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話し方教室の「資格商法」の見分け方,被害者

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話し方教室の「資格商法」の見分け方,被害者③

当コラムは「話し方教室」について解説をしているコラムです。全体の目次は以下の通りです。

①話し方教室の分類と長所・短所
②講師を選ぶコツとは?
③危険!資格商法に要注意
④効果のある講座の基準とは
⑤話し方教室で騙された話

今回は「資格商法」について解説します。高額で効果の薄い講座に引っかからないようにしましょう。

資格商法とは何か?

資格商法とは何か?

まずはじめに資格商法とは何かについて抑えておきましょう。資格商法とは

専門性の薄い資格について対して過大な評価をアピールすることで、高額な授業料、高額な資格取得費を取る商法

を意味します。サムライ商法と呼ばれることもあります。

資格商法の被害

「警察白書平成8年」によると、平成7年の資格商法に係る事犯の検挙は、以下の通りです。

・事件数  5事件
・検挙人員 39人
・被害額  約14億円

5つの事件で被害額が約14億円に上るということは、相当高額な資格講座であったと予測できます。このように資格商法は一歩間違えば、個人の人生を崩壊させてしまうことにもつながります。

 

被害の実例

実際に資格商法の被害に遭った実例を見ていきましょう。下記は平成7年北海道で発生したものです。

国家試験講習会の運営会社の社長は、中小企業経営者を対象に架空の資格に関して、

近く国家資格となる。今回に限り講習を受講すれば簡単に資格が取れ、月々20万円の副収入が得られる。

などと嘘をつき、約2,000人から講習受講料の名目で約7億7,000万円を騙し取りました。8月までに、詐欺で26人を検挙(うち逮捕6人)となりました。

 

資格商法NG!6つのポイント

NGな資格の特徴を列挙します。当てはまる項目が多いほど資格商法である可能性が高くなります。

①短期間で発行

資格商法は高額であることがほとんどです。彼らの目的は短期間でいかに高額のお金を搾り取るかに焦点があります。

そのために長期間懇切丁寧に教えることはなく、短期間で一気に代金を聴取するビジネスモデルになります。

 

②高額である

研修に30万円以上かかり、かつ5日前後で取得できるような資格は要注意です。資格商法は一般的に3段階で設定されていることが多いです。

1段階目、5万円前後
2段階目、30万円前後
3段階目、100万円以上

3段階目は資格の名前を使用して開業できるなどの条件が設定されていることがあります。

 

③試験がザル

資格試験のほとんどは試験内容がザルです。試験を作成するのは大変な労力がかかるので、そのような面倒なことはしません。そもそも試験問題を作るようなレベルの講師がいないことが多いのです。

受講しさえすれば、自動的に資格が発行されるようなものは注意しましょう。

 

④責任者に科学的根拠なし

資格講座の中でも、科学的根拠がないものは基本的にNGです。

特に話し方系講座は有象無象で、

・個人的な体験
・スピリチュアル系
・やればできる系

など根拠の薄いものが乱立しています。そのため、良い資格講座を選ぶ際には、科学的根拠が担保されているか?という点に注目しましょう。

 

⑤母体に学会がない

資格講座の中でも母体に学会がない場合は、注意が必要です。根拠がしっかりとした話し方系の理論であれば、学会が設立されているはずです。

学会がないもの=科学的な研究をしていないとなりますので、信憑性が薄いと考えられます。

良い資格講座を見つけるためには、まずは学会から探していくのもOKです。

 

⑥強引なハク付

資格商法の特徴としては、強引に権威をアピールすることです。平たく言えば、なんとなく凄そうな名前の資格を発行して、お客さんを集めようとします。

例えば、

・内閣府認証〜
・米国〇〇△△
・一般社団法人認定〜

などは怪しいと考えましょう。内閣府認証は、さも内閣が認証した資格に見えますが、国家資格ではありません。ほぼ否認されることがない、NPO法人の設立を内閣が認定しただけです。

また、一般社団法人なども一見信頼できそうな感じかしますが、設立が簡単で株式会社よりも手続きが楽です。このように、なんか凄そうな資格名や強引なハク付には注意が必要です。

 

話し方教室で35万円ボッタクラれた!

