>
>
>

共感力を診断・テストでチェックしませんか

共感,力,診断・テスト


共感力を診断・テストでチェックしませんか①

「共感」を専門家が解説します!

みなさんはじめまして!
コラム担当 臨床心理士の田口
出典担当  橋爪です。
私たちは臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや精神保健に関する活動を行っています。

皆さんは「共感」という言葉を聞いてどのような印象を持ちますか?

誰かと話をしている時、
「わかるわかる!」
「そういうことあるよね〜」
と言ってもらえる。自分の考えをわかってもらえた!などさまざまな「共感」のイメージをお持ちではないでしょうか。

共感とはつまり、
「あなたの気持ちがわかります」
と相手の気持ちをくむことをいいます。

私たちはそれぞれ違った考えを持っていますが、自分が何かを話しているとき、相手が大きくうなずきながら聞いてくれると、嬉しいですよね。
「わかってくれた」
「受け入れてもらえている」
こんな当たり前の感情が、あたたかい人間関係を築いていくための大切な一歩になるのです。

このコラムでは、その「共感を見つめ直し、より良い人間関係を構築していくために役立つ正しい知識を全5回のコラムでご紹介していきます。

 

共感とは何か?

ではそもそも共感とはどのような概念なのでしょうか?

先ほど少しお話しましたが、共感とは相手の気持ちをくみ、理解することです。共感することは、「自分もそう思う!」と、考えや主張に、全くそうだと感じることとは違います。

自分もそう思う!と相手に同感、同調しすぎると人との心の距離が取りづらくなり、ほどよく上手に人間関係をつくることが難しくなります。「あなたは今こんな気持ちなんですね」と相手の気持ちの状態を理解することが大切です。心理学ではこれを「共感的理解」と呼びます。共感的理解を示すことで、相手との信頼関係がつくれ、安心してコミュニケーションをとることができるようになります。カウンセリングの場面でもこの共感的理解の姿勢はとても重要です。

カウンセリングでは、クライエントの気持ちを「あたかも自分の気持ち」ようにカウンセラーが理解することが求められます。

 

共感性の欠如が引きおこす問題

まずは「共感性の欠如」によって起こりやすい3つの問題を挙げたいと思います。

①自己中心的になる
他人がどう感じるかを察知する能力が弱いため、「自分さえ良ければいい」という発言や行動をしてしまいます。自分の主張ばかりして、周囲からは「自分勝手だ」と思われがちです。

②人間関係をつくるイメージが上手にできない
人はそれぞれ違った考えや思いを持っています。共感性が低いとそれを理解する能力が弱いため、他人も自分と同じ気持ちであると思ってしまいます。「自分は◯◯だからあなたも◯◯だ」と決めつけて接するため、相手は「自分のことを全く理解しようとしてくれない!」と感じるかもしれません。

③孤独になってしまう
先にあげた①と②のような態度でいると、孤独になります。自己中心的で自分の考えを押し付けて来る人とは、周囲も距離を持つようになります。そうすると、人と接する機会が減り、自分のコミュニケーション能力に自信をなくしたり、ますます激しく自己主張するようになったり…悪循環に陥ってしまうかもしれません。

「共感性の欠如」すると、人間関係でうまくいかないことが続き、仕事や友人関係など様々な対人場面にも影響が出て来る可能性があります。

 

共感力を診断してみよう!

では、ここで自分の「共感する能力」をセルフチェックしてみましょう!診断からわかった結果を通して、改めて自分を見つめなおすことで、何か新しいことに気が付くかもしれません。

 

合計点数が21点〜28点…共感力はかなり高めといえます。
人の気持ちを察することが得意で、気持ちに寄り添うこともできるでしょう。周囲からは思いやりのある人と思われているかもしれません。しかし、周囲に寄り添いすぎて自分が疲れないように注意が必要です。

合計点数が14点〜20点…共感力は普通からやや高めといえます。
周囲に合わせ思いやりのある言葉をかけることができますが、「へぇ〜みんなそんなこと思うんだ。」とドライな一面も。自分の価値観と周囲の気持ちとを擦り合わせることができれば、人間関係は良好です。

