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感情コントロールができな原因と訓練方法

感情コントロールができない原因・訓練方法

こんにちは!公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「感情のコントロール」
です。


対象となるお悩み
・感情コントロールが苦手
・不安になると止まらなくなる
・カッとなりやすい

全体の目次
感情コントロールとは何か?
心や体への悪影響
改善する5つの方法

はじめに

私はカウンセラーとして日々活動をしています。様々な方のお悩みをお伺いすると、人間関係のトラブルのほとんどに感情のコントロール力の不足が絡んでいると感じています。

「批判され暴言を書き込んでしまった」

「人前は怖いのでいつも逃げてしまう」

「一度不安になるとどんどん悲観的に

これらのお悩みに共通することは、まさに感情コントロール力の不足です。

感情コントロール

この点、心理学の世界ではこれまで感情コントロールに関する実に様々な手法が生み出されています。当コラムでは様々な手法を解説していきます。

是非最後までご一読ください。

感情コントロール不足問題

まず初めに感情コントロールが効かないとどんな問題が起こるのか?確認していきましょう。

メンタルヘルスへの悪影響

ポジティブな感情はコントロールできなくても、そこまで問題になりません。幸福感、好意、楽しい、うれしい、これらの感情をコントロールする必要性に迫られることはそう多くはありません。

一方で、悲しい、怒り、不安という感情はコントロールをしないとメンタルヘルス上大きな問題を引き起こします。以下2つの例を記載しました。興味がある方は展開してみてください。

城月健太郎(2013)は、社交不安障害(SAD)患者14名と大学生251名に対し、不安のコントロール感に関する調査を行いました。

結果が以下のグラフです。大学生のグラフが伸び、SAD患者のグラフが低くなっています。

感情コントロールと不安

これは、健康的な大学生は不安に対して自分で制御できる感覚があり、SAD患者は不安をコントロールできない感覚があることを示しています。

つまり、感情コントロールができないと、不安に飲み込まれやすくなると言えそうです。さらに、不安に飲まれる状態が続くと、社交不安障害などのリスクが高くなるため注意が必要です。

筑波大学の渡辺俊太郎(2004)が、「怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究」において、怒りが生理的、心理的にどのような影響を及ぼすかを調査しました。

その結果、怒り持続傾向の高い男性は、副交感神経が低下し、抑うつにもつながることがわかりました。

横山(2014)はうつ病と関連して、“怒り発作”の概念を取り上げています。“怒り発作”とは、

・過去6か月間、イライラが確認される
・少しの煩わしい出来事に過剰に反応
・過去1ヶ月間に1回以上の怒り発作
・怒り発作と性格が一致しないと感じる

などの条件により定義されます。こうした突然怒りの表出を表す人は、うつ病を伴う比率が高いとされています。

他にも、双極性障害(いわゆる躁うつ病)や若年性認知症においても、それまでの性格では考えられない激しい怒りを伴うことが知られています。もちろん、感情コントロールもできなくなります。

いずれにしても、突発的に怒りやすくなった場合は、精神疾患の可能性も視野に入れておく必要もあるのです。

精神疾患の場合は、心理療法や薬物療法などの視野に入れて改善していくことになります。

 

人間関係のトラブル

感情コントロールができないと、怒りなどの感情をそのまま相手にぶつけてしまう可能性があります。すると、

・夫婦喧嘩
・DV
・虐待

など家族関係の悪化につながってしまいます。

心理学の世界ではこうした感情コントロールが効かず、当たり散らす人を高感情出力タイプ(Expressed Emotion)と呼ぶことがあります。

高感情出力タイプの方がいると、家族の精神疾患の原因につながることもあります。詳しくは下記を展開してみてください。

ここでは、高感情出力の3つのパターンを見ていきます。EEは以下のようなコミュニケーションとなってしまうことが良くあります。

1.批判的な感情表出

「いい年して職にも就かないなんてだらしない」「寝てばかりでゴロゴロして情けない」などと、相手を批判することをいいます。感情的に怒鳴られると、相手に精神的な負担を与えてしまいます。

2.敵意のある感情表出

「この子がいなくなればいい」「ぶん殴ってやりたい」「この子のせいで私の人生は崩壊した」などの敵対的な感情をぶつけることです。過剰になると、虐待やDVにつながってしまいます。

