相槌を打つ11の方法,種類や心理
皆さんこんにちは。コミュニケーション教室を開催している公認心理師の川島達史です。当コラムは下記にあてはまる方におすすめです。
・「うん」しか出てこず会話が続かない
・相槌が単調で適当だと思われる
・タイミングがズレて会話を止めてしまう
当コラムを読み進めていくと、相槌の基本的なやり方をおさえることができると思います。是非最後までご一読ください。

相槌とは?意味と効果
相槌の定義
そもそも相槌にはどのような意味があるのでしょうか。大辞林によると相槌の意味は以下のように掲載されています。
相手の話に調子を合わせてする応答
相手の話に何かリアクションをすること全般を相槌と捉えてよさそうですね。相槌の語源は、刀鍛冶で、師匠が槌を打つ合間に、弟子が槌を打つさまから来ていると言われています。
相槌の頻度と性差
前田ら(2003)[1]は、12名を対象に、会話場面のやりとりを、あいづち以外、あいづち、うなずきに分類をして、映像分析ソフトを使用して調査を行いました。具体的には1つのテーマについて5分以内で話し合うものでした。その結果の一部が下図となります。
こちらはある会話の課題が終了するまでのペア同士のあいづちやうなずきの量となります。男女差を把握する研究ではなく統計的には検討されていませんが、上記を見ると、男性同士の会話は比較的あいづちやうなずきが少なく、女性は多いことがわかります。
補足として、筆者は社会人向けのコミュニケーション講座を開催していますが、相槌やうなずきはかなり個人差があると経験的に把握しています。この点は訓練でかなり改善するのでぜひ練習したいところです。
詳しいデータについては以下の折りたたんで解説しました。中味を知りたい方は参考にしてみてください。
相槌と信頼関係の構築
相槌をしっかり打つとお互いの信頼感が向上します。言語学者の大塚(2011)[2]は、相槌の心理的な効果を分析しました。
初対面の学生6名を3名ずつ2グループに分け
約30分間グループごとに共通テーマで会話
参加者のあいづちの種類と使用数をチェック
そして、グループでの会話について
・うまくできたか
・会話は楽しかったか
・相手に好感が持てたか
のについてアンケート調査を行いました。その結果が下図の図です。
グラフの意味をまとめると、
グループ1
・相槌が多かった
・3人のうち1人が聞き役になっている
・最終的に信頼関係が構築できた
グループ2
・相槌が少なかった
・聞き役がいなかった
・最終的に信頼関係が構築できなかった
といった感じになります。お互いしっかり相槌を打つことが、ラポールを形成する大きな要素になると言えます。
詳しいデータについては以下の折りたたんで解説しました。中味を知りたい方は参考にしてみてください。

