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ポジティブシンキングを専門家が解説します。

ポジティブシンキング


ポジティブシンキングを専門家が解説①

「ポジティブ」を専門家が解説します

みなさんはじめまして!臨床心理士の兵働です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。

皆さんは「ポジティブ」という言葉を聞いてどのような印象を持つでしょうか?なかなかポジティブになることができない・・・という方もいれば、めっちゃポジティブ!という方もいらっしゃるでしょう。

近年、人間の心の強さや精神的にプラスの面についての研究が進んでいます。特に1998年に米国心理学会会長のセリグマン博士によって提唱された「ポジティブ心理学」が注目されています。近年、医療業界や心理学の世界だけでなく教育や一般企業の社員研修などでも活用されています。

このコラムでは、ポジティブシンキングになりたい方やなる方法を知りたい方・ネガティブシンキングで悩んでいる方向けに、ポジティブについて正しい知識を全5回のコラムで解説していきたいと思います。

 

ポジティブの調査結果。問題と影響とは

ポジティブシンキングは心の問題にとても深く影響すると言われています。例えばポジティブシンキングが欠如すると、マイナス部分だけに焦点を当ててしまう思考のクセが付き、日常生活の様々な場面でストレスを抱いてしまいます。

例えば、
ホブホルという学者は個性と社会心理学ジャーナル(Journal of Personality and Social Psychology)において、「都心出身の女性の間の資源損失、資源増加と感情的な結果」という論文を投稿しました。

714の都心出身の女性の間で、9ヶ月調査をしたとこと、自分の環境をポジティブに評価出来ている女性は、自己効力感を持つことがわかりました。逆にポジティブな評価が低い人は、怒りやすくなることがわかったのです。

 

ポジティブの欠如はうつに繋がる?!

ストレスを抱えると、表情が暗くなりがちになり、周囲が近づきにくい雰囲気を作ってしまいます。結果的に人間関係がうまくいかなくなり、さらにストレスを抱えてしまうこともあります。

このような状態が続く事は過度なストレスとなり、心身のバランスを崩すことにもつながり、うつなどの精神疾患を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

 

ポジティブ思考度をセルフチェック

まずは、自分のポジティブシンキングの傾向をセルフチェックしてみましょう!次の単語について、今のあなたの状態にどの程度あてはまるか考えて1つ選んでください。回答が終わったらすべての項目の得点を合計してくださいね。

 

セルフチェックの傾向と対策

10点~25点:ポジティブシンキング度は低め
やや低い可能性があります。明るい事まで暗く考えてしまうシンキングのクセが付いている可能性もあります。シンキングのクセは、毎日の意識やトレーニングをすることで変える事ができます。

26点~32点:ポジティブシンキング度は普通
適度に考えることができています。ただ多少波があることもあるでしょう。ネガティブな捉え方が、時にあなたの魅力にマイナスをもたらすかもしれません。ポジティブシンキングになるよう、日頃からトレーニングをすると良いでしょう。

33点~40点 ポジティブシンキング度は高い
あなたは前向きな考えをもち、どんな困難なことにもめげずに乗り越えて行けるタイプです。一方で、楽観的に考えすぎてしまう可能性もあるため気を付けましょう。例えば、重要な決断をする時やリスクが伴う事を取り組む際は、少し考えてから行動すると適度なポジティブ思考が保てるでしょう。

結果は、あくまで「今」のポジティブの傾向です。時間や状況によって変化するため、結果に基づき、あなたにちょうど良いポジティブシンキングになるきっかけとしてください。トレーニングを日頃から行って経験を増やしてくださいね。

 

原因について考えよう

診断についていかがでしたか。あまりいい結果が出なくて「ポジティブに考えていきましょう!」と言っても簡単になれない方もたくさんいらっしゃると思います。特にポジティブシンキングになる事ができない原因は以下の3つが代表的です。

①視野が狭い
物ごとを常にマイナス視点で捉えるシンキングのクセがあります。これは、いつも同じ視点で物事を判断してしまう視野の狭さが原因です。物事は1つの見方だけでなく色々な視点から見ることができます。

この色々な視点からとらえる方法を取り入れる事で、1つの見方に捉われることがなくなります。視野を広くする方法をコラム2で詳しくご紹介していきます。

 

②感謝の気持ちが薄い
日々の幸せや喜びに鈍感になる傾向があります。これは、周囲への感謝の気持ちを忘れたり、感謝の言葉を口にすることが少なくなっていることが原因です。

感謝の気持ちを育むことは幸福度の向上やうつの軽減につながるため、ポジティブ傾向を向上させることができます。まずは、日常にある感謝に改めて目を向ける事が大切です。感謝の視点を増やせる方法をコラム3で詳しくご紹介します。

 

③過剰なポジティブシンキング
ポジティブシンキングは様々な良い効果を期待できますが、過剰なポジティブは楽観的な行動に拍車がかかり、大きな事故や失敗をしてしまう恐れがあります。問題やトラブルをマイナスに捉える必要はありませんが、現実を受け止めきちんと対処しないと、また同じ問題やトラブルを引き起こしてしまいます。

なんでもポジティブが良い!というわけではありませんから、適度なポジティブシンキングになるよう伸ばしていくことが大切です。コラ4で過剰なポジティブシンキングを抑える方法を詳しくご紹介します。

 

次回はポジティブになる方法を解説

このように「視野が狭い」「感謝の気持ちの不足」「過剰なポジティブ」が原因となることが多いようです。次回以降はポジティブになる方法ついて考えていきます。内容は以下の通りです。

コラム2 リフレーミングでポジティブになる力がつく
コラム3 ポジティブ思考に欠かせない感謝の意味は?
コラム4 2つのコツを紹介!ポジティブになる方法

ポジティブになる方法は幸せになるカギとなります。しかし、そう簡単にポジティブにはなれないかもしれません。これから紹介するポジティブになる方法を日々の生活の中で意識していくことで、少しずつポジティブになることでしょう!次回のコラムもお楽しみに!

★ ポジティブシンキングは幸せの第1歩
★ ポジティブになるには感謝が大切
★ 視野を広げるとポジティブシンキングになる
★ 過剰なポジティブは危険

 

*出典
Hobfoll SE, Johnson RJ, Ennis N, et al: Resource loss, resource gain, and emotional outcomes among inner city women. J Pers Soc Psychol 2003; 84: 632-43

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