コミュ力を上げる,鍛える方法
皆さんこんにちは。コミュニケーション教室を開催している公認心理師の川島達史です。私は心理学の大学院で成人の会話について研究をしてきました。その後、2006年からコミュニケーション講座を開催しています。
当コラムはそんな私のフィールドワークであるコミュ力について、最低限押さえるべき知識やスキルをお伝えします。最後まで読むとコミュニケーション能力の全体像と、トレーニングメニューを理解することができます。是非最後までご一読ください。
◆全体の目次
①コミュ力の基本と2つの目的
②傾聴力を高める方法
③発話を上達させる方法
④非言語で印象を高める
⑤対人不安と心理改善
⑥コミュ力を鍛える講座
コミュ力の基本と2つの目的
まずはじめに、コミュ力の土台となる基本的な方針をおさえましょう。
コミュニケーションと2つの目的
私たちが、コミュニケーションをするとき、その目的と必要なスキルは大きく分けて以下の2つがあります。
<問題解決のため>
・社会問題を解決する
・商品を企画する
・ケガや病気を治す
<必要なスキル>
・論理的に話す
・根拠を示す
・因果関係を明確にする
・建設的に議論する
<人間関係を築くため>
・仲良くなる
・信頼関係を構築する
・恋愛をする
・親孝行
<必要なスキル>
・感情をくみ取る
・共感する
・愚痴を聞く
・楽しい話をする
・笑顔で話す
・冗談を言う
私たちはこの2つの目的に応じて、コミュニケーションのやり方を柔軟に変えていく必要があります。
あなたのタイプは
ここで皆さんに質問があります。あなたの友人が、
「昨日会社に遅刻したんだ・・・
怒られて悲しい・・・」
と話しました。あなたはどのように返しますか?直感的に答えてみてください。
考えてみましたか? 次に、以下の2つの発言のどちらに近かったか?判断してみてください。
「どうして遅刻したの? 何分遅れたの? ペナルティとかあるの?」
いかがでしょうか。このような質問に近い方は、問題解決型のコミュニケーションを好むタイプです。
「怒られると辛いよね。 結構落ち込んでるの? たまには遅刻しちゃうよね。」
このように相手の心情によりそうような言葉がけが思い浮かんだ場合は、人間関係型のコミュニケ‐ションを好む方と言えます。
正解は後者
今回の事例では正解は後者になります。なぜなら今回は友人は辛かった気持ちを分かってほしい…という人間関係構築型のやり取りをもとめているからです。前者の言葉が最初に思い浮かぶ方は、おそらく様々な場面で冷たい対応になってしまうので、要注意です。
ただし、前者の問題解決型の返し方が正解になる場面もあります。例えば、仕事上の上司と部下の会話であればOKです。なぜならビジネスにおいては遅刻が致命的な問題につながってしまうからです。
人間関係に特化
このようにコミュ力を向上させるには、問題解決・人間関係構築 の2つの目的に応じたスキルを獲得していく必要があります。
問題解決型のコミュ力については、膨大な量になってしまうので、こちらのビジネスコミュのカテゴリで解説しています。論理力、説明する力を高めたい方はクリックして気になるタイトルを精読してみてください。
人間関係の構築に関するコミュ力については当コラムでしっかり解説していきます。具体的には以下の4つのカテゴリで解説していきます。
1.傾聴力を高める方法
2.発話を上達させる方法
3.非言語で印象を高める
4.対人不安と心理改善
それぞれについて関連するリンクを貼ってあります。成長させたい部分がある場合はご活用ください。
傾聴力を高める方法
聴く力をつけると、相手の自己肯定感を向上させる、心を癒すことができる、信頼される、など人間関係の土台を固めることができます。
傾聴の基礎は受けとめ
傾聴スキルについて、初学者の方にまず意識をしてほしいことがあります。それは「いきなり質問しない」「受け止める意識を持つ」ということです。
例えば、会話の相手が
「横浜の海の近くに住んでいます」
と発言したとします。この時、
「そっかあ… 横浜のどの辺ですか? 何年住んでいますか? 近いですか?」
これらの返し方は全部NGです!!いきなり質問してしまっていますし、受け止めがありません。次に以下例を見てみましょう。
「横浜ですか!住みやすそうですね。ちなみに横浜のどの辺ですか? 海の近くかあ~いいなあ。特に夏は楽しそうです。 え?海の近く?!私の実家も海の近くだからなつかしなあ~」
いかがでしょうか。いきなり質問をしないで、受け止める意識を持つだけで傾聴の印象はかなり変わってきます。もう一度繰り返します!