さてさて実は私自身、この仕事を始める前に本当にたくさんの講座に参加しました。多分日本中探しても私よりたくさんの講座に出た方はいないでしょう笑。おかげさまでめちゃめちゃお金を使いました。

6日ぐらいの研修で35万払ったこともあります。なぜか資格をくれたのですが、その資格を使って先生をしている人もいて、ねずみ講みたいなもんでした。資格いらないのでお金返してください(TT)

手っ取り早い資格

・ハクをつけたい
24歳の私は、会社を辞め、コミュニケーションに関する仕事を一生続けようと誓いました。しかし、私は心理療法についての自分なりに実践してきましたが、資格は何も持っていませんでした。

そこでいろいろと調べてみるとコミュニケーションや心理学に関する資格がたくさんあることに気が付きました。とにかく箔をつけたいとあせっていた私は、それらの資格に飛びつくことになります。

・NLPに出会う
具体的にはNLPというものがありました。なんだか名前がかっこいい!そう感じた私は、NLPの資格を取る講座に応募しました。この研修確か6日で35万ぐらいの研修だったと思います。

私はなけなしの貯金をはたいて講座を受けることにしました。

 

妙な高揚感

 いざ研修を受けてみると、内容がグレーな研修でした。例えば、講師がこんな調子で問いかけをしてくるのです。

みなさんテニスボールは3つ縦に重ねることができるでしょうか?一見できなそうですね。しかし、時間をかけるとできるようになります。

講師はそう促します。そうして、用意されたテニスボールを3つ重ねようと努力すると確かに3つ縦に重ねることができました。そして講師はそう続けます。

ほらね。テニスボール3つ重なったでしょ。実はこれ人生に言えることなのです。できないと思うことも、チャレンジしてみると、実はできることがある。皆さんは実は可能性に満ちているのです

こんなやりとりが続きます。そしてなんだか教室の中に妙な一体感と高揚感が出てくるのです。1日目はこんな感じのワークをいくつか行いました。1日換算すると5万円でした。

高いなあと感じつつも、今更引き返すこともできないですし、資格がほしいです。私は継続して受講することにしました。

 

資格発行手数料と悪しき構造

6日で35万円の研修が終わりました。一部なるほど!と感じたものもあったのは事実です。しかし、全体的に疑問の多い講座でした。

中身のない資格取得

私はNLPプラクティショナーという資格をもらえることになりました。なんだかかっこいい名前ですが、実質はスカスカの資格です。

この資格は証明書が必要で、証明書の発行料が確か3万円とかでした。さらに何年間かで更新しなくてはならないのでその度にまた手数料を払わなくてはならないという香ばしいシステムになっていました。

セミナーが終わると、さらに上のステップで、マスターコースというのを紹介されました。そちらも35万円ぐらいで6日の講座だったと思います。

 

講座を受講して分かったこと

さらにその上には100万円ぐらいで得られる、コーチ?セミナーのようなものもありました。最後まで受講すると、NLPの講座を開けるというシステムになっていました。

NLPの講座を受講したことで分かったことは以下の点になります。

・研修100時間で高額のセミナーを開ける
・全て受講すると200万ほどかかる
・試験不要で独立したいビジネスマンが飛びつく
・トラウマの解消を心理学の素人が教えている
・結果、粗悪な講座が拡大していく

ちなみに、同じ心理業界で、代表的な資格は臨床心理士や精神保健福祉士があります。臨床心理士は、目安ですが3000時間程度、精神保健福祉士は1000時間程度は学習時間が必要です。しかし、悲しいことに

・臨床心理士
・精神保健福祉士
・米国神経言語プログラミング NLPプラクティショナー

と一般の人が見ると、なんだかNLPのほうがすごく見えてしまうのです。しかし、臨床心理士は、経済や経営学の勉強を全然していないので、せっかく技術が高いのに、認知度がめちゃめちゃ低いのです。

 

話し方教室×資格=NG

基本的には話し方教室で簡単に取れるような資格を発行している場合は「NG」だと考えておくと良いでしょう。大事なお金を失わないように気を付けてくださいね。

次回は、「話し方教室の効果」について解説します。お楽しみに!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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