飲み会嫌い,楽しむ方法
皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回のお悩み相談は「飲み会が嫌い」です。
相談者
32歳 男性
お悩みの内容
私は昔から集団の会話が苦手です。会社では飲み会が定期的にあるのですが、いつも孤立してしまうので、楽しむことができません。飲み会嫌いは改善できますか?
飲み会があると、気が滅入ってしまうのですね。
・忘年会があると憂鬱…
・参加中、早く帰りたくなる
・飲み会終了後、どっと疲れる
飲み会に参加したくない…という悩みを持つ方はたくさんいらっしゃいます。
一方で、社会人になると、どうしても避けられない飲み会はありますし、人付き合いを避けると、ビジネスや恋愛などのチャンスも減ってしまいます。
そこで当コラムでは、飲み会が嫌いだけど、どうせ参加するならちょっとでも楽しみたい!という方のための作戦をお伝えしたいと思います。是非最後までご一読ください♪
飲み会・メリットVSデメリット
そもそも飲み会にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。改めて考えてみましょう。
メリット
まず初めにメリットを挙げてみます。
人間関係の向上 有益な情報が得られる 人脈が広がる コミュ力がつく 孤独感解消 出会いが増える
飲み会の席は、仕事よりもリラックスした雰囲気になることが多く、とめもない会話を楽しむことができます。警戒心が無い分、有益な情報をもらえることもあります。上司に気に入ってもらえて、仕事がしやすくなったり、思わぬビジネスチャンスに巡りあえることもあるでしょう。
デメリット
一方、飲み会嫌いな方は以下のようなデメリットを感じています。
気を使ってしまい疲れる 孤立してしまうことがある 会話が苦手で楽しめない 早く帰って自分の時間がほしい お金がもったいない
確かに飲み会では気疲れすることもありますしメンバーによっては、全然楽しめないこともあったりしますよね。何気ない雑談というのは簡単なようで、意外と難しく、相手に話すような話題なんてないよ・・・と気後れしてしまう方もいるでしょう。
飲み会と世代間の統計
実際に飲み会については、どれぐらいの人が前向きなのでしょうか。以下世代ごとの統計を折りたたんで解説しました。参考にしてみてください。
株式会社ジェイアール東海エージェンシー(2016)[1]では、ビジネスパーソン1000名を対象に、飲み会についてのアンケート調査が行われています。下記は20代の方の結果です。
上記のグラフを見ると「上司との関係がよくなった」が最も高い数値を出しています。その次に、「お酒の力を借りて実現できたことは何もない」のグラフが高いことが分かります。
次に40代の意識についてみていきましょう。
上司や取引先、部下との関係が良くなったと感じる人の一定数見られますが、「お酒の力を借りて実現できたことは何もない」が圧倒的に高いことが分かります。
意外な結果ですが、20代の方は積極的で40代の方は飲み会に消極的になっています。これはパワハラの問題、経済的な負担が大きい、などメリットを感じることができていないと言えそうです。
テレワーク・リモートワーク総合研究所(2021)[2]は全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1035名に対して飲み会に対する調査を行いました。その結果の一部が下図となります。
このようにコロナ渦により飲み会に参加しない方が増えています。特に女性が飲み会を嫌いになっている可能性が非常に高いと言えそうです。
テレワーク・リモートワーク総合研究所(2021)[2]による統計をもう1つ紹介します。以下のグラフをご覧ください。
*数字は一部加工されています。詳しくは出典を参照ください。
このようにコロナ渦の飲み会の頻度については、男女ともに意見が分かれる結果となっています。飲み会への抵抗が薄れつつあるとは言え、3~4割の人はコロナを境に飲み会嫌いになったと言えるかもしれません。
応急処置‐6つの方法
このように飲み会にはメリットデメリットがありますが、今回はメリットを重視して、明日の飲み会を乗り越える、6つの応急処置をお伝えします。
①肩の力を抜く
②鉄板!四季の話題
③話題を準備をする
④しっかり傾聴
⑤話題提供をする
⑥たまには深い自己開示
ご自身でも使えそうなものを組み合わせてご活用ください。
応急処置① 肩の力を抜く
飲み会を楽しめない方は、以下のような考え方になっている方が多いです。
周りから印象よく見られないといけない
会話で失敗してはいけない
こりつしてはいけない
もちろんある程度、気を遣うことはもちろん大事ですが「過剰」になっている場合は注意が必要です。
例えば、以下のように肩の力をぬいた考え方を追加することをおススメします。
気を使うのは「なるべく」でOK
最初の30分は頑張るが、後半はだらだらでOK
所詮は雑談!多少「雑」でもOK
私(川島)の場合は大体こんな感じで飲み会の時間を過ごしています。もちろんみなさんなりの考えがあってOKです。自分なりに楽しめる考えを追加してみてくださいね。
応急処置② 鉄板!四季の話題
飲み会で鉄板なのは「四季の話題」を酒の肴にすることです。四季の話題のすばらしいところは、季節ごとに話題のテーマが変わっていくことです。
*4月
GWはどこかへ行きますか?
新入社員とか入ってきましたか?
