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ストレングスモデルの意味とは?

ストレングスモデルの意味とは?

はじめまして!公認心理師,精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「援助者のためのストレングスモデル」です。


改善するお悩み
・ストレングスモデルを理解したい
・強みを見つける力をつける
・自分自身の長所も見つけたい

  • 全体の目次
  • ストレングスとは?定義・歴史
  • 長所を24の指標から探す
  • 強みの生かし方
  • ストレングスの探し方
  • 助け合い掲示板

コラムを読み進めていただくと、ストレングスが理解でき、自分の生き方のヒントを得られると思います。ぜひ最後までご一読ください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

ストレングスモデルの意味

歴史

ストレングスという言葉は特定の提唱者がいるわけではありません。ソーシャルワーク理論で有名な、ゴールドシュタインは、アングロサクソン系(イギリス系)の中で日常的に使われてきたとされています。

様々な意味

ストレングスはざっくりと強みという意味がありますが、学者により様々な定義がなされてきました。佐久間ら(2011)の論文を参考にすると下記のようになります。

全ての人が持つ、目標、才能、自信、資源、人材、機会(Rapp&Goscha)

異なったものが各々に有する優れたもの、それぞれがもつ、うまく生きていく力(野間)

ストレングス

使用場面

ストレングスという言葉は、福祉関係の援助者が口癖のように使う用語です。例えば、生活保護を受けている方が、社会復帰を希望されているとします。

この時、私たち福祉の援助者はストレングス視点を持って、本人の強みを一緒になって発見していかなくてはなりません。

例えば、保護を希望されている方が、ネットに詳しいというストレングスを持っているとします。

その際は、
・ネット関係の職業準備校の情報提供
・ネット関係の会社を一緒に探す
・ネットを使ってソーシャルサポートを受けられるようにする

などの視点が必要になります。

これは一例ですが、ストレングスには様々な種類があり、強みを柔軟かつたくさん派遣できることが援助者には必要なのです。

ストレングス-強み

重視するもの

ストレングス理論が重視するのは、人間の長所や強さ、幸福です。これらのストレングスに注目することで、

・自分の生かし方が分かる
・自己肯定感が上がる
・適職に就ける
・アイデンティティ確立

など、厳しい世の中を力強く生きていくことができるのです。

ストレングス視点を高める方法

ストレングス視点は、教科書上では学ぶことがありますが、実際にトレーニングをすることは稀で場当たり的になりがちです。

そこで当コラムではストレングス視点を高める方法として

①VIA‐ISモデルの活用
②ストレングスコラム法
③リフレーミング法

の3つを紹介したいと思います。

①VIA‐ISモデルの活用

強みの種類

ここで基礎として押さえたいのが、ストレングスの種類です。

セリグマン(2004)は、ストレングスを測定する「VIA-IS(Values In Action Invent  Of Strengths)」というツールを開発しました。

VIA-ISは、200以上の哲学・経典から抽出した、6分野24の指標です。

以下の表は福祉関係の援助者の方はぜひ押さえておきましょう。

ストレングスの測定VIA-IS

 

どう強みを活かすのか?

ストレングスの活かし方は、以下の2段階あります。

①強みのピックアップ
指標の中から、自分自身、もしくは被援助者の強みだと思う指標をピックアップする

②どう役立てるかを考える
どのように社会に役立てていくかを考える。

いくつか例を出します

強みが「正義感が強い」なら、
・法律関係の仕事に就く
・困った人を助ける福祉関係を目指す
・警察官になる

長所を生かす考え方

強みが「慎重さが高い」なら
・プログラマーになれるかも
・安全管理技術者をめざす
・ファイナンシャルプランナーがいいかも

ストレングスの見つけ方活かし方

このように、強みをポジティブにとらえてみることで、強みを社会に生かすことができるのです。援助者の方は、被援助者の価値観を傾聴し、社会にどう生かせるかを一緒に発想できるようにしておきましょう。

