ユーメッセージとは?アイメッセージとの違いを徹底解説
皆さんこんにちは。コミュニケーション教室を開催している公認心理師の川島達史です。当コラムは下記にあてはまる方におすすめです。
・つい相手を責める言い方になってしまう
・「あなたは」で始まる言い方が多い
・アイメッセージとの違いが分からない
ユーメッセージとは、「あなたは」を主語にして、相手の行動の変化を求める会話の技術です。当コラムを読み進めていくと、ユーメッセージの特徴と、アイメッセージとの使い分け方をおさえることができます。アイメッセージとは?意味と使い方,安全な伝え方もあわせてご覧ください。
◆全体の目次
①ユーメッセージとは
②アイメッセージとの違い
③基本は使わないのが無難
④使っていい場面
⑤YOUメッセージの種類
⑥まとめ・学びたい方へ
ユーメッセージとは
ユーメッセージとは、「あなたは」を主語にして、相手の行動そのものについて言及し、行動の変化まで求める伝え方です。
ユーメッセージは、「(あなたは)+行動への言及や要求」という型で作られます。
<具体例>
(あなたは)遅刻しないでよ!
(あなたは)もっとできるでしょ!
(あなたは)メモを取ろうね!
(あなたは)連絡をこまめにすべきだ!
このように、相手の領域に踏み込んで行動そのものを求める言葉は、ユーメッセージになります。「あなたは」を主語にすると、相手の行動を制限することになるため、どうしても強い口調になりがちです。
アイメッセージとの違い
アイメッセージとの違いは、次の表の通りです。
| アイメッセージ | ユーメッセージ | |
|---|---|---|
| 主語 | 私 | あなた |
| 伝える内容 | 相手の行動について、自分の感情を話すだけ | 相手の行動について、自分の感情を話し、かつ相手の行動の変化を促す |
| 相手の行動への言及 | しない | する |
つまり、アイメッセージは「感情を伝えるだけ」で止まるのに対し、ユーメッセージは「感情を伝えた上で、相手にこうしてほしいと求める」ところまで踏み込む点が、決定的な違いです。
基本は使わないのが無難
ユーメッセージは慎重に
ユーメッセージは、基本的には使わないのが無難とされています。理由は、相手の行動を評価したり要求したりする言葉が、相手の反発心や怒りを刺激しやすいためです。まずはアイメッセージで自分の気持ちを伝え、それでも状況が変わらない場合の最終手段として、ユーメッセージを検討するのが安全な順序です。
具体例
太郎さんは、隣の部屋に住む方の生活音に悩んでいました。夜遅くまで足音や物音が響き、なかなか寝付けない日が続いていたのです。そこで太郎さんは、いきなり「(あなたは)静かにしてください」とユーメッセージで伝えました。すると相手から「そっちこそうるさいくせに」と言い返され、しばらく気まずい関係が続いてしまいました。
後日、あらためて「(私は)夜なかなか眠れなくて困っています」とアイメッセージで気持ちを伝え直したところ、相手も素直に音量を下げてくれるようになったそうです。
このようにユーメッセージは角が立ちやすいのでまずは受け入れやすい表現を大切にしましょう。
使っていい場面
ユーメッセージは常にNGというわけではありません。以下のような場面では、有効に使える場合があります。
すでに信頼関係が築けている相手
普段からお互いに気持ちを伝え合えている関係であれば、多少ストレートな言い方をしても、関係が崩れにくいものです。信頼関係がある相手同士では、多少の言い過ぎも「そういう意図ではなかった」と受け止めてもらいやすく、関係が大きく損なわれることは少ないでしょう。
アイメッセージで状況が変わらない場合
アイメッセージを重ねて伝えても、相手の行動になかなか変化が見られないこともあります。そうした場合の最終手段として、ユーメッセージで直接行動の変化を求めることも選択肢の1つです。何度も気持ちを伝え続けているのに状況が変わらないときは、無理にアイメッセージにこだわらず、はっきりと行動を求める方が、お互いにとって分かりやすいこともあります。
安全に関わる緊急の場面
危険な行動をすぐに止めてほしいときなど、一刻を争う場面では、遠回しな言い方よりも、はっきりと行動を求めるユーメッセージの方が適切なこともあります。子どもが道路に飛び出しそうなときなど、悠長に気持ちを伝えている余裕がない場面では、多少強い言い方になっても、まず行動を止めることを優先すべきでしょう。
このように、信頼関係が十分にできていない相手に対しては、ユーメッセージはできる限り避け、アイメッセージを重ねる方が関係を良好に保ちやすくなります。
YOUメッセージの種類
アイメッセージの提唱者であるゴードン(1970)[1]は、会話の中でついユーメッセージになりがちな型として、次の12種類を紹介しています。何気なく使っているワードでも「あなた」が主語になっていることがわかります。
1.命令:(あなたは)それを止めなさい。
2.警告:(あなたは)このままだと後悔するよ。
3.説教:(あなたは)本来こうすべきだ。
4.助言:(あなたは)こうすればいいのに。
5.論理での説得:(あなたは)冷静に考えればわかるはずだ。
6.批判:(あなたは)その考えは間違っている。
7.過度な賞賛:(あなたは)いつも完璧だね。
8.からかい:(あなたは)本当に子どもみたいだ。
9.分析:(あなたは)本当は仕返しがしたいんでしょ。
10.なだめ:(あなたも)そのうち気が晴れるよ。
11.詰問:(あなたは)なぜそんなことをしたんだ。
12.はぐらかし:(あなたは)そんなことより次の話をしよう。
(Gordon,1970を参考に一部意訳)
特に「命令」「批判」「からかい」は、日常会話の中でも無意識に使ってしまいやすいタイプです。命令は相手の行動を一方的に決めつけ、批判は相手の判断力そのものを否定し、からかいは遠回しに相手を傷つける働きを持ちます。いずれも悪気なく口にしてしまいやすいからこそ、特に注意しておきたい表現です。
こうして並べてみると、日常会話の中でも無意識にユーメッセージを使っている場面が多いことに気づきます。まずは自分の口癖を振り返り、「あなたは」を主語にしていないか意識してみるところから始めてみてください。
まとめ・学びたい方へ
ユーメッセージは、「あなたは」を主語にして相手の行動の変化を求める伝え方であり、基本的には使わないのが無難です。信頼関係がある相手や、アイメッセージで解決しない場合の最終手段として、上手に使い分けていきましょう。
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筆者は東京のお茶の水でコミュニケーション教室を開催しています。今回お伝えした「相手の行動を求める伝え方との付き合い方」も、教室で扱っているテーマの1つです。
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ユーメッセージと対になる「アイメッセージ」の意味や使い方、安全な伝え方について詳しく知りたい方は、以下のコラムもあわせてご覧ください。

コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科 修了
取材執筆活動など
- NHKあさイチ出演
- NHK天才テレビ君出演
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
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名前
長田洋和
経歴
- 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
- 東京大学 博士 (保健学) 取得
- 公認心理師
- 臨床心理士
- 精神保健福祉士
取材執筆活動など
- 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
- うつ病と予防学的介入プログラム
- 日本版CU特性スクリーニング尺度開発
名前
亀井幹子
経歴
- 臨床心理士
- 公認心理師
- 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
- 精神科クリニック勤務
取材執筆活動など
- メディア・研究活動
- NHK偉人達の健康診断出演
- マインドフルネスと不眠症状の関連









上記の図でわかるように、