3.情緒的に巻き込まれている感情表出

「この子は病人だから私が看病しないと」「この子の気持ちは私にしかわからない」など過保護や過干渉になってしまうことです。ちょっとしたことで泣き崩れたり、抱き着いたりなど冷静さを失うことも含まれます。

感情コントロールができず、感情のまま振舞ってしまうと、お互いのメンタルへルスにも良くないですし、人間関係が崩壊する恐れもあります。

 

身体へ悪影響

特に怒りや不安を抱えているとき、私たちの体は危機に備えようと、コルチゾールというホルモンを出します。コルチゾールは一時的には、体を戦闘態勢にして、私たちの集中力を高めてくれます。

一方で緊張状態が長期化すると、不眠、免疫の低下、胃潰瘍、高血圧などの症状をもたらします。感情の起伏が激しい方は体の面でも注意が必要なのです。

井澤等(2004)は「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、怒りと生理的な影響について研究を行いました。

男子大学生20名に対して調査をしたところ、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

怒りに関する例の表

アンガーマネジメントができない人、いわゆる短気・敵意的な人は、日常場面でも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示し、その結果,冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることがわかったのです。

 

怒りの感情コントロールを解説

5ステップで感情コントロール

ここからは感情コントロール能力を伸ばす訓練方法を5つのご紹介します。

・脳の構造を理解する
・深呼吸法
・メタ認知力
・認知療法
・目的本位で生きる

脳の構造を理解する

自分に適した感情コントロール法を探すには、脳の仕組みを理解するのが、近道です。まずは以下の動画をご覧ください。

 

深呼吸法

次に、即効性のある深呼吸法を学びましょう。深呼吸法は感情コントロールの王様です。是非マスターしたいところです。深呼吸は副交感神経の働きを高め、感情を落ち着かせる効果があります。

シンプルにやると、感情的になっているときは、おなかで息をしっかり吸って、鼻から息を吐くようにしましょう。これを1分間続けるだけで、かなり落ちつかせることができます。

感情的になったらまずは深呼吸!と覚えておきましょう。詳しくは以下のコラムで練習してみてください。

深呼吸の効果・やり方

アンガーマネジメントを実践する4つのコツ

メタ認知力

メタ認知力とは、自分の感情や考えを客観的に眺め、観察する力を意味します。感情コントロールがうまくできない方は、自分自身の状態に気が付くことがとても苦手です。

メタ認知力を高めると、「怒っている自分」に気が付き、そしてその背景を探る力がついてきます。例えば、深呼吸と組み合わせ、落ちついてきたら、自分がなぜ感情的になっているのか?を考えるようにしましょう。

そしてその背景を理解していくと、意外と冷静になることができます。感情的になると我を失う…という方は下記のコラムを参照ください。

メタ認知力コラム

 

認知療法

深呼吸法、メタ認知の練習ができたら、自分の考え方を見直す余裕が出てきます。次に練習すべきは認知療法です。認知療法では感情を引き起こす考え方を発見し、修正していく練習を行います。

例えば、SNSでたまたま自分の悪口を言っている人を見つけたとします。この時、
「絶対に許さない!」

と考える人と
「まずは自分の考えを伝え、様子を様子を見よう」
「その上で改善してくれない場合は、残念だけどブロックしよう」

と考える人では、感情が変わってくるのは理解できると思います。感情コントロールが得意な方は、感情を安定させる思考の引き出しが多いのです。

以下の認知行動療法コラムでぜひ練習をしてみましょう。

認知行動療法の基礎

 

認知療法で怒りの感情コントロール

森田療法

仕上げは森田療法の哲学を理解するとより効果的です。森田療法は日本人の森田正馬が作成した手法です。哲学としては、感情に流されるのではなく、目的を大事に生きていく姿勢を重視しています。

私たちは人間である以上、感情の浮き沈みがあるのは仕方がありません。大事なことはその浮き沈みに人生を支配されるのではなく、自分の人生を生きるということなのです。

詳しくは下記のコラムを参照ください。

森田療法コラム

 

講座のお知らせ

今回は感情コントロールについて学習してきました。是非日常生活で試してみてくださいね。

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・感情コントロール練習
・メタ認知練習
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方は下記の看板をクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

人間関係講座

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・高倉実(1995,「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.
・井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)215-224 早稲田大学