相槌が上手くなる方法11選
ここからは実践的に相槌がうまくなる11の方法を解説していきます。
①はいの使い方
②ええの使い方
③うんの使い方
④はい・ええ・うんを組み合わせる
⑤速度を合わせる
⑥感情を合わせる
⑦首の振り方
⑧体の向き
⑨バリエーションを増やす
⑩相槌+言い換え
⑪相槌+肯定
上から順に初心者向けで、下に行くにつれて上級者向けとなります。ご自身のレベルに合わせて、活用してください。
①はいの使い方
私たち心理職は、「はい、ええ、うん」をまずは徹底的に練習していきます。まずは「はい」から解説していきます。
「はい」丁寧な場面、目上の人に使う相槌です。
このまえさあ~
「はい」
実はね…
「はい…」
出張で札幌に行ってね。ラーメンがおいしかったなあ
「はい~!ラーメンおいしいですよね~」
こんなイメージです。あまり多用すると単調になり、印象が悪くなることがあるので連発は避けましょう。
②ええの使い方
ええは万能な相槌です。ええは相手の会話の邪魔にならないので、いつでも使えます。
実はね…
「ええ…」
昨日奮発してウナギを食べました~
「ええ⤴ウナギ!」
あなたはどう思いますか?
「ええ、私もそう思います」
こんなイメージですね。真面目な関係で使うと良いでしょう。
③うんの使い方
うんも万能な相槌です。ええと同じく相手の会話の邪魔にならないので、いつでも使えます。
ラーメンの中でも味噌ラーメンが大好きでして
「う~ん⤴味噌かあ!」
あなたはどう思いますか?
「う~ん、実は私も
そう思っていました。」
最近、仕事がうまく行かず悩んでいます。
「うんうん…そうかあ…
いま大変な時期なんだね…」
こんなイメージですね。うんは言い方1つで様々なバリエーションがあるのが特徴です。筆者の川島はうんが一番多いですね。比較的フラットな関係でよく使います。ただし、「うん」は上下関係に厳しい人は馴れ馴れしく感じ方もいるので注意が必要です。
ここまで紹介した、はい、ええ、うんは相槌の基本です。相槌が苦手な方は、まずは一つずつ練習してきましょう。
④はい・ええ・うんを組み合わせる
はい・ええ・うんはそれぞれ万能ですが、一つだけを使い続けると単調になってしまいがちです。
一つずつ使えるようになったら、複数を組み合わせて使いこなしましょう!
「はい」…相手の話…
「ええ」…相手の話…
「え、そうだったんですか!」…相手の話…
「うんうん」…相手の話…
「え〜!素敵ですね!」…相手の話…
このように、はい・ええ・うんをベースにリアクションを取ると、さらに印象がよくなりそうですね。
⑤速度を合わせる
相槌を打つ際は、速度にも気をつけましょう。目安は相手の発言と大体同じぐらいにするといいでしょう。
例えば相手が早口で話すタイプの場合は、相槌も早めでOKです。逆に相手がゆったり話す方の場合は、相槌の数は少なめにして、穏やかにゆっくり返していくと安心感が出てきます。
⑥感情を合わせる
相槌を打つ際は、表情や声の抑揚も重要です。無表情で淡々と返してしまうと、すごく嘘くさい相槌になってしまいます。
楽しい会話の時は楽しい表情で返す、悩みを相談された時は神妙な面持ちで返すなど、相手の感情に合わせて返すのが基本になります。感情表現が苦手…と感じる方は以下のコラムを参照ください。
⑦首の振り方
会話をしていると首を一切動かさずに相槌を打っている方がいます。これは印象が非常に悪いです。会話の相手がきちんとこちらを見て、穏やかな表情をしながら、うなずいてくれるだけで私たちは暖かい気持ちになります。ゆったりと首をふって相槌を打つように心がけましょう。
注意点として、キツツキのように首を振ると逆効果になってしまいます。また、遠近両用のメガネをかけている方、酔いやすい方などは、相槌をうつと疲れることがあります。あてはまる方は、話の要所要所で軽く目を瞑って大きく頷くなど、工夫してみましょう。それだけでも相手の言葉を受け取ろうとする意識は相手に伝わるものです。
⑧体の向き
言葉や表情で相槌がうまい方でも、身体があさってを向いている方がいます。姿勢や体の向きも、非言語コミュニケーションの一つです。体は相手の方へ向けて、「あなたの話を聴いてますよ」というメッセージを伝えるように心がけましょう。
⑨バリエーションを増やす
はい、ええ、うん、は相槌の基本ですが、それ以外にも相槌はたくさんの種類があります。
「さすが」
「知らなかった」
「すごい」
「やるじゃん」
「そうなんだ」
「やばいじゃん」
「面白そう」
「興味あります」
「楽しそう」
「わかります」
「なるほど」
「へ~」
「ほ~」
「なんと!」
「ほんとに?!」
「マジで?」
「おお~っ!」
「ああ~!」
引き出しが多いほど豊かな会話になります。是非たくさんの相槌でにぎやかな会話を目指しましょう♪
⑩相槌+言い換え
相槌には、言い換えの言葉を添えるとより効果的です。具体的には、相手の発言を少し言い換えて返すと会話が弾みやすくなります。
ラーメンでも食べにいくか?
「う~ん⤴いいですね!麺類食べたい♪」
最近、仕事がうまく行かず悩んでいます。
「ええ…?問題を抱えているんだね…」
このように、相槌だけでなく、相手の発言を少し言い換えて返すと、きちんと受け止めてくれているイメージになります。
⑪相槌+肯定
明るい会話の場合は、相手の発言に肯定的なメッセージを加えると好印象です。
実家は鳥取県です。自然が豊かです。
「おお~鳥取ですか!
自然が豊かだと心も癒されますね」
最近、思い切って伊勢丹で傘を買いました。
「ええ!興味あります。どんなのですか?
雨の日が楽しみになりますね。」
相手の発言を返すときは、最後をプラスで終えるとすごく印象が良くなります。相槌に加えることを是非意識してみてください。
NGな相槌と注意点
最後に、印象が悪くなりやすい相槌も確認しておきましょう。
相槌の連発
相手の発言に対して、「はいはいはい」「うんうんうんうん」と返すのは印象が悪いです。すでに自分は知っていることだという意思が伝わってしまい、相手の発言を軽く扱っている印象になってしまいます。はいの連発には基本的には、気をつけるようにしましょう。
過剰な太鼓持ち
特に礼儀正しい方に見られるのですが、相手の発言に対して「ありがとうございます」「おっしゃるとおりでございます」を連発する方がたまにいます。一見丁寧に見えますが、感謝の言葉を使いすぎると、防衛的に見えますし、その言葉の価値が落ちてしまうので、気をつけるようにしましょう。
時代の流れを読む
相槌は、その時代ごとに、NGのはやりが変わってくる特徴があります。筆者はそこまで気にしないのですが、神経質な人は以下の相槌を嫌うことがあるので、参考にしてみてください。
なるほど
→目上の人には失礼
確かに
→相手によって上から目線と感じる
そうなんですね
→話題に無関心な印象を与える
そのままオウム返し
相手の発言に対して、そのままオウム返しをすることは、たまにはOKですが、連発をすると印象が悪くなります。
住んでいるところは横浜です
→「へ~住んでいるのは横浜なんだね」
そうなんです。駅から10分ぐらいです
→「駅から10分かあ」
このようにオウム返しをすると、相手は違和感を感じるだけでなく馬鹿にされているような気持になります。オウム返しは、有効なのですが、適度に言い換えて返す、自己開示、肯定的に返す、質問を入れ、連発しないように気をつけましょう。例えば以下のような返し方が挙げられます。
住んでいるところは横浜です
→「横浜ですか!うらやましいです。
たまに買い物に行きますよ。」
ありがとうございます。駅から10分位です
→「お~!駅近なんですか~」
まとめ
相槌はコミュニケーションの土台です。会話が苦手な人はかなりの確率で相槌が苦手です。練習すると改善しやすいスキルなので、是非日常生活でもしっかり相槌を打つ意識を持ちましょう。皆さんが温かい人間関係を築かれることを願っています。
相槌を本格的に学ぶ講座
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・相槌の打ち方を専門家から学ぶ
・相槌上手になる,傾聴トレーニング
・共感力をつける,トレーニング
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2件のコメント
















上記の図でわかるように、
相槌嫌いさん こんにちは。相槌については、やり方次第では確かに不快になってしまうと思います。
「うんうんうんうん」
激しく首を縦に振る
これは専門家のカウンセリングでもNGです。
一方で相手の発言の邪魔にならないように
穏やかにうなずいたり、
首をゆったり動かすのは安心感を与えます。