承認欲求が強い人の特徴,なくす方法
皆さんこんにちは。コミュニケーション教室を開催している公認心理師の川島達史です。当コラムは下記にあてはまる方におすすめです。
・誰かに認められないと不安になる
・人と比べて落ち込みやすい
・SNSの反応で気分が左右される
当コラムを読み進めていくと、承認欲求の理解と対策をおさえることができると思います。是非最後までご一読ください。
承認欲求の意味と心理
承認欲求の意味とは?
承認欲求は、心理学辞典(1999)[1]で以下のように定義されています。
自分の存在を認めてもらいたい
自分の考え方を受け入れてもらいたい
という欲求
このような欲求は、誰しも持っているものではないかと思います。承認欲求は極めて自然な感情です。例えば
・お互いを承認し、認め合う職場
・お互いを認めず、貶し合う職場
どちらの職場に勤めたいかは言うまでもありません。承認欲求は人間の本能に根差した健康的な感情なのです。
メリット
承認欲求を健康的な範囲で持つことができると
・人前に立つなど積極的になれる
・自分の考えを発信できる
・周りの反応を見極めることができる
などのメリットがあります。承認欲求があるからこそ私たちは積極的な行動をしたり、社会に発信するモチベーションが生まれてくるのです。
デメリット
一方で、承認欲求が過剰になっている方は、欲求が満たされないときに、一時しのぎの行動をしようとします。例えば
・SNS投稿のために不要なものを買う
・高価な贈り物で相手を独占しようとする
・キャバクラで小遣いを超えたお金を使う
このような行動は一瞬だけ満たされる承認欲求であり、後悔することが多くなります。注意しましょう。
承認欲求が強い人の傾向
筆者の川島がカウンセリングを行ってきた中で、承認欲求が強い人には以下の4つの特徴があると感じています。
不安が強い傾向
石井(2017)[2]は、中高生623名を対象に、承認欲求とストレス反応の関連について調べました。その結果の一部が下図となります。
この図からわかるように、承認欲求が強い人は、抑うつ感や不安が高い傾向があることがわかりました。承認欲求が強い人は、不安で落ち着かないため、周りから良い反応をもらって安心したいと感じていると推測できます。
自己像が不安定
小塩 (2001)[3]は、大学生184名を対象に、自己愛と青年の心理について調査を行いました。結果の一部が下図となります。

このように、注目されたい!賞賛されたい!と感じる人は、自己像が不安定で自分とはどのような人間なのかが曖昧な傾向があることがわかりました。自分で自分が分からなくなっているため、周りからの承認を求めてしまうと推測できます。
自己愛が不安定
承認欲求が強い人の中には、家庭環境の不和がある方もいます。特に親のしつけが厳しかったり、ネグレクトを受けていたり、充分愛情をもらっていない場合に、自己愛が不安定になることがあります。
自己愛が不安定になると、他人の気を引こうと誇大な自分を演出したり、過度の承認を求めてしまうことがあります。これが過剰になると、自己愛性パーソナリティ障害という診断がつくこともあります。
高次の段階にある
ここまで紹介した3つの特徴はややネガテイブですが、ポジティブな承認欲求もあります。ここで、アメリカの心理学者マズロー (Maslow, A.H.) が提唱したマズローの欲求5段階仮説を紹介したいと思います。
この仮説では、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる有名な理論です。
以下の図を見てもわかるように、承認欲求は高度な欲求であることがわかります。

