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無視される時の対処法・無視する人の心理や特徴を心理学の専門家が解説

無視される,心理


無視される時の対処法・無視する人の心理や特徴-臨床心理士が解説①

無視されるときの対処方法を専門家が解説

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。

当コラムでは「無視」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。 無視について心理の専門家が解説します

無視をされるという経験はとてもつらいですよね。。人から無視をされたときに

・無視されるなんて悲しい・・・
・何かわるいことをしたのだろうか・・・
・職場や学校に行きたくない・・・

など思い悩んでしまうことがあると思います。無視は、学校や職場などさまざまな人間関係の中で起こりうることです。そのため、人から無視をされたとき対処法を知っていないと不安や抑うつが強まり、健康を阻害する要因になることや、自己否定感が強まり、人間関係がうまく行かなくなることがわかっています。

無視された時の心理について解説

これまで心理学では、

・無視されたときのダメージ
・無視されたときの考え方
・無視されたときの適切な行動

などたくさん研究されてきました。まずは、その研究をご紹介します!

無視は自己肯定感を低下させる

「無視」に関連する論文して、Sackett(2001)の研究を紹介します。Sackettは過去にDV被害を受けた女性の心理的ダメージを検討しました。その研究では、シェルターに避難している女性などから以下の5つと、自己肯定感の関係について分析されました。

・嘲笑
・批判
・無視
・嫉妬とコントロール(束縛)
・身体的暴力

下記の図はその結果を表しています。概観してみてください。表の見方としては(‐)の数字が大きいほど影響があることを示しています。自己肯定感を下げる要因。無視の影響が分かる図この結果からは、

・無視は身体的暴力に匹敵して自己肯定感を下げる
・心理的には無視が一番、自己肯定感を下げる

以上のことがわかりました。この研究では母集団が少なく、有意差が確認されてはいないのですが、心理的虐待の中でも無視をされるという体験が強く女性たちの自己肯定感を下げている(Sackett,2001)ということがこの研究により示唆されています。

無視は、抑うつや不安を高める!

日本における無視の研究は学校のいじめで多く報告されています。中学生のいじめの被害・加害経験と心理的ストレスとの関係を検討した研究では、中学生のいじめの関わり方は、

・無視、悪口を受ける
・身体的暴力などを受ける
・無視、悪口をしてしまう
・身体的暴力をしてしまう
・すべてに関与しない

の5群に分類することができます。そしてこの5群の内訳は、そして、これらいじめの関わりと心理的ストレスに関してアンケートを用いて調査したところ、

・全般的被害群は、ストレス症状が全般的に高い
・無視・悪口の被害者は抑うつや不安が高い

無視が抑うつや不安に影響している研究資料の図

事がわかりました。また、実際に暴力を受けなくても無視・悪口などを受けた被害者は、抑うつや不安が全般的被害群とほぼ同等に高まることがわかっています。

無視は加害者側にも心理的問題を起こす

以上の結果からいじめを受けた被害者にストレスが高いのは予想しやすいと思います。しかし、この研究では、いじめ加害者の実態も明らかにされています。

その結果、加害者側は

・不機嫌・怒り・無気力のレベルが高い
・先生との関係性が良好ではない

という問題があることがわかりました。いじめの加害者においてもストレスのレベルが高い(岡安・高山,2000)ということが明らかになったのです。いじめ加害者は、自分のストレスがうまく発散できず、また周囲との関係性もうまくつくれないことが人を攻撃するという行動に至っているのかもしれません。

無視で得する人はほとんどいない

このように海外の研究や日本の研究から無視をされた人は、自己肯定感を下げる、不安や抑うつが高まることが明らかにされました。そして、そのダメージは暴力にも匹敵するのです。相手から無視をされたとき、自分が悪いのでは?と思い、不安や抑うつを高めてしまいます。

そして、無視を含めたいじめをする側にも高いストレスや周囲との関係をうまく築けないという問題が背景にあるようです。無視をするほうも、無視をすることで、罪悪感をもったり、話し合いを避けることで、社会性を失っていくことになるのです。

このように無視で得する人など加害者側を含めてほとんどいないと考えると良いでしょう。

無視されたときの対応力に関する問題のセルフチェック 

無視されたときの対応力に関する問題のセルフチェックをご用意しました。

つぎの無視に関する問題の中から、あなたの普段の性格や行動を表しているかをお答えください。以下の項目で、「0:全く表していない~4:大変よく表している」の中から選び、最も当てはまるものを一つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。無視された時の対応力のチェックリスト

セルフチェックの傾向と対策 

0-14点
無視されたときの対応力の問題が低めの傾向
無視されたときの対応力が低めの傾向にあります。人間関係の中で相手と関わるときに自分の気持ちと相手の気持ちを分けて付き合えている様子がうかがえます。しかし、相手から無視されたように感じたときなどにも自分は悪くないからと相手と同じような態度を取っていませんか?タイミングを見計らい相手に歩み寄ることでさらによりよいコミュニケーションになるかもしれません。

15—29点
無視されたときの対応力は中程度の問題傾向
無視されたときの対応力の問題は中程度であることが考えられます。人間関係の中で相手と関わるときに丁度良い距離感で人間関係を保っているのではないでしょうか?しかし、感情が不安定なときには相手に無視をされるなどぎくしゃくした際に自分を過剰に責めてしまうときもあるかもしれません。そんな時は十分に心身ともに休めていつもの自分に戻れるように回復を優先して下さい。

