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安心感のある人の特徴と安心感を与える方法

安心感


安心感のある人の特徴。安心感を与える方法を心の専門家が解説①

安心感を専門家が解説

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。

当コラムでは「安心感」について詳しく解説をしていきます。全部で5コラムあります。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。 

みなさんは、安心感のある人と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

安心感がある人とは安心感がある人は
・余裕がある!
・対人関係で苦労がない!
・自信をもって挑戦できる!
などが挙げられるかもしれません。

安心感は、心理学的に見ても人間が生きる上でとても大切な役割を持ちます。そのため、「安心感」については、たくさん研究されてきました。まずは、その研究をご紹介します!

 

生きていくために安心感は不可欠

安心感は生きる上で不可欠まず、安心とは何でしょう?具体的に概念を分析した研究によると

安心とは
・おだやかである
・不安・苦痛が少ない
・楽観的志向である
・自分を肯定している
・自分に自信がある
・自分で安心できる能力がある
・対人関係の確かさがある
・社会とつながっている
などの側面を持つことが報告されています(岩瀬・野嶋, 2013).

そして、安心感は、乳幼児の時に母親との間の相互関係により生じ得られる安心基盤であり、その人が生きていくうえでの基盤となる(Bowlby, 2008)と言われています。

安心感とは、乳幼児期から形成され、人が生きていくうえでの基盤となり、思考や能力などさまざまな側面に影響を及ぼしていることがわかります。日常生活で、皆さんも安心感の大切さは実感されているのではないでしょうか?

実際にカウンセリング場面でも相談者さんが問題に向き合う時には、安心して話せる関係性、安心して考える環境づくりがとても大切だと言われています。

自己実現には安心感が不可欠

エリクソン(1964)の生涯発達理論では、安心感がないと

・自信を持って積極的に取組めない
・円滑な人間関係を築きにくい
・自己実現が難しい 
説明されています。

また、人間の欲求を5段階のピラミッドで説明したアメリカの心理学者マズローの欲求階層説では、自己実現は、最上位に存在します。

マズローの欲求階層説とは、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。

第一階層は、生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求

第二階層は、安全欲求
危機を回避し、安全・安心な暮らしを求める欲求

第三階層は、社会的欲求
集団に属し、仲間を求める欲求

第四階層は、承認欲求
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求

第五階層は、自己実現欲求
自分の能力を引き出し、目標を達成したい欲求

欲求は、5段階で構成されており低次の欲求が満たされないことには、上位の欲求を満たすことはできないという特徴を持っています。

先ほどご紹介した、エリクソンの生涯発達論では、安心感のない人は、人間関係を築くことに難しさがあると言うことでした。このマズローの欲求階層説で言えば、第三層の社会的欲求を満たすことは難しくなり、なかなか自己実現には至らないということです。

自己実現するためには、安心感がとても重要な役割を果たすようです。

安心感がないと自己肯定感が低い

安心感と自己肯定感の関係エリクソン(1964)が発表した生涯発達理論において、人は、生後間もなく、自分を信頼する感覚と他者を信頼する感覚を含む基本的信頼感を獲得すると報告されています。

この基本的信頼感が獲得されることで人は、他人を信頼し、ありのままの自分が受け入れられると感じることができるというのです。そして、高垣(2004)は、このエリクソンの基本的信頼感の概念は、自己肯定感の捉え方にとても近いことを指摘しています。

自己肯定感とは、大きな存在に安心して身をゆだね、失敗しても許される、大丈夫だと感じる体験から生じる感覚(豊廣・渡辺,2007)であり、安心感があること自分や他者を信頼することができます。

つまり、自分も他者も安心して信頼できるから失敗しても自分を肯定できるという関係にあるのです。周囲の人に安心して関わることができ、安心して自分を肯定できるのであれば、何か新しいことにもチャレンジしやすくなるかもしれません。

しかし、逆に周囲にも自分にも安心感が持てないとすれば、新しいことにチャレンジしようとは考えることができないかもしれません。

 

安心感の問題セルフチャック

安心感の問題のセルフチェックをご用意しました。 安心感に関する質問の中から、あなたの普段の性格や行動を表しているかをお答えください。

以下の項目で、最も当てはまるものを一つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。 

安心感の問題の診断・チェック

セルフチェックの傾向と対策

0~14点
軽度の安心感の問題傾向
安心感の問題傾向は低めです。日常生活に支障をきたすような状況ではないでしょう。しかし、人には大きく気づかれることはないけれど、自分の居場所のなさや、不安を感じている部分があるのではないでしょうか?該当した項目を振り返り、安心感を持てる考え方や行動などを把握しておくと良いでしょう。

15~29点
中等度の安心感の問題傾向
安心感の問題傾向はやや高めです。日常生活で不安や緊張感が高い状況にいることを感じていることが伺えます。自分が自分のままで良いと思えない部分があるために、対人場面での緊張感や不安を感じている可能性が考えられます。現在抱えている緊張感、不安、自分の気持ちを明確にし、より適応的な対処スキルを身に着けていくことをおすすめします。