言い換えると、承認欲求が自然な形で出てきた人は、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求が満たされ、次のステージに進んでいるとも言えます。
過剰な承認欲求の改善法
ここまで承認欲求について、メリットとデメリットの理解を進めてきました。ここからは過剰な承認欲求をなくす4つの方法を提案させて頂きます。
①自己承認力をつける
②内発的動機を増やす
③肯定的コミュニティに所属する
④限界設定をする
①自己承認力をつける
承認には、「他者承認」「自己承認」の2種類があります。
「他者承認」とは人からもらう承認で、不安定であることをお伝えしてきました。これに対して「自己承認」は、自分で自分を承認していく行為になります。自己承認はいつでもできるので、とても安定しています。
自分のことを認める感覚が不足している…と感じる方は、以下の折り畳みを展開してみてください。
②内発的動機を増やす
心理学の理論では、人間が行動するときの動機づけには、「外発的動機」「内発的動機」の2つがあると言われています。両者はそれぞれ以下の意味があります。
「外発的動機」
・人に認められたいから行動する
・親に褒められたいから行動する
・異性にモテたいから行動する
・社会的に評価が高いから行動する
↓
他人のコントロール下にある動機
「内発的動機」
・面白いと思うからチャレンジする
・やりたいと感じるから行動する
・時間を忘れてハマれるから続ける
・自分が楽しいから行動する
↓
自分自身の気持ちをベースにした動機
承認欲求を減らすには、外発的動機ではなく、内発的動機を高めて行くことが大事になります。自分がどうしたいか?を増やしていくと、他人の評価に振り回されることが減っていくでしょう。以下の具体例を参考にしてみてください。
「外発的動機」
SNSで“いいね”が欲しいから海外旅行に行く
「内発的動機」
国内の旅行が好きなので国内旅行に行く
「外発的動機」
賢いと思われたくてTOEIC高得点を目指す
「内発的動機」
海外旅行を楽しむために英語の勉強に励む
「外発的動機」
親を安心させるために大手の会社に入る
「内発的動機」
小さな頃からゲーム開発をやりたかったから、大手ではないけどやりたいことのできる会社に入る

③肯定的コミュニティに所属する
内発的動機、自己承認力は、自分自身の中で承認欲求を満たしていくやり方です。一方で、人間はそこまでストイックな生き物ではありません。周りから暖かい言葉かけをもらうことも現実として大事になってきます。
自分のやりたいことを追求しつつも、日常生活で楽しく会話をしながら、お互い認め合っていく環境はとても大事です。
暖かいコミュニティに所属して、他者から承認をもらうことも大事なことです。内発的動機、自己承認をベースにしつつも、たまには甘えるぐらいの気持ちがちょうどいいでしょう。
お互いを承認する関係が少ない…という方は、下記のコラムを参照ください。
④限界設定をする
承認欲求は、人間の基本的な欲求で、中毒性がある欲求です。どこかで歯止めを利かせることが大事です。心理療法の世界では「限界設定」という言葉を使うことがあります。
限界設定とは、ここまではOKだけど、これ以上はだめ!という境界をしっかり区切ることを意味します。承認欲求を例にすると、
・SNSの “いいね” を確認するのは1日1回
・メールは1日3回まで
・10人中10人好かれようと思わない
・2人ぐらい好きになってくれれば充分
など数字などを使うと有効です。参考にしてみてください。
まとめ
最後に、私の体験談をお話させて頂きます。私は数年前からYouTubeチャンネルを開設しています。いくら投稿しても100人ぐらいしかチャンネル登録がありませんでした。
どうにかチャンネル登録を伸ばそうともがく日々…コメント欄に批判があるとすごく落ち込みました、登録者数が伸びないと辛くて仕方がありません…だんだん投稿につかれるようになりました。。

承認欲求はうまくコントロールできないと、強迫的になってしまうことも分かっています。承認欲求はもろ刃の剣で、自分を苦しめる感情でもあるのです。
近年では有名人がSNSで悪口を言われたために自殺をするという事件も起こったりしています。この背景には承認欲求のマイナス面が実は隠れています。
その後、私が取り組んだことは、数字にとらわれず、好きなことを上げていくことでした。もちろんある程度数字にはこだわりますが、それ以上に自分の気持ちも大事にするようにしました。
継続投稿を続けた今は1万人ぐらいまで増えてくれています。数字を追いかけていた当時よりも登録が増えたことはとても不思議でした。皆さんも承認欲求を健康的に活かして、行動のエネルギーにすると共に、過剰にならないように注意してみてください♪
承認欲求を学べる講座
当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。
・承認欲求を健康的にする心理学
・自己承認力をつける練習
・承認欲求に区切り,限界設定法
・マズローの欲求5段階説の学習
🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)

コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
YouTube→
Twitter→
名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連












上記の図でわかるように、