傾聴力を高める⑤「自己開示」
当コラムでは傾聴トレーニングを体系的に解説しています。
①傾聴力を磨く方法・基礎練習
②事実のオウム返し
③感情のオウム返し
④言い換えのオウム返し
⑤自己開示
⑥肯定返し
⑦5W質問
⑧感情質問
⑨間の取り方
コラム4では、言い換えのオウム返しを紹介しました。相手の言葉を言い換えてそのまま返すだけですが、繰り返し使っても自然な印象になる便利な傾聴スキルでしたね。
今回は自己開示を解説します。傾聴は相手の話を聞くだけ…というイメージがあるかもしれません。しかし、あなた自身の自己開示をすると会話が膨らみ相手が話しやすくなります。
自己開示のスキルを身につけて、聴き上手を目指していきましょう!
「自己開示」とは?
自己開示
早速、自己開示のトレーニングをスタートしましょう。以下の発言について、自己開示を入れた傾聴例を見てみましょう。
私は、滋賀県の出身です。北陸地域に近い自然豊かな地域です。
回答例
滋賀県出身なのですね!(オウム返し)
私は、愛知県名古屋市の出身です。車やビルが多い市内の中心部で育ったので、自然豊かな場所には憧れがあります(自己開示)
このように相手の自己開示をまずは軽く受け止めて、自己開示を合わせていくと好印象です。
もう一つ見てみましょう。
滋賀県のソウルフードといえば「サバそうめん」です。サバの煮汁で茹でたそうめんはモチっとして美味しいです。
回答例
サバそうめんが郷土料理なんですね!(言い換えのオウム返し)
私のソウルフードは味噌煮込みです。熱々のスープに少し固めの麺が入っているのが特徴で、寒い日には体の芯から温まります。(自己開示)
いかがですか。このようにオウム返し+自己開示で回答をすると会話も弾みます。
ある程度自分勝手でOK!
自己開示には3つ効果があります。
会話がふくらむ
自己開示であなたの人となりが分かり、相手はもっと話しやすくなります。
わがままでOK
自己開示は、人間関係を築くには欠かせません。ある程度自分勝手でOK!の気持ちで自己開示することで、互いの気疲れも緩和されていきます。
親密度を高める
相手の発言に対して「事実+感情」を織り交ぜる事で、互いの親密度や信頼感を高める効果があります。
自己開示-練習問題
自己開示のポイントがわかったところで、練習問題に取り組んでいきましょう!
練習問題
以下の発言について、自己開示をしてください。
① 私が好きな場所は海です!毎年10日ぐらいは海に行っています。魚を釣ったり、泳いだりするとストレスが解消できます。
② 私が好きな寿司ネタはエンガワです。適度に脂がのったエンガワは歯ごたえがあるのでよく食べています。
③ 私は看護師をしています。勤続8年目で一通りできるようになってきました。毎日大変ですがやりがいがありますよ。
↓
さあ、
考えてみてくださいね!
↓
それでは、
解答例を見ていきましょう。
① 私が好きな場所は海です!毎年10日ぐらいは海に行っています。魚を釣ったり、泳いだりするとストレスが解消できます。
↓
海が好きなんですね!
私も海が好きなので、毎年夏には遊びに行っています。今年はスキューバーダイビングをたっぷり楽しみたいと思っています。
② 私が好きな寿司ネタはエンガワです。適度に脂がのったエンガワは歯ごたえがあるのでよく食べています。
↓
エンガワ、美味しいですよね!
私は「いくら」が好きです。プチっとした食感が気に入っています。お寿司屋ではいつも5皿以上食べています。
③ 私は看護師をしています。勤続8年目で一通りできるようになってきました。毎日大変ですがやりがいがありますよ。
↓
看護のお仕事をされているんですね!
私はWEBデザイナーをしています。進歩が早い業界なので日々の勉強は欠かせませんが、楽しさとやりがいがあって好きです。
練習はいかがでしたか。自己開示は、気遣いはそこそこでOK!自分勝手を大事にして会話に取り入れてみてくださいね。
注意点
自己開示には注意点もあります。それは、話を奪いすぎないことです。
ここまで自己開示は、ある程度わがままでOK!とお伝えしましたが、自己開示はあくまでも傾聴スキルです。傾聴する姿勢を大切にしてしてください。
会話はバランスが大切です。当コラムで紹介している傾聴スキルを組み合わせながら、自己開示をしてみてくださいね。
①傾聴力を磨く方法・基礎練習
②事実のオウム返し
③感情のオウム返し
④言い換えのオウム返し
⑤自己開示
⑥肯定返し
⑦5W質問
⑧感情質問
⑨間の取り方
仕上動画
当コラムは動画をみてから進めると理解が進みます。動画を見る環境がない方は飛ばして読み進めてください♪
次回は、言葉を使った傾聴スキルから「肯定返し」をご紹介します。引き続き傾聴力を伸ばしていきましょう!
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