30点以上
強い安心感の問題傾向
30点以上の人は、安心感の問題が強い傾向で仕事や学業など日常生活に支障をきたしていることが考えられます。自分が自分のままでいて良いということに自信が持てず、不安が強い状態にいることが伺えます。安心できない状態が続くのは心身ともにとても負担がかかる状態です。少しずつ自分の今の状態を振り返りましょう。気づきが得られることで行動も変化してくるでしょう。

定期的にチェックしてみよう

結果は、あくまで「今」の傾向です。時間や状況によって変化するため、できれば月に一度ほど診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。

結果は、今のあなたの安心感の問題を知ること、そしてその状態をどのようにすれば、ちょうど良い状態に近づけるのかということを考えるきっかけになります。下記で対処法をご紹介します。

 

安心感をもつための3つの方法

3つの方法で安心感をセルフチェックの結果はいかがでしたでしょうか。あまりいい結果が出なくても、現状を知ることが大切です。そこで本コラムでは、安心感を持つことができない原因と解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

①ありのままの自分を受け入れる

自分を受け入れることができない
安心感のない人は、自分を受け入れることができない傾向にあると言われています。例えば、失敗しても自分は自分だ!自分は自分のままで良い!とありのままの自分を受け入れることが難しいのです。

しかし、何かできなければ、成功しなければあなたは受け入れられない存在なのでしょうか?ありのままの自分を認められない人は要注意です。

こころの安心貯金通帳とは?     
ありのままの自分を受け入れていくための方法として、こころの安心貯金通帳というワークがあります。どんな方法かというと、自分の小さな良いところを見つけて安心感を高めていく方法です。

この方法を取ることで、ありのままに受け入れられない自分を、受け入れられるようになっていきます。そして、自分自身しか気づかない自分の良いところを少しずつ認められるようなっていきましょう。こころの安心貯金通帳のワークを行ってみたいという方は、コラム②を参考にしてみてくださいね。

 

②ネガティブな感情も大切にする

ネガティブな感情が受入れられない
感情には、喜び、悲しみ、怒りなど様々な面があります。喜びなどポジティブなものは受け入れやすいと思いますが、悲しみ、怒りなどネガティブな感情が自分にあることを受け入れることは簡単なことではありません。特に安心感のない人は、感情の状態が不安定なためにネガティブな感情を認められない傾向にあると言われています。

身体の安心感を引き出すワークとは?
身体の安心感を引き出すワークとは、体をほぐし、緊張を緩めて余分な力を抜いてあげることで自分に向き合うワークです。楽な姿勢を取り、ゆっくり呼吸を促すことで普段は感じられない安定した状態を実感することにつながります。

身体の安心感を引き出すことで感情も安定し、ネガティブな感情も受け止められるような基盤づくりに繋がります。身体の安心感を引き出すワークをやってみたい方は、コラム③を参考にしてみてくださいね。

 

③他者と積極的に関わる

他者と積極的に関われない
自分や他者に安心感が持てない中では、人と積極的に関わることは難しいと言われています。他者とのコミュニケーションの中では、すべて予想通りに行くことはないので、相手からの反応を受け取るのは怖いこともあります。

そのような思いをしたくなければ回避することも可能ですが、回避行動を続けているとこれまでよりも人との関わりに自信が持てなくなってしまいます。これまで不安が原因で他者と積極的に関われなかったのであれば、思考や行動を修正してみるのが良いでしょう。

3つのRで不安感を乗越えよう
3つのRで不安感を乗り越え、積極的に人に関わる方法とは、
①Readiness (準備)
② Rehearsal (リハーサル)
③Relaxation (リラックス)
の3つを使用します。不安を乗り越えて何かを達成できたら自分に自信がつきます。そしてこの自信が自分を受け入れることや自分への安心感につながります。人と関わることが不安…という方は、コラム④をチェックしてください。

 

日々の生活に安心感を!

3つの方法で安心感を

安心感は、生きていくうえで大事な基盤となり、自己実現や対人関係にも影響をもたらすものです。しかし、安全なのはわかっているけど、安心感が持てないと感じている方もいることでしょう。これから紹介する安心感を持つ方法を日々の生活の中で意識していくことで、少しずつ不安定な毎日に安心を感じる瞬間が生まれることでしょう!1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、安心感をもつための方法の1つ目「ありのままの自分を受け入れる」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★生きていくために安心感は不可欠!3つの方法で安心感を手に入れよう
コミュニケーション講座

*出典・参考文献
Bowlby, J. (2008). Attachment. Basic books. 
Erikson, E. H., & 小此木啓吾訳. (1973). 自我同一性アイデンティティとライフサイクル. 
岩瀬貴子, & 野嶋佐由美. (2013). 安心の概念分析. 高知女子大学看護学会誌, 39(1), 2-16.
Speckens, A. E. M., Spinhoven, P., Van Hemert, A. M., & Bolk, J. H. (2000). The Reassurance Questionnaire (RQ): psychometric properties of a self-report questionnaire to assess reassurability. Psychological medicine, 30(4), 841-847.
豊廣隼人, & 渡辺弘純. (2007). 対自的対他的安心感は希望に肯定的な影響を与える.



3つの方法でコツを身に付けよう