アイコンタクトが苦手になる2つの原因②
コラム①では、アイコンタクトへの苦手意識について概観していきました。繰り返しになりますが、今回は軽くおさらいしていきましょう。
アイコンタクトの効果や適度な時間が重要なことが理解できたものの、アイコンタクトは気恥ずかしくて苦手な方も多いと思います。アイコンタクトが苦手な人には2つの心理が原因になることが多いと言えます。
1:自分の視線が相手を不快にする
こんなお悩みの方は注意
・自分は目つきが悪い
・視線が攻撃的だ・・・
・釣りあがっているのがコンプレックス
・目が合うと相手に迷惑をかける
これらの感覚がある方はアイコンタクトに苦手になりやすいです。目線や視線が鋭いと感じるあまり、アイコンタクトをすると相手が怖がってしまうのでは考えてしまうのです。
全体として調査があるわけではないですが、現場レベルでは、アイコンタクトが苦手な方のうち、10%ぐらいがこの症状に当てはまると考えています。
ほんんどの方は軽度のお悩みですが、重篤になると、加害性視線恐怖という症状にも結びつくこともあります。全く目を合わせることができず、人と関わることができないというレベルの方は、カウンセリングや医療機関に相談するのもよいでしょう。
非現実的になっていないか確認
自分の目線が相手に迷惑をかけるという感覚が強い方は、認知療法がおすすめです。認知療法とは、自分の考えを現実的にしていく心理療法です。大概の場合は、自分の目線が相手に迷惑をかけるというお悩みは、非現実的なことが多く、現実的に考えることで解決されることが多いのです。
有名人で結構こわもてで、鋭い目線をしていても、成功している方はたくさんいますよね。目つきだけでなく、私たちは様々な情報からその方のことを判断しているのです。
2:相手の目線が怖い
こんなお悩みの方は注意
・自分に自信がない
・顔に自信がない
・注目をあびたくない
・失敗したくない
このように自分を肯定的に評価できない状態では、人から見られると卑下される気がして注目を浴びたくなくなります。また周りからどう見られているか?を常に考える方ほど、アイコンタクトは苦手になりやすいです。
アイコンタクトが苦手な方のうち、90%ぐらいがこの症状に当てはまると考えています。この人からの目線を気にする症状は、放っておくと対人恐怖症に結びつくのでかなり注意が必要です。
公的自己意識から私的自己意識へ
堀井(2001)の研究によると、他人の目を気にしたり、周りに馴染めない人ほど、私的自己意識が低く、公的自己意識が高いことが分かりました。
公的自己意識とは・・・他人の目を気にする
私的自己意識とは・・・自分がどうありたいかを大切にする
以下の図を参考にしてみましょう。図の見方としては、数字が大きいほどその悩みが大きいと解釈していきます。
こちらは女子の結果ですが、男子でも他人の目を気にする人は私的自己意識が低く、公的自己意識が高いという結果が報告されています。
この結果から推測できることは、相手の目を気にしすぎるのではなく、自分がどうしたいか?を素直に表現していくと自然なアイコンタクトに結びつくことができそうです。例えば「嫌われてはいけない」と考えるのではなく「〇〇さんの話をもっと聞きたい♪」という感覚でアイコンタクトをするイメージですね。
人の目を気にするという感覚がつい方はこちらの「公的自己意識コラム」も参照ください。
まとめ
上記のように、アイコンタクトが苦手な方は、自分の目へのコンプレックス、注目を浴びたくないという気持ちが大きい場合に起こりやすいと言えます。後程詳しい改善策もお伝えしますね。
次回は、「アイコンタクト診断」についてご紹介します。
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目次
①心理的に抜群のプラス効果
②苦手になる2つの原因
③視線恐怖をチェック
④自然なアイコンタクト4つ
⑤「こだわり」を減らしてみよう
⑥自己肯定感を高めよう
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