30点以上
無視されたときの対応力の問題が強い傾向
30点以上の人は、無視されたときの対応力の問題が強い傾向にあります。日常生活の中で他人中心に物を考える、行動することが多い傾向が見受けられます。そのため、相手から無視をされるというような時でも全て自分のせいだと自分を過剰に責めることが多いかもしれません。現在、相手との問題を負担に感じているのであれば、すぐに解決を目指すのではなく、問題を整理することなどできることから始めてみましょう。 

定期的にチェックしてみよう

このチェックリストの結果は、あくまで「今」のあなたの無視されたときの対応力に関する問題傾向です。そのため、時間や状況によって変化します。この結果は、今のあなたの無視に関する問題を知ること、そしてその状態をどのようにすれば、ちょうど良い状態に近づけるのかということを考えるきっかけにしてください。

無視されたときの3つの解決策

セルフチェックの結果はいかがでしたでしょうか。あまりいい結果が出なくても、現状を知ることが大切です。そこで本コラムでは、無視されたときに解決できない原因と解決策を提案させて頂きます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①アイメッセージで気持ちを伝える

気持ちを抱え込むことは避ける 
無視をする人は、相手がどれだけ傷付くのかという想像力が欠如していると考えられます。相手の想像力が欠けている場合、自分がどれだけ傷ついているか相手は理解することができていません。無視をされたら自分の気持ちを伝える前にあきらめてしまう、自分が悪いと責める気持ちが強くなってしまうと言う方は要注意です。

アイメッセージで気持ちを伝えよう!
アイメッセージで気持ちを伝える方法とは、わたしは~と感じている、考えている等わたしを主語として自分の気持ちや考えを伝える方法です。無視をされたときにひとりで自分の悪かったところばかり探していると相手の気持ちを推測するしか方法はなく、後悔や自分を責める気持ちを強めてしまいます。

相手の気持ちは相手にしかわかりません。まずは、自分が今どう感じているかを伝えてみましょう。傷ついている気持ちを表に出せない・・・と言う方はコラム②を参考にしてみてくださいね。

②ストローク法で無視に対処

相手の無視を無視で返している人は要注意!
相手に無視をされているときには、気まずい雰囲気で自分も無視を無視で返してしまいがちです。しかし、無視を無視で返してしまえばその状況は続いてしまいます。また自分の気持ちもより暗くなってしまうなどの悪循環になってしまいます。相手の無視を無視で返してしまっている人は要注意です。

挨拶でポジティブストロークを送ろう!
ストロークとは、交流分析の重要概念のひとつで、相手の存在を認めて発せられる刺激のことです。ポジティブなストロークは、相手が気持ちよく受けとる行為で、たとえば長所を指摘したり、ほめたりすることが挙げられます。

対人関係ではポジティブなストロークが多い方が、円滑なコミュニケーションを取ることができます。無視をされているときにもとりあえず挨拶はしてポジティブなストロークを送りましょう。無視に無視を返すことから脱却したい・・・という方はコラム③を参考にしてみてくださいね。新たな対処法を試みることで自分の気持ちも楽になるでしょう。

③「ない→あるの視点」を回復しよう

無視する人への注目は要注意!
無視する人のことばかり考えていると自己肯定感が下がり、うまくいっている状況まで見えなくなってしまいます。辛い状況であることは勿論ですが、無視する人以外に受け入れてくれている人は必ずいるはずです。無視する人にばかり注目してしまっている人は要注意です。

受け入れてくれる人に注目するワークとは?
「ない→あるへの視点」とは、例えば、自分の話を聞いてくれる家族や友人、ソーシャルサポートなど自分の助けになるものを書き出し、受け入れてくれる人に目を向けていく方法です。

無視する人には一時的に拒絶されているかもしれませんが、あなたを受け入れてくれる人も存在しています。その存在に目を向けられるようなワークについてご紹介します。このワークをやってみたい人コラム④を参考にしてみてくださいね。自分を大切にしてくれる人を再確認でき、辛い気持ちも和らぐきっかけになるでしょう。無視に対処する3つの方法

今の自分の気持ちを伝えよう!

このように相手が無視をする原因や、ぎすぎすした状況が続いてしんどくなってしまうのは、「気持ちを抱え込む」「無視を無視で返してしまう」「ないものへの注目」が原因となることが多いようです。次回以降は無視されたときの対処方法について考えていきます。

解決を急ぐのではなく、まずは状況を振り返り問題を観察してみることや、対処方法を考えることでその後の対人関係も変化してくるでしょう!次回の無視コラムもお楽しみに!

★無視はもっとも自己肯定感が低下する!問題が起こったときには距離感が大切!
人間関係講座

 

*出典・参考文献
Sackett, L. A. (2001). The Impact of Different Forms of Psychological Abuse. Psychological abuse in violent domestic relations.
岡安孝弘, & 高山巌. (2000). 中学校におけるいじめ被害者および加害者の心理的ストレス. 教育心理学研究, 48(4), 410-421.
伊藤美奈子. (2017). いじめる・いじめられる経験の背景要因に関する基礎的研究. 教育心理学研究, 65(1), 26-36.



3つの対処法で適切に対応しよう