・いきなり質問をしない
・まずは受けとめる!
この2点を是非意識してみてください!
傾聴スキル一覧
傾聴スキルはこれ以外にもたくさんあります。以下のスキルは傾聴の基本となります。それぞれを自然にできるようになると傾聴スキルの基礎が身についた証拠です。1つ1つ丁寧に獲得していきましょう。
・オウム返し
相手の話を繰り返すスキル
話が膨らむ
話し手が安心する
・肯定返し
好意が伝わる
相手が話しやすくなる
・自己開示
適度な自己開示をすると話し手の警戒心が取れる
・人間関係肯定法
好意が伝わる
相手の自己肯定感が高まる
・5W1H質問法
話の概要がわかる
会話が続く
・感情質問法
感情交流ができる
心の距離が近くなる
今回は最も傾聴で大事なことをお伝えしました。もっと傾聴についてじっくり練習したい方は下記を参照ください。
発話を上達させる方法
人間関係を築くには、傾聴だけでなく、発話も大事です。中村(1984)[1]は学生50人に対して自己開示と魅力について研究をしました。その結果の一部が下図となります。 
こちらは自己誇示的陳述的な話、すなわち明るい話題、多少誇張した面白い話、を60%程度する場合に、相手から魅力的に見られやすいという意味があります。
その他、話がうまくなると、会話が盛り上がる、人となりが伝わる、警戒されにくくなる、というメリットがあります。
一問一答厳禁!
発話スキルの基礎は、一問一答は厳禁!、サービス精神を持つ、お土産をつけて返す!これが基礎となります。例えば会話の相手が
「どこに住んでいますか?」
と質問してくれたとしましょう。皆さんは普段どのように返していますか?少し想像してみましょう‥‥
想像してみましたか?もしあなたが
「東村山です…」
こんな感じで一言しか返していなかったら、これはイエローカードです!監督から選手交代を命じられてしまうかもしれません!
一問一答をしてしまうということは端的に言ってしまうと、サービス精神がない証拠なのです。質問に答えました!はいもういいでしょ?という感じで、相手に喜んでもらおうという気持ちがないのです。すいませんいいすぎですね(^^;
お土産をつけよう
これに対して以下のように返したらどうでしょうか?
「東村山に、8年住んでいます。東京にしては自然が豊かで、八国山という山があります。トトロのモデルにもなったところですよ!」
こんな感じで、相手の質問に答えるだけでなく、会話の呼び水となるようなお土産をつけて返す意識を持ちましょう。繰り返しになりますが、「一門一答は厳禁! サービス精神を持つ!お土産をつけて返す!」この3つを意識するだけで、あなたの発話のスキルはグッと魅力的になるのです。是非今日から試してみてください。
発話スキル一覧
発話スキルはこれ以外にもたくさんあります。以下のスキルは発話の基本となります。1つ1つ丁寧に獲得していきましょう。
・5W1H発話法
話の土台を作る技術
わかりやすい話し方になる
・自分へ感情質問法
感情的な話をする
豊かな話題を提供する
・具体例提示法
話が膨らむ
抽象的な話を具体的にしていく
・強調表現
かなり、などの表現を使い、メリハリのある印象に
話す力を身につけたい!と感じる方は下記を参照ください。

非言語で印象を高める
話し上手、聴き上手になったら、さらに魅力的になるトレーニングにチャレンジしましょう。優先順が高いのは笑顔とアイコンタクトです。
笑顔は王様
人間関係の構築の王様は笑顔です。笑顔であるということは、
あなたといて楽しいです!
