示もできず、人が怖い状況になっていました。

その後、自分と向き合い、回復してからは、過去の自分があったからこそ、今の仕事と出会うことができたと、受け入れられるようになりました。

今は、過去の経験を大事にして、生徒さんに当時の話などもしています。

過去を受け入れることは簡単なことでは無かったのですが、今はとても充実しています。

お知らせ♪

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Erikson.E.H(1950) Childhood and society. New York: Norton.(仁科弥生(訳)1977,1980 幼児期と社会1・2 みすず書房)
谷冬彦(1997) 青年期における自我同一性と対人恐怖性心性 教育心理学研究 45号3巻 254-262
岡本祐子(1994)成人期における自我同一性の発達過程とその要因に関する研究 風間書房