今年はどこの球団が優勝するかな
*8月
夏休みはどこか行きますか?
今年のお盆は久々に帰省して…
はじめてナイトプールに行ってね…
このように、四季の話題は飲み会の冒頭の入りとしてかなりおススメです。困った時は四季の話題!をまずは抑えておいてください。
応急処置③ 話題を準備しよう
飲み会の前には、
相手に聞く3つの話題
自分から話す3つの話題
を実際に用意しておくことをおススメします。先程挙げた四季の話題などを参考に準備しておきましょう。
いま「めんどくさい!」と感じたあなた!要注意です。人間関係はつきつめれば、相手の喜んでもらおうというサービス精神が必要です。自分自身で楽しい話題を用意して、たくさんの方に喜んでもらう精神をもてば、飲み会も楽しいものになります。
話題を準備する癖をつけると、場持ちがよくなり、どこに行っても重宝されるようになります。最近みつけた食べ物屋さんの話、おススメの本の話、親しい間柄であれば極論ですが下ネタでもOKです。
飲み会の時はお守り代わりに、それぞれ3つ準備しましょう。
応急処置④ しっかり傾聴しよう
ここまで準備ができれば最低限、飲み会は乗り切ることができます。さて、ここからは飲み会がはじまったとします。準備をどう活かしていくか?考えていきましょう。
まずはアイスブレイクで四季の話題がおすすめです。準備した内容を話していきましょう。
かんぱーい!いやあ~ビールが美味しいですね。そういえばゴールデンウイークどこか行かれましたか?
こんな感じで、会話の呼び水になる話題から始めるといいでしょう。相手がお話してくれたらしっかり傾聴していきます。
応急処置⑤ 話題を提供しよう
傾聴がある程度できたら、今度は3つの話題を自分から話してみましょう。最近は聞き上手に徹すればOKという本が多数売られていますが、私(川島)はあまりお勧めしません。
メンタルヘルスの研究では主体性が非常に重視されています。自分から積極的に話す体験がないと会話はいつまでたっても楽しいものになりません。
目安としては、飲み会の人数を割り算したぐらいが、ちょうどいい発話量になります。例えば2人でしたら、50%は自分の話をして、3人でしたら30%ぐらいは自分の話をしましょう。
応急処置⑥ たまには深い自己開示
飲み会も深くなってくるとだんだんと信頼関係もできてきます。リラックスできたら、深い自己開示をしてみるのもOKです。例えば、
最近悩んでいること つらかった体験 スキな人が出来た 仕事の悩み
などです。思い切って深い自己開示をしてみると、意外と相手がしっかり傾聴してくれて、励ましてくれることもあります。相手もつられて深い自己開示をしてくれて、お互いの絆が深くなるかもしれません。
たまには深い自己開示!を是非意識しましょう♪
飲み会応急処置まとめ
飲み会は上司の自慢話と聞かされたり、同僚の愚痴に共感したり、ストレスが溜まることも多いです。しかし、飲み会を拒絶しつづけていては人間関係が希薄なものになってしまいます。
もちろん、適度に断ることには何も問題はありませんが、ある程度は参加した方がスムーズな人間関係を保つことができるでしょう。
飲み会が苦手な方は、とりあえずは6つの対策を頭に入れておいて、困ったときに使ってみてくださいね。意外と会話が続くと思いますよ。皆さんが、飲み会を楽しまれることを願っています!
飲み会嫌い‐発展編
ここまでは飲み会嫌いを克服する応急処置をお伝えしました。ここからは発展編です。飲み会嫌いの方によくみられるお悩みについて解説しました。あてはまるな…と感じる項目がありましたらリンク先をクリックしてみてください。
集団の会話に入れない
1対1での会話には抵抗がないのに、飲み会など大人数の会話になると、
うまく会話に入れない 早口な人ばかり話す 孤立してほとんど話せなかった
と苦手意識をもつ人が多く、飲み会が嫌いになる原因の1つとなっています。集団の飲み会が嫌いだ・・・という方は下記のコラムを参照ください。
お酒が苦手な方でも楽しむには?
お酒が苦手な人が、飲み会嫌いになるのは当然だと思います。周囲がお酒を飲むほど、周りの雰囲気とギャップが生まれてしまい、居心地の悪い思いをして、それがトラウマになっている場合もあります。
以下のコラムでは下戸でも飲み会が楽しめる3つの方法を攻略法としてご紹介します。参考にしてみてください。
時には断るのもOK
どうしても飲み会に行きたくないときはもちろん断ってもOkです。行きたいくない気持ちを抑えて何度も参加することで、苦手意識が強くなっている可能性があります。
時には、自分の気持ちを優先して断ることも、飲み会嫌いを改善するためには必要です。
しかし、断り方次第では、相手にマイナスの印象を与えてしまうため注意が必要です。当コラムでは、飲み会をスマートに断る方法をご紹介します。上手な断り方を知りたい!という方は以下のコラムを参照くださいい。
しっかり身につけたい方へ
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・飲み会を乗り切る,会話の継続力をつける
・聞き上手になるトレーニング
・話し上手になるトレーニング
・リラックスした人間関係を築く心理学
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
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名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連