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安心感のある人の特徴と安心感を与える方法

安心感


安心感を持つ方法ー安心感のある生活を身に付ける!①臨床心理士が解説

安心感を専門家が解説

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。当コラムでは「安心感」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

 みなさんは、安心感がない人と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
・余裕がない・・・
・いつも不安である・・・
・自信をもって挑戦できない・・・
人間関係が不安定・・・
などが挙げられるかもしれません。もしこれらに当てはまる項目が複数ある場合は注意が必要です。安心感は、心理学的に見ても人間が生きる上でとても大切な役割を持ちます。そのため、「安心感」については、たくさん研究されてきました。まずは、その特徴を3つほどご紹介します!

安心感がある人とは

① 安心感の意味とは?

まず、安心とは何でしょう?具体的に概念を分析した研究によると安心とは
・不安・苦痛が少ない
・楽観的志向である
・自分を肯定している
・対人関係の確かさがある
などの側面を持つことが報告されています(岩瀬・野嶋, 2013).私たちが日ごろ何気なく使っている安心感という言葉ですが多様な側面があるようですね。

② 安心感の形成は乳幼児からはじまる

安心感はいつ頃から形成されるのでしょうか?ボルビィ(Bowlby, 2008)は乳幼児の時に母親との間の相互関係により生じ得られる安心基盤であり、その人が生きていくうえでの基盤となると主張しています。安心感とは、乳幼児期から形成され、人が生きていくうえでの基盤となり、思考や能力などさまざまな側面に影響を及ぼしているのです。エリクソン(1964)は生涯発達理論において、人間に対する基本的信頼感は乳児期に形成されるとされ、この基本的信頼の獲得に失敗すると

・自信を持って積極的に取組めない
・円滑な人間関係を築きにくい
・自己実現が難しい 
と説明しています。証明することは難しいのですが、人間関係でいつも安心感がない・・・と感じる場合は幼少期の親子関係が影響している可能性があります。カウンセリングをしていると家庭環境に問題があるケースがかなりあります。安心感の土台は家庭にあると考えて良いと思います。安心感を持つ方は、自分も他者も安心して信頼でき、失敗しても自分を肯定できるという感覚があります。その結果、周囲の人に積極的に関わることができるのです。

③ 安心感は大人になってからも取り戻せる

ただし、もし家庭で問題があったとしても、周りの方で暖かい触れ合いが多かった方はわりと安心感が強くなる傾向があります。おじいちゃんに愛された、恩師に認めてもらった、職場で尊敬できる上司に認めてもらった・・・こういった体験は自己肯定感に結びつきます。

自己肯定感は大きな存在に安心して身をゆだね、失敗しても許される、大丈夫だと感じる体験から生じる感覚(豊廣・渡辺,2007)であり、安心感の原型になると考えていいでしょう。もし小さい頃に安心感がない環境に育ったとしても、これからの人生でお互いを認め合うような暖かい環境に身を置けばきっと安心感を取り戻せるでしょう。
安心感と自己肯定感の関係

 

④自己実現には安心感が不可欠

人間の欲求を5段階のピラミッドで説明したアメリカの心理学者マズローの欲求階層説では、安心感について解説しています。マズローの欲求階層説とは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。

第一階層は、生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求

第二階層は、安全欲求
危機を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求

第三階層は、社会的欲求
集団に属し、仲間を求める欲求

第四階層は、承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求

第五階層は、自己実現欲求
自分の能力を引き出し、目標を達成したい欲求

欲求は、5段階で構成されており低次の欲求が満たされないことには、上位の欲求を満たすことはできないという特徴を持っています。このマズローの欲求階層説で言えば、安心感を持つ環境にあると、次の次元の欲求に進むモチベーションがわくことになります。なかなかやる気が出ない・・・という方はそもそも、安心感を得られない環境にいる可能性も考えられます。逆に言えば、安心感のある環境に身を置けばこれから「やりたいこと」が見つかり自己実現欲求が沸き上がってくるかもしれません。

安心感の問題セルフチェック

ここまで安心感について解説をしてきました。ここで安心感についてセルフチェックをご用意しました。 安心感に関する質問の中から、あなたの普段の性格や行動を表しているかをお答えください。以下の項目で、最も当てはまるものを一つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。 

安心感の問題の診断・チェック

セルフチェックの傾向と対策

0~14点
軽度の安心感の問題傾向
安心感の問題傾向は低めです。日常生活に支障をきたすような状況ではないでしょう。しかし、人には大きく気づかれることはないけれど、自分の居場所のなさや、不安を感じている部分があるのではないでしょうか?該当した項目を振り返り、安心感を持てる考え方や行動などを把握しておくと良いでしょう。

15~29点
中等度の安心感の問題傾向
安心感の問題傾向はやや高めです。日常生活で不安や緊張感が高い状況にいることを感じていることが伺えます。自分が自分のままで良いと思えない部分があるために、対人場面での緊張感や不安を感じている可能性が考えられます。現在抱えている緊張感、不安、自分の気持ちを明確にし、より適応的な対処スキルを身に着けていくことをおすすめします。