好意を持っています!
敵ではありません!味方です!
という態度の表れなのです。
梅野(2015)[2]は非言語コミュニケーションと好感の関係について、大学生230名に対して調査を行いました。その結果、笑顔は印象形成において一番大事であることが分かったのです。
もし笑顔が少ないな…と感じたら、以下のトレーニングにチャレンジしてみてください。
声の印象UP
非言語の次に大事なのは、声の印象を向上させることです。はきはきと切れ味よく話せると、印象がよくなります。当コラムでは「3本指入れエクササイズ」を紹介します。
①口を大きく開けます
②指を3本入れます
これを10セット繰り返します
「3本指入れエクササイズ」を繰り返すと、口の周りの筋肉がほぐれて、発音がしやすくなります。声の印象を良くしたい方は以下のコラムも参照ください。
アイコンタクトも重要
余裕がある方はアイコンタクトの取り方も工夫してみましょう。アイコンタクトには以下のポイントがあります。
・会話の50%前後は相手をボヤっとみる
・目が合う時間は1~2秒程度でOK
・発話よりも傾聴の時に相手の目を見る
です。凝視はしなくてOKです。眼があってから1~2秒程度したら、気恥ずかしくそらしてもOKです。体の向きも重要です。目をそらしても体だけは相手に正対するように心がけましょう。
笑顔とアイコンタクトについては下記のコラムを参照ください。

対人不安と心理改善
ここまで傾聴、発話、笑顔について基礎をトレーニングしてきました。仕上げとして心理面についても考えていきましょう。
対人不安の改善
対人不安が大きいと、人間関係を築くのが難しくなり、孤立感や精神的健康問題を引き起こす可能性があります。相川ら(2008)[3]成人のソーシャルスキルについて調査を行いました。ソーシャルスキルとは、社交的なスキルであり、コミュ力に近い概念となります。その結果の一部が下図です。
こちらは対人不安があるほど、ソーシャルスキルが低くなりやすいことをいみしています。逆に解釈すると、対人不安を改善することで、人間関係を築く力がつくと言えます。
対人不安を改善する方法の代表的な手法として、「心の読みすぎ癖」を改善することが挙げられます。私たちは人の目を気にしたり、相手の気持ちを考えるすぎると、不安を感じやすくなります。そのため対人不安を軽くするには、相手の気持ちを読みすぎない、自分の気持ちに集中するなどの対策が大切になってきます。
以下のコラムでは対人不安の改善法について解説します。人と話すのが不安な感覚が強い方は参考にしてみてください。
返報性とは何か
心理学の世界では返報性という用語があります。返報性とは、自分の気持ちは、相手からも返ってくるという心理です。
自分が相手を好きになる
→相手も自分を好きになりやすい
自分が相手に心を開く
→相手も心を開きやすい
自分が相手を嫌いになる
→相手も自分を嫌いになりやすい
自分が相手に心を開かない
→相手も自分を警戒しがち
このように、自分の気持ちは、相手からも返ってくるのです。返報性の原理を前提とすれば、人間関係を築くための基本的な心がまえは相手を好きになることだとわかります。
会話をするときは、相手のあら捜しをするのではなく、相手の長所、個性、魅力をたくさん探すように心がけましょう。返報性の原理について、詳しくは下記を参照ください。
まとめ
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!コミュ力を向上させることは確かに安易なことではありません。しかし、努力してコミュ力をアップさせると、人間関係が充実したり、仕事がしやすくなったり、恋愛がうまくいったりと、メリットがたくさんあります。当コラムをきっかけに、コミュ力をつけ、暖かい人間関係を築けることを心から願っています。
コミュ力を鍛える講座
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・コミュニケーション能力を鍛える
・聞き上手になる,傾聴力Up練習
・話し上手になる,発話力UP練習
・コミュ力の土台,心が強くなる心理学
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)

コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連
自己開示の対人魅力に及ぼす効果 (2) 中村 雅彦 実験心理学研究 55 巻 1985











上記の図でわかるように、