②ストレングスコラム法

自分の強みを探す方法に、ストレングスコラム法があります。

ストレングスコラム法は、山本先生(2014)が開発した、自分の強みを再発見する方法です。

認知行動療法のコラム法

ストレングスコラム法は、認知行動療法のコラム法をベースに作られています。

コラム法は、落ち込みなどの不快な気分に陥った時に、以下の項目を埋めていくことで、別の捉え方で状況を再認識することができます。

捉え方を変えるコラム法

まずは「①出来事」を記入します。そして、出来事の後の気分やその強さを「②気分」に書き込みます。

そして、その時浮かんだ考えを「③自動思考」に、「④根拠」には自動思考の根拠となる事実を書き込みます。

つづいて、他の考え方や事実がないかを「⑤反証」で、なるべくたくさん書き出します。「⑥適応的思考」、最後に考えを整理した時の気分とその強さを「⑦気分」に書き込んで完成です。

ストレングスコラム法

このコラム法を改変したストレングスコラム法では、次のようになります。

ストレングスコラム法

ポイントは、反証です。

「(でも)…はよかった」
「(でも)…はしている/できた」
「…は前よりちょっとはよくなっている」
「(でも)…はある/いる」
「…力はある」
「(でも)…は好き」
「したい/なりたい」
「…はできそう」

いろいろな面から反証することで、自分のストレングスを探していきます。

ストレングスコラム法では、自分の強みとして何があるかを中心に考えを整理するのに役立ちます。

結果として「もう少し頑張ってみよう」など、ポジティブな気持ちが出てくるといいですね。

まずは項目を埋めて、自分の強みは何かを再確認してみてください。

詳しくはこちらの久留米大学機関デポジトリに論文が公開されています。

③リフレーミング法

最後にリフレーミング法を解説します。リフレーミングとは家族療法を中心として発達してきた手法で、視点を変えることでまえむきな長所を発見していく手法です。

例えば、

・おとなしい性格

をリフレーミングするとどうなるでしょうか?

・いやされる
・圧迫感がない
・警戒心を与えない
・相手の時間を大事にできる

などの長所としてとらえなおすことができそうです。おとなしい…だけでは見えない長所をリフレーミングで発見できるようにしていきましょう。

詳しくはこちらのリフレーミングコラムの性格のリフレームのコーナーを参考にしてみてください。

まとめと発展

まとめ

繰り返しになってしまいますが、ストレングス視点はモデルは、福祉に携わる人にとって必須の視点です。

人間だれしも強みを持っていて、その強みを社会とつなげる手伝いをするのが、我々福祉家です。

率直なことを言えば、相談してくる方の中には社会常識がなく、攻撃的な方もいると思います。やりとりをしていく中で援助者自身が疲弊してしまうことも多々あると思います。

そんな方でも、一緒になって向き合えば、きっとキラリと光るダイアのような強みを発見できるはずです。

その強みを一緒に見つけていくのは我々福祉家の仕事の面白さなのかなと感じています。

動画解説

ストレングス理論は、動画解説もあります!

共感力

ストレングスを引き出すには、相談者の悩みをしっかり受け止めて、勇気づける力が必要になります。援助者に必要なスキルとしては共感力コラムも参考にしてみてください。

災害時の基礎知識

2020年コロナウイルスの影響で福祉の力が極めて重要になっています。心理系、福祉系の知識を網羅した動画を作成しました。

良かったら参考にしてみてください。長いので少しずつみてくださいね♪

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
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*出典・参考文献
・Press Wood, A. M., Linley, P. A., Maltby, J.,Kashdan, T. B., & Hurling, R. (2011).Using personal and psychological strengths leads to increases in wellbeing over time: A longitudinal study and the development of the strengths use questionnaire. Personality and Individual Differences, 50,15-19
・ニューセンチュリー英和辞典,三省堂,1987,p.1279
・大竹恵子(2005)ポジティブ心理学から見た新しいパーソナリティの提案ー人間のポジティブな人格特性(character strengths)について 東北学院大学 日本パーソナリティ心理学会発表論文集14巻
・Peterson, C., & Seligman, M. E. (2004).Character strengths and virtues: A handbook and classification. UK.: Oxford University
・高齢者ケアにおけるストレングスの概念  佐久川, 政吉; 大湾, 明美; 宮城, 重二  沖縄県立看護大学紀要  2010