30点以上
強い安心感の問題傾向
30点以上の人は、安心感の問題が強い傾向で仕事や学業など日常生活に支障をきたしていることが考えられます。自分が自分のままでいて良いということに自信が持てず、不安が強い状態にいることが伺えます。安心できない状態が続くのは心身ともにとても負担がかかる状態です。少しずつ自分の今の状態を振り返りましょう。気づきが得られることで行動も変化してくるでしょう。

定期的にチェックしてみよう

結果は、あくまで「今」の傾向です。時間や状況によって変化するため、できれば月に一度ほど診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。結果は、今のあなたの安心感の問題を知ること、そしてその状態をどのようにすれば、ちょうど良い状態に近づけるのかということを考えるきっかけになります。下記で対処法をご紹介します。

4つの方法で安心感を

安心感をもつための4つの方法

セルフチェックの結果はいかがでしたでしょうか。あまりいい結果が出なくても、現状を知ることが大切です。改善もできますのでコツコツ進めていきましょう。本コラムでは、安心感を持つことができない原因と解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①無条件の肯定ストローク

自己肯定感がないと不安定
自己肯定感が欠如すると、人間関係が不安定になり安心感が持てない状態になりやすくなります。このようなタイプの人は自らを条件付きマイナス評価をする事が多く、ありのままの自分を受入れることができません。自己肯定感を高めるには、自分の存在を肯定される体験を積み重ねていく事が大切です。では、どんな肯定を増やせば、安心感が高まるのでしょうか?

無条件の肯定的ストローク
当コラムでは、心理療法の概念の1つである「無条件の肯定ストローク」を使って解説します。ありのままの自分を認められない…と感じている方は、コラム②を参考にしてみてくださいね。

②こころの安心感貯金通帳

気がついたら不安だらけ
安心感のない人は、自分の心のバランスに無頓着な傾向があります。ストレスを溜めている状況でさらに頑張りすぎてしまったり、不安定な環境に身を置いてしまい、さらに安心感がなくなってしまう・・・そんな方が多いと言えます。

こころの安心貯金通帳とは?     
ありのままの自分を受け入れていくための方法として、こころの安心貯金通帳というワークがあります。どんな方法かというと、小さな良いところを「貯金」して、安心感を高めていく方法です。こころの安心貯金通帳のワークを行ってみたいという方は、コラム③を参考にしてみてくださいね。

③他者と積極的に関わる

回避行動は自信を減らす
自分や他者に安心感が持てない人は人間関係を避ける傾向にあります。確かに人間関係はすべて予想通りに行くことはないので、相手からの反応を受け取るのは怖いこともあります。もちろんとても心が疲れている場合は、回避することも可能ですが、回避行動を続けていると、ますます人との関わりに自信が持てなくなってしまいます。

3つのRで不安感を乗越えよう
ではどうすれば人と関わる際に不安を減らし、安心感を増やすことができるのでしょうか。具体的には以下の3つのR法を提案させていただきます。
①Readiness (準備)
② Rehearsal (リハーサル)
③Relaxation (リラックス)
の3つを使用します。この3つのステップで関係を築く練習をしましょう。人と関わるといつも不安になる…という方は、コラム④をチェックしてください。

④体の面からリラックス

心と体は繋がっている
私たちの心と体は常に連動しています。例えば、体が緊張すれば心もギュッと固くなり緊張します。また、体がリラックスすれば心が穏やかになりリラックスした気持ちになります。このように、心と体は繋がっているため安心感を得るには体をリラックスさせることも大切です。

体からリラックスを
当コラムでは、体をリラックスさせ身心の安心感を引き出すワークをご紹介します。体をほぐし、緊張を緩め余分な力を抜いてあげることで自分に向き合うワークです。楽な姿勢を取り、ゆっくり呼吸をすることで普段は感じられない安定した状態を実感することにつながります。体からのリラックスを実感してみたい!という方は、コラム⑤をチェックしてくださいね。

 

日々の生活に安心感を!

安心感は、生きていくうえで大事な基盤となり、自己実現や対人関係にも影響をもたらすものです。しかし、安全なのはわかっているけど、安心感が持てないと感じている方もいることでしょ

4つの方法で安心感を

う。これから紹介する安心感を持つ方法を日々の生活の中で意識していくことで、少しずつ不安定な毎日に安心を感じる瞬間が生まれることでしょう!

次回は、安心感をもつための方法の1つ目「無条件の肯定ストローク」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★生きていくために安心感は不可欠!4つの方法で安心感を手に入れよう
心理学講座

*出典・参考文献
Bowlby, J. (2008). Attachment. Basic books. 
Erikson, E. H., & 小此木啓吾訳. (1973). 自我同一性アイデンティティとライフサイクル. 
岩瀬貴子, & 野嶋佐由美. (2013). 安心の概念分析. 高知女子大学看護学会誌, 39(1), 2-16.
Speckens, A. E. M., Spinhoven, P., Van Hemert, A. M., & Bolk, J. H. (2000). The Reassurance Questionnaire (RQ): psychometric properties of a self-report questionnaire to assess reassurability. Psychological medicine, 30(4), 841-847.
豊廣隼人, & 渡辺弘純. (2007). 対自的対他的安心感は希望に肯定的な影響を与える.



3つの方法でコツを身に付けよう