合計点数が13点〜19点…共感力はやや低いといえます。
普通とはいっても「みんなどんなことを感じてるんだろう」とアンテナを張っていないとなかなか人の気持ちを察することができないかもしれません。また、そのせいで日常の場面の空気がなんとなく読めない…なんてことも。周囲の人に共感することを意識し練習が必要です。

合計点数が4点〜12点…共感力は低いといえます。
自分のことや自分の気持ちを優先して周囲の人を後回しにしていませんか?周りの人の考えることがわからず心ない言葉を言ったり、他人とわかり合えないと孤独を感じるかもしれません。診断の結果はいかがでしたか。もちろん、この診断結果が全てではありませんが、何かしら新たに気が付くことがあった方も、いらっしゃるのではないでしょうか。結果に基づき、改めて自分を見つめなおすきっかけとしていただければ嬉しいです。

 

共感性の欠如の原因とは?

共感する能力が欠けてしまう原因とは一体何なのでしょうか。ここで「共感性の欠如」の原因を3つご紹介したいと思います。原因が分かることが、問題解決の大きな一歩になりますよ!

①心理的な問題
人は成長していく過程で、「自分とはどんな人間だろう」と自分の核となる部分である自我を見つけていきます。その過程で他人と親しい関係を築いたり、他人がどのような気持ちになるかなどの共感性を身につけていきます。子供の頃から成長し自我を確立していく間に「自分は特別だ」「自分の欲のためには人を騙したっていい」などの価値観が備わると他人を見下したり、共感性が低くなることがあります。自分が特別だと感じたり、自分の欲のために人に共感的になれずルールを守れないなどの行動は、大人になるとパーソナリティ障害という精神的な疾患であることがあります。

②相手の気持ちやコミュニケーションをイメージできない
共感したい気持ちがあっても、自分がどのように声をかけたらよいかなど、コミュニケーションをイメージできないと具体的に相手に伝えることができません。また、どのような場面でどんな時に相手がどのように感じるかなど、相手の気持ちについてイメージができないと、共感することも難しくなります。このような状態は、発達障害という生まれつきの特徴であることがあります。

共感力アップには「表情・想像・質問」の3つがポイントです。意識して共感力を伸ばしていきましょう。コラム③では伝える力を鍛えるコツを練習問題を交えながら詳しくご紹介していきます。

③「全てに共感しようとする」同感したり同調しすぎてしまう
相手に共感して、相手の気持ちに寄り添おうとすることはとても大切です。しかし、全てのことに賛同し、同感、同調することは、自分への負荷も大きくなってしまいます。誰もが理想とする「程良い距離感の共感」を目指すためのポイントをコラム④で練習問題を交えながらご紹介します。

 

共感性を身に付けていこう

このように、共感性の欠如の原因には「心理的な問題」「相手の気持ちやコミュニケーションをイメージできない」「「全てに共感しようとする」同感したり同調しすぎてしまう」の3つが繋がる場合が多いようです。これらの対処法を次回のコラムからご紹介していきます。内容は以下の通りです。

コラム2 共感する能力を鍛えよう
コラム3 共感を得る2つの対処法
コラム4 共感できる言葉をきわめよう!

「共感」の力を身に付けていくことで、他の人への理解が深まり、広い視野で物事をみることができるようになります。それによって、いろいろな考え方を持った人がいることを知ったり、自分と共通点のある人と出会う機会が増えたり、今よりもっとあなたの人生が豊かになりますよ。共感性の欠如から抜け出して、より良い対人関係を築いていきましょう。

次回の共感コラムでは、共感力が欠如する原因の1つ目「心理的な問題」の対処法をご紹介していきます。次回もお楽しみに!

★共感とは、相手の気持ちを受け入れる能力
★共感性の欠如の原因は主に3つ
★原因に応じた対策で共感性の欠如を抜けだそう!
★共感性の欠如の解決は、豊かな人生につながる

 

出典
・よくわかる臨床心理学 山口 創著 川島書店 共感性尺度の再構成
・多次元共感測定尺度の構造と性格特性との関係 桜井 茂男 奈良教育大学紀要(1994)
・『パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床』林 直樹,日本評論社(2007)
・ADHDと自閉症の関連がわかる本 ダイアン・M・ケネディ著,田中康雄監修,海輪由香子訳 明石出版

コミュニケーション講座


共感性が欠如する問題と原因をしっかりと確認しましょう